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“虹色”カエルを発見、既知種の隠された秘密が明らかに

  • 2026.7.9
Ranoidea aureaの脚は虹色に変化すると判明 / Credit:John Gould(UoN), Austral Ecology(2026), CC BY 4.0

カエルといえば、緑や茶色の地味な体色を思い浮かべる人が多いかもしれません。

しかしオーストラリアに生息する既知種 Ranoidea aurea には、見る角度によって青から緑へ変化する“虹色”の皮膚が隠されていました。

オーストラリア、ニューカッスル大学(UoN)の研究で、このカエルの内ももに明確な虹色性が確認されたのです。

詳細は2026年7月6日付の学術誌『Austral Ecology』に掲載されています。

※閲覧注意。記事内に動画があります。

目次

  • 野外調査で見つかった、青い内ももの不思議な変化
  • Ranoidea aurea の青い内ももは、光を操る皮膚だった

野外調査で見つかった、青い内ももの不思議な変化

今回の発見は、オーストラリア・ニューサウスウェールズ州の Kooragang Island で行われた野外調査の中で得られました。

研究者は、2024/25年と2025/26年の夏の繁殖期に、Ranoidea aurea の成体3匹を捕獲し、調査の一環として観察していました。

その中で注目されたのが、普段は見えにくい内ももの青い皮膚です。

この青い部分は、カエルが脚を伸ばしたり、ジャンプしたりしたときにだけ目立つ場所にあります。

研究者は、この皮膚が単に青いだけでなく、見る角度によって色を変えている可能性に気づきました。

そこで今回の研究では、Ranoidea aurea の内ももの青い皮膚が、本当に角度によって色を変えるのかが調べられました。

カエルの後ろ脚を伸ばして内ももを見えるようにし、夜間にライトで照らしながら動画を撮影。

撮影中にはカエルの体をゆっくり回転させ、皮膚を見る角度を変えています。

また、外ももや背中の皮膚も同じ条件で撮影し、比較対象としました。

ここで重要になるのが、「虹色性(iridescence)」という現象です。

虹色性とは、見る角度によって、同じ場所の色や明るさが変わって見える現象です。

今回の観察では、Ranoidea aurea の内ももの皮膚が、正面に近い角度では濃い青から空色に見え、斜めから見るとターコイズや青緑へと変化しました。

一方で、外ももや背中の緑色の皮膚には、同じような色変化は見られませんでした。

つまり、Ranoidea aurea の体全体が角度によって色変化するのではなく、内ももの青い部分に特別な性質が隠されていたのです。

では、なぜ色が変化するのでしょうか。次項で見ていきましょう。

Ranoidea aurea の青い内ももは、光を操る皮膚だった

詳しい観察の結果、この色変化は内ももの広い範囲で見られ、今回調べた3個体すべてで確認されました。

では、なぜこの発見が重要なのでしょうか。

ポイントは、カエルの「青色」がどのように作られているかにあります。

私たちは青い体を見ると、「青い色素があるのだろう」と考えがちです。

しかし動物の青色は、色素ではなく、皮膚や羽の中にある小さな構造が光を反射することで生まれる場合があります。

そして両生類の皮膚には、色を作る特殊な細胞があります。

その中でも、虹色素胞と呼ばれる細胞には、光を反射する小さな結晶板のような構造があります。

Ranoidea aurea の内ももの青色も、この結晶板が光をはね返すことで作られている可能性があります。

しかも今回は、その青色が角度によって緑っぽく変化しました。

これは、皮膚の中の反射板が完全にバラバラではなく、ある程度秩序立って並んでいることを示す手がかりになります。

もし構造が完全にランダムなら、見る角度で色が変わる虹色性は起こりにくいからです。

そのため今回の発見は、Ranoidea aurea の青い内ももが、単なる青い模様ではなく、光を巧みに操る構造によって生まれている可能性を示しています。

さらに、この色には防御の役割があるかもしれません。

Ranoidea aurea の青い内ももは普段は隠れていますが、ジャンプしたり脚を伸ばしたりすると、一瞬だけ見えます。

このような隠れた派手な色は、捕食者を驚かせたり、注意をそらしたりする「フラッシュカラー」として働く可能性があります。

ただし、実際に捕食者がこの色変化にどう反応するかは、まだ確かめられていません。

また、皮膚の中の結晶板がどのように並んでいるのかも、今後、電子顕微鏡などで詳しく調べる必要があります。

今回の発見は、よく知られたカエルの体にも、まだ見落とされていた秘密があることを示しています。

Ranoidea aurea の青い内ももは、カエルの皮膚が小さな“光の装置”のように働くことを教えてくれるのです。

参考文献

Rare color shifting discovered in iconic Australian frog
https://phys.org/news/2026-07-rare-shifting-iconic-australian-frog.html

元論文

Shifty Frogs: Evidence of Iridescence Among Amphibians
https://doi.org/10.1111/aec.70259

ライター

矢黒尚人: ロボットやドローンといった未来技術に強い関心あり。材料工学の観点から新しい可能性を探ることが好きです。趣味は筋トレで、日々のトレーニングを通じて心身のバランスを整えています。

編集者

ナゾロジー 編集部

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