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石けんと流水での手洗いが大切。感染症対策について小児外科専門医竹内先生に伺いました

  • 2026.7.9

定期的に耳にするノロウイルス感染症のニュース。なんとなくは知っているけれど、予防方法や治療方法ってどんな方法なの?もしかかった場合、家族はどんな対策すればいい?そんな疑問について、たけうちファミリークリニック院長の竹内雄毅先生にお伺いしました。

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ノロウイルス感染症は、「突然吐いた」「家族に次々うつった」「消毒はアルコールでいいの?」など、保護者の方からもよく相談を受ける感染症のひとつです。
ノロウイルスは、胃腸炎を起こすウイルスです。主な症状は、吐き気、嘔吐、下痢、腹痛です。発熱を伴うこともありますが、高熱よりは軽い発熱にとどまることが多いです。感染してから症状が出るまでの潜伏期間は、おおよそ1〜2日程度とされています。症状は1〜2日ほどで改善することが多い一方で、乳幼児や高齢者では脱水に注意が必要です。

ノロウイルスはどこからうつる?

ノロウイルスは、とても少ない量でも感染することがあります。感染している人の便や吐いたものにウイルスが含まれ、それが手や物を介して口に入ることで感染が広がります。
たとえば、家族の誰かが嘔吐したあと、十分に処理できていない場所を触り、その手で食事をすると感染する可能性があります。また、感染した人が十分に手を洗わずに調理をすると、食べ物を介して広がることもあります。
食べ物では、十分に加熱されていない二枚貝などが原因になることがあります。ただし、家庭内では「食べ物そのもの」だけでなく、「感染した人の便や吐物を介して広がる」ことも多いため、食事管理だけでなく、手洗いや環境消毒がとても大切です。

予防の基本は「石けんと流水」

ノロウイルス対策でまず大切なのは、石けんと流水による手洗いです。
アルコール消毒は、インフルエンザや新型コロナウイルスなどでは有効な場面がありますが、ノロウイルスには効きにくいとされています。そのため、アルコールだけに頼らず、トイレのあと、オムツ交換のあと、調理や食事の前には、石けんでしっかり手を洗いましょう。
小さなお子さんの場合、手洗いが不十分になりやすいので、大人が一緒に確認してあげると安心です。指先、親指、手首、爪のまわりは洗い残しが多い部分です。

吐いたとき、家庭でどう対応する?

お子さんが突然吐いたときは、まず慌てず、周囲に広がらないように対応します。処理をする大人は、できれば使い捨て手袋とマスクを使用します。吐いたものはペーパータオルなどで静かに拭き取り、ビニール袋に入れて密閉して捨てます。
床やトイレ周辺など、吐物や便で汚れた場所は、家庭用の塩素系漂白剤を薄めたもの、つまり次亜塩素酸ナトリウムを使った消毒が有効とされています。衣類やシーツが汚れた場合は、ウイルスが飛び散らないように静かに扱い、可能であれば熱水洗濯や塩素系消毒を行います。
ここで大切なのは、「きれいに拭いたつもり」でもウイルスが残ることがある、という点です。特にトイレ、ドアノブ、蛇口、洗面台、テーブルなど、家族がよく触る場所は意識して掃除しましょう。

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かかってしまったときの家庭でのケア

ノロウイルス感染症に特効薬はありません。治療は、脱水を防ぎながら自然に回復するのを待つ「対症療法」が中心です。
家庭で一番大切なのは水分補給です。吐き気が強いときに一度にたくさん飲ませると、また吐いてしまうことがあります。まずは、スプーン1杯、ペットボトルのキャップ1杯、5〜10mL程度から、少量ずつこまめに飲ませるのがおすすめです。飲めそうであれば、少しずつ量を増やします。

水分としては、経口補水液、湯冷まし、お茶、味噌汁の上澄み、スープなどが選択肢になります。糖分の多いジュースをたくさん飲むと下痢が悪化することがあるため、飲みすぎには注意しましょう。
食事は、無理に食べさせる必要はありません。水分が取れて、尿が出ていて、顔色や反応がよければ、食事量が一時的に減っても慌てなくて大丈夫です。食べられるようになってきたら、おかゆ、うどん、バナナ、スープなど、本人が食べやすいものから少しずつ再開します。

病院を受診したほうがよいサイン

多くの場合は自然に改善しますが、次のような場合は早めに医療機関へ相談してください。

○半日以上おしっこが出ない
○ぐったりして反応が弱い
○水分を少し飲んでも何度も吐いてしまう
○口の中や唇が乾いている
○涙が出ない
○血便がある
○強い腹痛が続く
○乳児、基礎疾患のあるお子さん、高齢者で症状が強い
○吐物を詰まらせた、呼吸がおかしい

特に乳幼児は、体の水分量が少なく、脱水が進みやすいことがあります。「いつもと違って元気がない」「目がうつろ」「抱っこしても反応が乏しい」など、保護者から見て明らかに様子が違う場合は、早めに受診してください。
受診する際は、嘔吐や下痢があることを事前に医療機関へ伝えておくと安心です。院内で他の患者さんに感染が広がらないよう、待機場所や受診方法を案内してもらえる場合があります。

家族にうつさないために

症状が落ち着いても、しばらく便の中にウイルスが出ることがあります。そのため、症状がよくなった直後も、トイレ後の手洗い、オムツ交換後の手洗い、トイレや洗面所の掃除は続けましょう。
また、症状がある人は、できれば調理を避けることが望ましいです。どうしても必要な場合は、手洗いを徹底し、食品に直接触れない工夫をしましょう。
ノロウイルスは「かかると大変」な感染症ですが、正しい知識があれば家庭内での広がりを減らすことができます。ポイントは、石けんと流水での手洗い、吐物や便の適切な処理、少量ずつの水分補給、そして脱水サインを見逃さないことです。
お子さんの体調が悪いと、保護者の方も不安になると思います。迷ったときは、「水分が取れているか」「おしっこが出ているか」「いつもの反応があるか」を確認し、不安が強い場合や様子がいつもと違う場合は、早めに医療機関へ相談してください。

【参考資料】
厚生労働省「感染性胃腸炎」
厚生労働省「ノロウイルスに関するQ&A」
国立健康危機管理研究機構「ノロウイルス感染症」

※本記事の作成にあたり、文章表現の確認や校閲の一部に生成AIを使用しております。

執筆者

プロフィールイメージ
竹内雄毅
竹内雄毅

医学博士・小児外科専門医。京都府精華町「たけうちファミリークリニック」院長。京都府立医科大学小児外科客員講師。

小児科・小児外科の診療に加えて、地域の子どもを安心して預けられる病児保育を運営し、さらに絵本の読み聞かせや離乳食教室、ベビーマッサージなどの子育てイベントも展開している。クリニックを「行きたくない場所」ではなく「行きたくなる場所」に変えることを目指し、医療を軸としたコミュニティデザインに力を注いでいる。現在は、隣接地に人が自然に集まり安心して交流できる広場の構想を進めており、家族と地域が互いに支え合える環境を形にしていこうとしている。

京都府精華町「たけうちファミリークリニック」 ホームページ

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