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”100歳まで生きる人々”に目立つ「性格」とは

  • 2026.7.9
長寿で知られる人々に共通する「性格」 / Credit:Canva

「100歳まで元気に生きる人」と聞くと、食事や運動、遺伝の良さを思い浮かべるかもしれません。

しかし長寿地域として知られるイタリア・サルデーニャ島の高齢者を調べた新研究では、もう1つ見逃せない要素が浮かび上がりました。

それは、新しい経験や学びに前向きな「開放性」という性格特性です。

イタリア・カリアリ大学(University of Cagliari)の研究により、長寿地域の高齢者では、この開放性や対処力の高さが、活動的な老いと関係している可能性が示されました。

詳細は2026年7月3日付の学術誌『International Journal of Applied Positive Psychology』に掲載されています。

目次

  • 長寿地域の人は、どんな性格を持っているのか?
  • 「開放性」が目立つ人は、老いても活動を続けやすい

長寿地域の人は、どんな性格を持っているのか?

世界には、100歳を超える人が比較的多いとされる「ブルーゾーン」と呼ばれる地域があります。

イタリアのサルデーニャ島、日本の沖縄、ギリシャのイカリア、コスタリカのニコヤなどがその代表例です。

こうした地域では、食事、運動、社会的つながりが長寿の要因として注目されてきました。

ただし、長寿の理由は1つではありません。

遺伝、環境、食事、文化、地域社会、心理的特徴などが複雑に関わっていると考えられます。

そこで研究チームは、これまで比較的見落とされてきた「性格」に注目しました。

性格は、その人が困難にどう向き合うか、新しい活動に参加するか、人と関わり続けるかに影響します。

つまり性格は、日々の行動や生活習慣を通して、健康的な老いに関わっている可能性があるのです。

研究チームは、サルデーニャのブルーゾーンに住む55人と、近隣の非ブルーゾーン農村地域に住む70人、合計125人の高齢者を調査しました。

対象者の年齢は71〜101歳で、平均年齢は80.1歳です。

参加者には、認知機能、健康関連QOL、心理的ウェルビーイング、生活習慣、そしてビッグファイブと呼ばれる5つの性格特性を調べる質問票が実施されました。

ビッグファイブとは、外向性、協調性、誠実性、神経症傾向、開放性のことです。

その結果、ブルーゾーンの高齢者では、非ブルーゾーンの高齢者に比べて、開放性、困難への対処力、自分や他者の感情を理解して人間関係を保つ力が高く、趣味や活動に使う時間も長いことが分かりました。

では、「開放性」と長寿にはどんな関係があるのでしょうか。より詳細な結果を次項で見ていきましょう。

「開放性」が目立つ人は、老いても活動を続けやすい

今回興味深いのは、ブルーゾーンの高齢者が、健康関連QOLでは非ブルーゾーンの高齢者と統計的に有意な差を示さなかった点です。

つまり、彼らが単純に「体が明らかに健康だった」という結果ではありません。

むしろ差が出たのは、心理的な特徴や生活の活動性でした。

ブルーゾーンの高齢者は、開放性が高く、日々の問題に対処する力や、感情を理解して人と関わる力も高い傾向がありました。

さらに、認知的・身体的に刺激のある余暇活動にも多く参加していました。

実際、趣味や活動に使う時間は、ブルーゾーンの高齢者で週平均11.3時間、非ブルーゾーンの高齢者で週平均6.8時間でした。

ここでいう開放性とは、単に「明るい」「社交的」という意味ではありません。

新しいことを学ぶのが好きだったり、知らない経験を受け入れたり、知的な刺激や創造的な活動に関心を持ったりする性格傾向です。

開放性が高い人は、新しい趣味を始めたり、人との集まりに参加したり、学び続けたりすることに抵抗が少ないと考えられます。

そのため、年齢を重ねても社会的・認知的・身体的な刺激を受け続けやすい可能性があります。

また、参加者全体で見ると、開放性が高い人ほど心理的ウェルビーイングが高く、余暇活動に多く時間を使う傾向がありました。

一方で、神経症傾向が高い人は、健康関連QOLを低く感じる傾向がありました。

この結果は、性格が寿命を直接決めるというより、性格が日々の行動や人との関わり方を形づくり、その積み重ねが健康的な老いに関係する可能性を示しています。

ただし、この研究はある時点で参加者を調べた横断研究です。

そのため、開放性が高いから活動的に老いるのか、活動的に老いているから開放性が保たれるのかは判断できません。

また、対象者は125人と比較的小さく、サルデーニャの農村地域に限られているため、すべての地域や高齢者にそのまま当てはめることもできません。

それでも今回の研究は、長寿を考えるうえで、食事や運動だけでなく「年を重ねても新しいものに心を開き続けること」が、健康的な老いを支える重要な手がかりになる可能性を示しています。

参考文献

People Who Live to 100 Have One Thing in Common – And It Has Nothing to Do With Diet
https://www.sciencealert.com/one-personality-trait-stands-out-among-people-who-live-to-100

元論文

Health Related Quality of Life and Personality Characteristics for Aging Well: Evidence from the Sardinian Blue Zone
https://doi.org/10.1007/s41042-026-00313-w

ライター

矢黒尚人: ロボットやドローンといった未来技術に強い関心あり。材料工学の観点から新しい可能性を探ることが好きです。趣味は筋トレで、日々のトレーニングを通じて心身のバランスを整えています。

編集者

ナゾロジー 編集部

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