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痩せたいからと食事をしない子どもに親が口出ししてもいい?クリニック院長加藤先生に伺いました

  • 2026.7.12

子どもがダイエットを始めたみたい。食事抜きや運動のしすぎなど、いきすぎないように注意をしたいけれど、怒ったり窘めたりするのは逆効果?そんな疑問について、たいや内科クリニック院長の加藤大也先生にお伺いしました。

ママ広場

子どもが体重を気にして食事をきちんと食べてくれないときは?

「太りたくないから、ご飯はいらない」
「夕食は食べたくないけれど、お菓子なら食べる」
お子さんがそんな行動を取り始めると、保護者の方はとても心配になると思います。叱った方がいいのか、無理に食べさせた方がいいのか、それとも様子を見てよいのか。親として迷うのは当然です。
まず大切なのは、子どもの体重管理を、大人のダイエットと同じように考えないことです。子どもの体は、毎日成長しています。身長が伸び、骨が強くなり、筋肉が増え、脳も心も発達しています。その大切な時期に食事を抜くと、体重は一時的に減るかもしれません。しかし、その代わりに、集中力の低下、疲れやすさ、便秘、貧血、月経不順、骨密度の低下、身長の伸びへの影響などが起こる可能性があります。

特に注意したいのは、「食事を抜いて、お菓子だけ食べる」状態です。お菓子はエネルギーにはなりますが、体をつくる材料である、たんぱく質、鉄、カルシウム、ビタミンなどが不足しやすくなります。たとえるなら、家を建てるのに明かりだけはついているけれど、柱や壁の材料が足りないような状態です。子どもに必要なのは、単にカロリーを減らすことではなく、成長に必要な栄養をきちんと届けることです。
このような時、保護者の第一声はとても大切です。
「ちゃんと食べなさい」
「そんな食べ方をしているからだめなのよ」
そう言いたくなる気持ちは自然です。しかし、責められたと感じると、子どもは食事の悩みを隠すようになることがあります。まずは、食べ方を注意する前に、心の声を聞いてあげてください。
「最近、体のことで何か気になっているの?」
「食べるのが怖くなることがある?」
「誰かに何か言われた?」
このような言葉は、子どもにとって「怒られる場所」ではなく、「相談していい場所」をつくります。食事を抜く背景には、体型への不安、友人関係、SNSの影響、学校での何気ない一言、自己肯定感の低下が隠れていることがあります。

家庭でできる工夫としては、まず食卓を「注意される場所」ではなく、「安心できる場所」に戻すことです。食事中に体重や体型の話をしない。食べた量を細かく評価しない。「これを食べたら太るよ」といった言葉を避ける。その代わりに、「今日は疲れていない?」「学校で楽しいことはあった?」と、体ではなく心に目を向ける会話を増やしてみてください。
食事内容は、完璧を目指す必要はありません。朝食に卵、納豆、ヨーグルト、豆腐、魚、肉などのたんぱく質を一品入れる。甘い飲み物を水やお茶に変える。お菓子を禁止するのではなく、食事の代わりにしない。夕食が遅くなる日は、おにぎりと具だくさんの味噌汁など、簡単でも栄養のあるものを用意する。こうした小さな工夫で、体のリズムは少しずつ整っていきます。

一方で、早めに受診した方がよいサインもあります。体重が急に減った、食べることへの恐怖が強い、食後に吐いている様子がある、下剤やダイエット製品を使っている、疲れているのに運動をやめられない、月経が止まった、立ちくらみが強い、元気がない、食事のことで家族との衝突が増えている。このような場合は、単なるダイエットではなく、摂食障害や心身の不調が関係している可能性があります。
また、体重が急に増えている場合でも、身長の伸びが悪い、強い疲れやむくみがある、のどの渇きや尿の回数が多い、いびきが強い、月経の乱れがある場合は、病気が隠れていないか確認が必要です。体重だけではなく、成長曲線、身長の伸び、学校生活、睡眠、心の状態をあわせて見ることが大切です。
まずは小児科やかかりつけ医に相談してください。必要に応じて、心療内科、児童精神科、管理栄養士などにつなげてもらいましょう。受診は、子どもを叱るためのものではありません。体と心を守るために、家族だけで抱え込まないための大切な一歩です。
子どもに伝えたいのは、「食べることは太るためではなく、生きる力を育てるためにある」ということです。朝起きられること、学校で集中できること、友達と笑えること、好きなことを楽しめること。その土台をつくるのが、毎日の食事です。
親子で目指すべきなのは、細い体ではありません。安心して未来に向かえる体です。

ママ広場

ダイエット製品の摂取や過剰な運動をしているときは?

