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「会長をやるのは決まりなんだよ!」法的根拠のない子ども会への強制入会。役員全員に囲まれたウサギさんが退会を決意した理由【作者に聞く】

  • 2026.7.13

「町内会の規約だから、子ども会には入らなきゃいけないの!」ーー。そんな強引な役員の一言に押し切られ、本意ではない入会を余儀なくされてしまったら。本来、自治会や子ども会への加入は任意であり、法的根拠も強制力もないはずだが、地域の狭い人間関係のなかでは断りきれずに悩む人も少なくない。漫画家のきよまろ(@sobomiyako98)さんが自身の苦い実体験をベースに描いたコミックエッセイ『ウサギさんは子供会を辞めたい』が、SNSや電子書籍を中心に、地域コミュニティのあり方に悩む子育て世代の間で大きな反響を呼んでいる。

2026年7月現在も、共働き世帯の増加やライフスタイルの多様化に伴い、PTAや自治会といった義務的ルールの見直しが各地で議論されるなか、今回は強烈な役員たちに囲まれながらも組織の矛盾に立ち向かったウサギさんの闘いを紹介。現代の社会的状況に合わせた運営の必要性について、作者のきよまろさんへのインタビューを交えてお届けする。

退会届を受理しない強硬姿勢

【漫画】「ウサギさんは子供会を辞めたい」を読む 画像提供:きよまろ(@sobomiyako98)
【漫画】「ウサギさんは子供会を辞めたい」を読む 画像提供:きよまろ(@sobomiyako98)
ウサギさんは子供会を辞めたい 2 画像提供:きよまろ(@sobomiyako98)
ウサギさんは子供会を辞めたい 2 画像提供:きよまろ(@sobomiyako98)
ウサギさんは子供会を辞めたい 3 画像提供:きよまろ(@sobomiyako98)
ウサギさんは子供会を辞めたい 3 画像提供:きよまろ(@sobomiyako98)

物語の主人公であるウサギさんは、PTAや学童の役員こそ引き受けていたものの、子どものいじめ問題や家族の病気、さらにはワンオペ育児など、家庭内にさまざまな事情を抱えていた。そのため「子ども会には入会したくない」とはっきりと意思を示したのだが、強引な役員に押し切られる形で加入させられてしまう。入会後も一度も活動には参加できずにいたが、無情にも2年後には「副会長」の順番が回ってきてしまう。なんとかその1年をこなしたウサギさんだったが、さすがに次年度の「会長」を引き受けるのは不可能だと判断し、退会を申し出た。

しかし、待っていたのは役員たちの猛反発だった。「ウサギさんが次年度会長をやるのは決まりなんだよ!」と一喝され、退会届は受理されない。そればかりか、話し合いという名目で役員全員に呼び出され、囲まれてしまうという強烈な事態へと発展していく。家庭の限界をすり潰してまで「決まり」を優先させようとする組織の閉鎖性に、ウサギさんは精神的に追い詰められていくこととなる。

自分を削って健康を崩す前に「加入しない」を選べる空気

凄絶な実体験をあえて人間ではなく動物のキャラクターで描いた理由について、きよまろさんは次のように語る。

「人だと生々しすぎて、読んでいて嫌な気分になってしまいそうだったので、あえて動物キャラでゆるくしました。いろいろな漫画を描きますが、個人的に嫌な気分になる系の漫画が苦手なので、描いている私自身のメンタルを保つため……でもあったりします」

本作を描いたきっかけについては、現代の生活スタイルと地域組織のズレに対する疑問があったという。

「生活するうえでよりよい環境にすべく組織を作ることは大切だと思いますが、今の生活スタイルに合っているか疑問に感じたのがきっかけです。作品中でウサギさんは退会にいたっていますが、辞めることがゴールなのではなく、本来であれば、辞めなくても済むような運営の在り方や時代に迎合した運営に変化させていくことの大切さについても触れています。地域で組織を作り活動することにはメリットもありますが、自分を削って健康を崩したり、仕事に支障をきたすことは避けたいものです。そもそも自治会の加入は任意であって強制力はありません。ですから魅力的で活動しやすい運営にすることも大事ですが、『加入しなくてもいい』という選択肢がもっと気楽に選べればと思います」

ウサギさんがどのようにしてこの強烈な包囲網を突破し、退会に漕ぎ着けたのか。その具体的な軌跡はKindleで無料公開中の本編に詳しく描かれている。きよまろさんは「『ウサギさんは子供会を辞めたい』は私の描く漫画の中では重いのですが、基本はクスッと笑えたり、ちょっと心が軽くなる四コマ漫画を描いています。中でも『祖母みや子100歳』は、はちゃめちゃに明るく強く激動の時代を生きた祖母をテーマに描いたので、ぜひ読んでいただけたらと思います」と笑顔を見せる。

理不尽な同調圧力に負けず、自分の生活と家族を守るためのヒントが詰まった本作。地域の人間関係に息苦しさを感じているすべての人に、一歩を踏み出す勇気を与える一冊として、ぜひ手に取ってほしい。

取材協力:きよまろ(@sobomiyako98)

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