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私の本棚に「効率いいやり方があるよ」と手を入れてきた彼に言った一言

  • 2026.7.12
ハウコレ

引っ越しの手伝いに来てくれた彼は、私が並べかけていた本を抜き取り、別の段へ差し込みました。「効率いいやり方があるよ」と言われても、うなずけませんでした。私にとってその本棚は、使いやすさだけで決める場所ではなかったからです。

本を並べていた時間

付き合って2年になる彼が、引っ越しの荷ほどきを手伝いに来てくれました。段ボールが残る部屋で、私は本棚の前に座り、箱から出した本を1冊ずつ並べていました。

彼は作業が早く、食器や小物を次々に片づけてくれました。助かっていることは分かっていました。けれど本棚だけは、自分で決めたいと思っていました。

私には、買った時期の順に並べる癖があります。背表紙を見るだけで、その頃に読んでいたものや、当時考えていたことを思い出せるからです。分類としては不便でも、私には意味のある順番でした。

「効率いいやり方があるよ」

私が棚の位置を迷っていると、彼が横から手を伸ばしました。「効率いいやり方があるよ」と言い、私が置いたばかりの本を抜いて、ジャンルごとに並べ直し始めました。

確かに、そのほうが探しやすいのかもしれません。けれど、私が選んでいた順番を聞かないまま変えられたことに、すぐ反応してしまいました。

「勝手に触らないで」。口にしたあと、強い言い方だったとは思いました。でも、撤回はしませんでした。彼は「ちゃんと使いやすくしてあげてるんだけど」と返しました。その言葉で、さらに本棚が自分のものではなくなっていく気がしました。

変えられていた棚とラック

私は、彼が差し込んだ本を1冊ずつ取り出し、元の位置へ戻しました。彼は作業をやめましたが、部屋の空気はそれまでとは違っていました。

キッチンへ行くと、スパイスラックの瓶も並びが変わっていました。塩と砂糖が隣り合い、よく使う順にしていた私の並びとは違っていました。私は左から順に戻しました。

手伝ってくれたことには感謝していました。でも、私の暮らし方まで直されているように感じました。効率が悪くても、そこには私が使ってきた理由がありました。

そして...

帰る前、私は「今日はありがとう」と伝えました。彼は短く返事をして、部屋を出ました。お礼は言いたい。でも、私のやり方を変えられたくはない。その2つは、どちらも本当でした。

翌日、彼から「昨日の本棚のこと、ごめん」とメッセージが届きました。私は、棚は自分の順番のままがいいこと、それでも来てくれたことは助かったことを返しました。

今も本棚は、買った時期の順に並んでいます。探しやすい棚ではないかもしれません。でも、私がここで暮らしていくための棚です。大事なのは、効率より先に、そこにある理由を聞いてもらうことだったのだと思います。

(20代女性・会社員)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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