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旭川発の国際的な家具デザインコンペ「IFDA」、2027年度の作品募集がスタート

  • 2026.7.6
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日本三大家具産地の一つ、北海道・旭川市。古くから木工家具産業で栄えるこの街で、3年に一度開催される国際家具コンペティション「IFDA」の作品募集がいよいよスタートした。来年5月の本選に向け、審査委員会も新たに始動。5月に開催されたデザインイベント「Meet up Furniture Asahikawa」では、一新された豪華な審査委員とともに次回のテーマ「Origin」が発表され、早くも注目を浴びている。

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旭川で生まれた国際コンペ「IFDA」とは?

森林資源が豊富な地であることから、古くから木工産業が発展した「家具の街」である旭川。昭和中期までは主にたんすなどの“婚礼家具”を主軸に生産していたが、人々のライフスタイルの変化にともない、テーブルやチェア、ソファといった“脚物家具”への転換を迫られるようになっていった。


国際家具デザインコンペティション(IFDA)はこうした時代背景を見据えた旭川発の家具ブランド、カンディハウスの創業者・長原實ら地元の先駆者たちが集い、立ち上げたものだ。1990年の「旭川市開基100年記念事業」の一環として、第1回IFDAがスタートし、以降3年に1度のトリエンナーレ形式で開催されている。

〈写真〉記念すべき第一回のIFDA開催時の様子。この時にはナナ・ディッツェルが金賞を受賞した。

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「世界に通用するには『デザイン』の力が必要不可欠」という信念のもと、第1回から国内外問わず作品を公募し、審査委員にも海外の第一線で活躍するクリエイターを選出。過去にはテレンス・コンランやデザイン ミュージアム デンマークのキュレーターが審査委員に名を連ねるなど、国際色豊かなコンペティションとして歴史を歩んできた。


ユニークなのは、最終選考に残った作品のプロトタイプを、旭川の家具ブランドや工房が実際に手を組んで製作する点だ。審査委員が実物を見て最終審査を行うため、机上の空論ではないデザイナーの真の実力が見極められる。同時に、職人たちが技術を磨く契機にもなり、製品化への道筋をスムーズにするという産地ならではの大きな利点がある。

〈写真〉5月に行われた、旭川市と隣町の東神楽町、東川町で行われた家具デザインイベント「ミート・アット・ファニチャー旭川」の様子。IFDAの新たな審査委員のお披露目と、彼らによるトークイベントが開催された。

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36年目となる今年は、審査委員を一新。審査委員長に倉本仁を迎えたほか、建築家の田根剛や、世界的に活躍するロナン・ブルレック、セシリエ・マンツ、IFDA開催委員会会長、藤田哲也らが審査委員に就任した。そして今年のテーマには「Origin(オリジン)」が掲げられた。

〈写真〉世界から集まった審査委員の面々。上段左:倉本仁、上段右:田根剛 下段左から:ロナン・ブルレック、セシリエマンツ、藤田哲也。

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審査委員長を務める倉本は「鉄やプラスチックは熱を使ったりすることで自由度の高い造形をつくれますが、木などの自然界の素材はそうはいかない。素材の新しい魅力を考えるデザインを期待したい」と語る。

また、建築家の田根は「ある日、突然未来が生まれるのがコンペティションの魅力。ぜひこの機会をチャンスだと思って、コンペを通して未来をつくってほしい」と語った。

デンマークを拠点に活躍するデザイナー、セシリエ・マンツは「例えば、かご一つとっても、日本にもスウェーデンにもメキシコにも歴史があるが、用途や素材などその国ごとの“オリジン”によって違いが出る。さまざまな国のオリジンを感じる木製家具が生まれてくるだろう」と話す。

応募には年齢や資格の制限はなく、誰でも広く挑戦が可能だ。作品募集は7月1日から12月11日まで。予備審査と本審査を経て、受賞者は来年5月に開催される「Meet up Furniture Asahikawa 2027」のステージで表彰される。

Tetsuaki Yoshida

IFDAの発表だけでなく、「Meet up Furniture Asahikawa」の期間中は市内・町内の家具ブランドでさまざまなイベントを実施。新作発表やファクトリーツアー、デザイナーのトークイベントなど、その内容は多岐にわたる。

〈写真〉「カンディハウス」のショールームでは、デザイナー、ガブリエル・タンによる新作キャビネット「タンカ」がお披露目された。ハードカバーの本をモチーフした背板が垂直方向と水平方向にランダムに並び、空間をリズミカルに彩るキャビネットだ。会期中はタン本人による、トークイベントも開催された。

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〈写真〉東川町にある、産業ツーリズム施設「クラフトピア」には家具メーカー「ガージーカームワークス」がアトリエを構えており、製作現場を見ることができる。また、家具産業を担う人材育成を目的とした交流会や、一般に向けたワークショップなども開催。作り手や異業種が交わるコミュニティスペースとしても機能している。

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〈写真〉「大雪木工」の工場&ショールームでは、ワイズ・ベッカーのエキシビションを開催。本人がアイデアを出したオリジナルのキャビネットも公開された。


家具の買い手やバイヤーだけでなく、世界中のクリエイターの視線が集まる「Meet up Furniture Asahikawa 2027」は、来年5月に開催される予定だ。デザイナーと職人たちの手によって、どのような木製家具の未来が描かれるのか期待が膨らむ。



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