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「どけよ、ちょっと停めただけだろうが」無断駐車の車を住民で取り囲んだ。翌朝、私が見た光景とは

  • 2026.7.15

出せない一台の前に、堂々と停まる車

マンションの駐車場で、同じ棟に住む友人が困り果てていた。

自分の区画から車を出そうとすると、通路をふさぐように一台の車が横向きに停まっている。

ナンバーにも見覚えがない、あきらかな無断駐車だった。

「もう何度目かわからないの。買い物にも病院にも行けなくて」と友人はため息をついた。

聞けば、その車はここ数週間、思い出したように現れては同じ場所に停まっているという。

管理会社に連絡しても、持ち主がわからず注意のしようがなかったそうだ。貼り紙をしても、翌週にはまた同じ車が同じ場所に戻ってくる。

友人はもう半ばあきらめかけていた。

その日も友人の車は完全に閉じ込められていた。

私が様子を見に行くと、事情を知った近所の住人が一人、また一人と集まってきて、通路には気づけば複数の人が立っていた。

「これはさすがにひどいね」「小さい子がいる家もあるのに」と、みんな口々に憤っていた。

顔ぶれは違っても、みんな一度は同じように通路をふさがれ、肝を冷やしてきた人たちだった。

翌朝、その車は二度と現れなかった

どうしたものかと話していると、駐車場の入り口から一人の男が悠然と歩いてきた。

まさにあの車の持ち主だった。私たちの視線に気づいても悪びれる様子はなく、ポケットに手を突っ込んだまま、面倒くさそうに言い放った。

「どけよ、ちょっと停めただけだろうが」

その一言で、集まっていた住人の空気が変わった。

誰かが静かに、しかしはっきりと切り出す。「ちょっとじゃないでしょう。何度も、人の区画をふさいで。困ってる人がいるって、わかっていて停めてるんですよね」

男を取り囲むように立ち、一人ずつ落ち着いた声で事実を並べていく。

日付、時間、ふさがれた区画。反論の隙もない具体的な指摘に、男の口数はみるみる減っていった。

「次からは絶対にやめてください」

年配の住人が静かに念を押すと、男は舌打ちひとつでそっぽを向いた。

最後まで男は謝らなかった。ふてくされた顔のまま車に乗り込み、走り去っていく。

それでも、翌朝その車は姿を消していた。次の日も、その次の日も現れない。友人は久しぶりに何のストレスもなく車を出せたと、心底ほっとした声で電話をくれた。

数の力で押し切ったわけではない。ただ、見て見ぬふりをしなかった人がいた。

それだけで、理不尽は静かに退散していったのだ。「あの時みんなが集まってくれなかったら、今も泣き寝入りしていたと思う」。友人の言葉が、いつまでも耳に残っている。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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