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“ケンティー”を応援し続けている人にこそ観てほしい!『ラブ≠コメディ』で描かれる中島健人とリンクする主人公像

  • 2026.7.5

中島健人が主演、長濱ねるがヒロインを務め、ラブコメドラマの撮影現場を舞台に描いた映画『ラブ≠コメディ』が公開を迎えた。本作を一足先に観ていた筆者が言えるのは、主人公の神崎麗司が「中島健人の自伝!?」と思ってしまうほどのハマり役だということ。中島と麗司はどんなところがリンクしているのか、映画の魅力と共に紐解いていきたい。

【写真を見る】中島健人が演じるのは、ラブコメ俳優からのイメージ脱却を図るイケメン俳優、神崎麗司

“ラブコメ嫌い”の人気俳優に舞い込んだ新たなオファー

『ラブ≠コメディ』の主人公は、中島扮する人気俳優・麗司。“360度全方位イケメン”と称され、数々のラブコメディ作品で主演を務めてきた麗司だが、その裏では「重厚な作品で俳優として評価されたい!」という葛藤を抱えていた…というところからスタートする。

【写真を見る】中島健人が演じるのは、ラブコメ俳優からのイメージ脱却を図るイケメン俳優、神崎麗司 [c]Storm Labels Inc. All Rights Reserved.
【写真を見る】中島健人が演じるのは、ラブコメ俳優からのイメージ脱却を図るイケメン俳優、神崎麗司 [c]Storm Labels Inc. All Rights Reserved.

キラキラとしたラブコメ常連俳優という、ファンの理想像に応える一方で、中島が麗司の学生時代からの友人でライバルでもある実力派俳優、渕上颯真(塩野瑛久)の伝統ある作品への出演を疎んでいる。そんな麗司に舞い込んできた次なる出演作は、麗司が頭のなかで描いていた理想のキャリアとは裏腹に、またしても王道のラブコメディ。相手役はアイドルグループ「ぴょんぴょんフルーツ」のメンバーである南風美里(長濱)だと聞いて、麗司はわかりやすくやる気を喪失してしまう。

顔合わせ初日から火花を散らす麗司と美里 [c]Storm Labels Inc. All Rights Reserved.
顔合わせ初日から火花を散らす麗司と美里 [c]Storm Labels Inc. All Rights Reserved.

観始めて印象的だったのは、ドラマの顔合わせに二日酔いで登場し、一生懸命に役づくりへのこだわりを語る美里を冷ややかな目で見る姿。そんな姿は、唯一“中島健人”とリンクしない部分のように感じさせ、真新しい印象を受けた。しかも、それを美里に気づかれ「見損なった」と言われ、わかりやすく苛立ちを見せる麗司。相手が誰であろうと、容赦せずしっかりと苛立ちを見せる姿も新鮮に映ったが、中島自身が持つ熱い一面を彷彿とさせる。

共感必至!俳優、神崎麗司の成長物語

ラブコメ制作の現場を舞台に、麗司と美里が対立しながらも距離を縮めていく姿をコミカルに描く本作。しかし、単なるラブストーリーではない。筆者が作中の麗司と同世代ということもあるかもしれないが、映画では、30歳ならではのキャリアの壁みたいなものがリアルに描かれている。

麗司とは対象的に、友人兼俳優仲間の渕上颯真(塩野瑛久)は社会派ドラマの主演を務めることに [c]Storm Labels Inc. All Rights Reserved.
麗司とは対象的に、友人兼俳優仲間の渕上颯真(塩野瑛久)は社会派ドラマの主演を務めることに [c]Storm Labels Inc. All Rights Reserved.

私自身、同業の友人たちの活躍を素直に喜べない日があったり、自分がずっと停滞しているような感覚に陥って落ち込んでしまったりする日もあるのだが、“ラブコメ作品じゃなく、もっと重厚な作品に出たい!”と駄々をこねる麗司に「わかるよ…」と思わず共感しながら観てしまったものだ。あらすじだけを読むとラブコメという印象が強いかも知れないが、本作はキュンキュンとしたシーンが連続するような作品ではない。個人的には“神崎麗司”という1人のキラキラ俳優が、自分がいまいる立ち位置を受け入れ、そのうえで芸能界のなかでどのように成長していくかを描いた物語のように感じた。

中島の持つ“没入力”で麗司がリアリティのあるキャラクターに

多くの仲間と共によい作品を視聴者に届けるため奮闘する麗司 [c]Storm Labels Inc. All Rights Reserved.
多くの仲間と共によい作品を視聴者に届けるため奮闘する麗司 [c]Storm Labels Inc. All Rights Reserved.

