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「…ありがとう」とだけ言った私の、言えなかった本音

  • 2026.7.14
ハウコレ

5回目の誕生日に、彼がくれたのは洗剤と柔軟剤、ハンドソープのセットでした。毎日使うものだと分かっています。けれど、紙袋の中身を見た瞬間、今年も私は「ありがとう」だけを返しました。本当は、誕生日くらい特別に選ばれたものが欲しかったのです。

また日用品だった

付き合って5年になる彼は、毎年きちんと誕生日を祝ってくれます。忘れられたことはありません。食事も用意してくれるし、プレゼントも必ず渡してくれます。

それでも、紙袋を開ける前から、私は中身を少し予想していました。1年目はバスタオルのセット。2年目は食器用洗剤と掃除グッズ。その後も、彼が選ぶのは暮らしの中で使えるものばかりでした。

今年の袋に入っていたのは、洗剤、柔軟剤、ハンドソープでした。きれいに包まれていて、彼が雑に選んだわけではないことは分かります。だからこそ、がっかりした自分を責める気持ちもありました。

毎日使うやつだから

彼は「毎日使うやつだから」と言いました。たしかに、その通りです。買い足す手間も減るし、少し高めのブランドで、自分では選ばないものでもありました。

でも、私が誕生日に欲しかったのは、便利さだけではありませんでした。普段の買い物ではなく、彼が私を思って選んだと分かるものが欲しかったのです。

「ありがとう」と返したあと、私は洗面所の棚にそれを並べました。置き場所までぴったり収まることが、かえって寂しく感じました。誕生日のプレゼントが、生活の補充品になっていくように思えたからです。

言えなかった言葉

本当は、「かわいいものが欲しかった」と言えばよかったのだと思います。アクセサリーでも、花でも、手紙でもよかった。高価なものを求めていたわけではありません。

ただ、5年も一緒にいるうちに、今さらそんなことを言うのがわがままに見えそうで、言い出せませんでした。彼が考えてくれたことまで否定するようで、怖かったのです。

その一方で、黙って受け取るたびに、彼はこれで喜んでいると思っているのかもしれない。そう考えると、私も彼に本音を渡してこなかったのだと分かりました。

そして...

私は、彼にメッセージを送りました。うまくまとまった文章ではありません。でも、「日用品が嫌なわけではない。ただ、誕生日にはもう少し特別に選ばれた感じが欲しかった」と書きました。

送ったあとも、すぐに楽にはなりませんでした。彼を責めたいわけではないからです。けれど、来年も同じ紙袋を受け取って、同じ顔で笑うほうがつらいと思いました。

洗剤のセットは、今も棚に並んでいます。使えば役に立つものです。でも、それとは別に、私は自分の気持ちも置きっぱなしにしていました。次の誕生日を迎える前に、ちゃんと伝えられてよかったと思いたいです。

(20代女性・会社員)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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