「このサプリを買って」
「置き換えドリンクを試したい」
「もっと運動しないと太る」
お子さんがこのようなことを言い始めると、保護者の方は不安になると思います。最近はSNSや動画広告で、子どもでも簡単にダイエット情報に触れられる時代です。中には、科学的な根拠が十分でないものや、成長期の子どもには適さないものもあります。
このとき大切なのは、頭ごなしに「だめ」と言うだけで終わらせないことです。もちろん、安全性が確認できないダイエット製品や、食事を極端に置き換える方法、短期間で体重を落とそうとする方法は、成長期の子どもにはすすめられません。しかし、強く否定するだけでは、子どもは隠れて試そうとすることがあります。
まずは、行動の前に気持ちを聞いてください。
「どうしてそれを使いたいと思ったの?」
「何を見てそう思ったの?」
「誰かに体型のことを言われた?」
子どもがダイエット製品を欲しがる背景には、「きれいになりたい」だけでなく、「からかわれたくない」「自信を持ちたい」「誰かに認められたい」という気持ちがあるかもしれません。表に出ているのは『商品が欲しい』という言葉でも、奥にあるのは『自分に自信が持てない』という苦しさかもしれないのです。
窘めるときは、「あなたの考えは間違っている」と言うより、「あなたの体を傷つける方法は選ばせたくない」と伝えることが大切です。
たとえば、
「痩せたい気持ちは否定しないよ。でも、成長中の体に必要な栄養を減らす方法は心配だよ」
「その商品を悪いと決めつけたいのではなく、子どもの体に安全かどうかを一緒に確認したい」
「あなたを止めたいのではなく、あなたの体を守りたいんだよ」
このように伝えると、子どもは『否定された』のではなく、『心配してもらっている』と感じやすくなります。

過剰な運動にも注意が必要です。運動は本来、子どもの体と心にとって大切なものです。骨を強くし、筋肉を育て、睡眠を整え、ストレスを和らげる力があります。しかし、「食べた分を消費しなければいけない」「休むと太る」といった不安から運動している場合は、健康的な運動ではなく、心の苦しさのサインかもしれません。
疲れているのに休めない。けがをしても運動をやめられない。食事の後に必ず運動する。運動できないと強い罪悪感を持つ。こうした様子があれば注意が必要です。
家庭では、運動を「体重を減らす罰」にしないことが大切です。
「太ったから走りなさい」ではなく、
「気分転換に一緒に歩こう」
「よく眠れるように体を動かそう」
「体が元気になることを一緒にしよう」
このように、目的を体重ではなく、健康や楽しさに置き換えましょう。散歩、外遊び、縄跳び、ダンス、買い物の手伝いなど、子どもが続けやすい活動から始めて構いません。

ダイエット製品については、家庭内でルールを作るのも有効です。「体に入れるものは広告だけで決めない」「薬やサプリは、必要があれば医師や薬剤師に相談する」「食事を置き換える商品は、成長期には自己判断で使わない」。禁止ではなく、安全確認のルールにすると、子どもも納得しやすくなります。
保護者自身の言葉にも注意が必要です。大人が日常的に「太った」「食べすぎたから運動しなきゃ」「これは太るから悪い食べ物」と言っていると、子どもは食べ物や体型を善悪で考えるようになります。家庭では、「体を動かすと気持ちいいね」「この食事を食べると元気が出るね」と、健康を前向きな言葉で伝えてください。

受診を考えるサインもあります。ダイエット製品に強くこだわる、食事制限が厳しい、運動をやめるとパニックになる、体重を何度も測る、鏡の前で体型確認を繰り返す、月経が止まる、学校生活に支障が出る。このような場合は、摂食障害や不安症状が関係している可能性があります。早めに小児科やかかりつけ医へ相談してください。
子どもを窘める目的は、行動を押さえつけることではありません。自分の体を傷つけない方法へ導くことです。
あなたの体は、流行に合わせて削るものではなく、未来を生きるために育てるもの。
そのメッセージが届いたとき、子どもは少しずつ、自分を大切にする選択ができるようになります。

※記事の校閲などに生成AIを使用しています。

参考文献・出典
・厚生労働省 e-ヘルスネット「肥満と健康」
・厚生労働省 e-ヘルスネット「若い女性の『やせ』と健康・栄養問題」
・日本小児内分泌学会 一般向け解説「肥満」
・日本小児科学会「幼児肥満ガイド」
・WHO “Guidelines on physical activity and sedentary behaviour”
・小児摂食症 プライマリ診療の手引き

執筆者

プロフィールイメージ
加藤大也
加藤大也

たいや内科クリニック院長

愛知県豊田市にある糖尿病や生活習慣病、甲状腺疾患の専門クリニックで、日本糖尿病学会認定教育施設に認定されています。糖尿病専門医・甲状腺専門医・総合内科専門医である院長のもと、専門看護師や管理栄養士が連携した「チーム医療」を提供しています。
定期的な料理教室や市民講座の開催を通じて、病気の治療だけでなく、地域住民の皆様の健康増進や予防医療にも力を入れています。

たいや内科クリニック

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