自身のキャリアに悩みながらも、まっすぐに歩みを進めていく。そんな麗司を説得力をもって演じられるのは、まさに中島だからこそ。

まず、多くの人が役の印象をガラリと変える30歳という節目に、麗司は相変わらずラブコメの、いわばキラキラとした王子様のような、歯が浮くような甘い言葉を語るキャラクターをオファーされる。それに対して麗司は“もう嫌だ、違うフェーズに行きたい”と反抗するが、そんな王子様のようなキャラクターを、年を重ねても任される人のほうが希少であるというのも、また事実だ。

自身が出演するラブコメ「執事ラブ」の主題歌「愛してTonight」を披露する麗司 [c]Storm Labels Inc. All Rights Reserved.
自身が出演するラブコメ「執事ラブ」の主題歌「愛してTonight」を披露する麗司 [c]Storm Labels Inc. All Rights Reserved.

そんな麗司の王子様っぷりを「えーこれ無理があるよ…」と観ている人に思わせないのは、中島のスター性、そしてファンを没入させる徹底した世界観を作り込める力(ブランディングと言ってしまえば、あまりにも戦略的であるから、ここではあえて彼の“没入力”であるということでこの言葉を使いたい)と言いたい。

中島は、自身が持つ華やかなスター性とアーティスト性を本作でも存分に発揮。作中では、現実の中島のように、きらびやかな衣装を身に纏った麗司が音楽番組にて楽曲を披露するシーンが登場。ここで歌うポップな楽曲も見事に中島にハマっていた。それもそのはず、実は主題歌の「Fiction Love」、劇中歌「ストロベリー」「愛してTonight」は、中島がこの映画のために書き下ろした楽曲。特に、「ストロベリー」は、劇中ドラマ「壁ドン!床ドン!君にドーン!」で共演する美里のまっすぐな人柄にしだいに惹かれていく、心の揺らぎを表現したような楽曲に仕上がっているので、ぜひ歌詞にも注目してほしい。

もしかして本当のケンティーも…?リアルすぎて想像が止まらない!

また、本作の監督が、中島が主演を務めたテレビドラマ「彼女はキレイだった」の紙谷楓ということもあり、安定感を感じさせるのも推したいポイント。

同ドラマで中島が演じた長谷部宗介は、「ザ・モスト」日本版の副編集長兼クリエイティブ・ディレクターといういかにもハイスペックな肩書を持ちながらも、同じ編集部で働く佐藤愛のことになると、少しチャーミングな一面を見せたり、タブレット片手に仕事ができるキャラクターなのかと思いきや、いまいち決まりきらないところがあったりと視聴者から愛されるようなキャラクターだった。

床ドンのシーンの練習を真剣に行う麗司 [c]Storm Labels Inc. All Rights Reserved.
床ドンのシーンの練習を真剣に行う麗司 [c]Storm Labels Inc. All Rights Reserved.

今回演じる麗司に関しても、その気配を感じさせるところは多々あり。ハイスペックな二枚目俳優かと思いきや、ファンの前から一度離れ、気心の知れたマネージャーの前では子どもじみた行動を見せたりするところも見逃せない。

そして、これは想像でしかないが、オンモードの麗司がどことなく我々が思い描く“中島健人”像と近しいがゆえに、そういうオフ姿のシーンでは「もしかして、ケンティーって裏でこんな感じ?」と想像を掻き立てるようなワクワク感もある。

中島が好きであればあるほど楽しめる要素がたくさんな『ラブ≠コメディ』

ここまで紹介したように、本作はラブコメであり、お仕事ドラマであり、成長物語であり…と観る人によって受け取り方が多様となりそうな予感。きっと日々の生活で葛藤を抱え、悩んでいる人のなかには、麗司が懸命にもがいている姿に自分を投影してしまう人もいることだろう。

「これぞ、2026年の中島健人を映したモキュメンタリー!」…と言ってしまっては、さすがに言い過ぎかも知れないが、中島自身が「自分とかけ離れているわけではないので、普段の自分を原型としつつ、麗司という人物像を作り上げていくうえで脚色をしました」と語るように、本人を下敷きにした物語であることは事実。

『ラブ≠コメディ』は公開中! [c]Storm Labels Inc. All Rights Reserved.
『ラブ≠コメディ』は公開中! [c]Storm Labels Inc. All Rights Reserved.

きっと観る人が中島のどんなところに惹かれて応援しているか、中島にどんなパブリックイメージを抱いているかによって、感想や目の付けどころが異なること間違いなし。長く中島を応援している人にこそ観てほしい、なんなら一回観に行くだけでは咀嚼しきれないと思うので、何度でも劇場に足を運んでほしい!心から勧めたい、この夏一番のビタミンムービーだ。

文/於ありさ

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