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30歳オタク「アイドルにお金と時間を捧げた」→推しの裏切りで復讐へ。不器用な男が辿り着いたまさかの結末【作者に聞く】

  • 2026.6.27

メンズエステとは、マッサージを中心とした施術で心身を癒やす男性向けのお店のこと。蒼乃シュウ(@pinokodoaonoshu)さんが描く創作漫画「メンエス嬢加恋・職業は恋愛です」は、肌に触れるだけで人の心の奥底までも理解してしまう主人公・加恋が、店にやって来た“訳アリ”な客を癒やす人間ドラマだ。

今回のエピソードに登場する桜之坊澄雄は、30歳の童貞。「身だしなみを整えるだけで彼女だってすぐにできるわ」と語りかける加恋に対し、澄雄は「残念ながらボクだって彼女くらいいるんだッ」とアイドルの画像を見せる。「モテなさそうないかにもオタクっぽい男がメンズエステの客として現れたらおもしろそうだなあと思って、描きました」と蒼乃さんは制作のきっかけを語る。

澄雄はアイドル・みゆたんにすべてを捧げてきたが、SNSで彼女に彼氏がいることを知り「浮気してやろうと思ってここに来た。みゆたん以外の女に金を使うことがみゆたんへの復讐なんだ」と明かす。そんな彼を否定せず優しく包み込む加恋の接客について、蒼乃さんは「彼の言い分は年齢のわりにかなり幼いですよね。私だったらもちろん引きますが…(笑)。でも自然と生まれた接客です。キャラクターが勝手に動いてくれるときが、漫画を描いていて最もうれしい瞬間です」と振り返る。

一方的な初恋と推し活…すれ違うコミュニケーション

加恋の施術中、澄雄は初恋の記憶を思い出す。行きつけの喫茶店で働く笑顔がかわいい店員に恋をし、旅行の土産などを毎日渡すようになった彼だったが、次第に喜ばれなくなり、高価なネックレスを贈った結果「困ります…もうやめてください」と泣かれてしまう。

「モテないことがコンプレックスの男ですが、『誰かに恋をする気持ちは素晴らしい』ということが描きたかったんです」と蒼乃さんは本作のテーマを明かす。澄雄の失敗については、「好きな人に振り向いてもらうための努力はいいことだと思いますが、結局それは気を引くためのテクニックに過ぎません。一方的にならず、相手の反応をちゃんと見てコミュニケーションをとる努力を怠った結果でしょうね」と分析する。

初恋の苦い経験から、課金すればするほど喜んでくれるアイドルへの推し活にのめり込んでいった澄雄。蒼乃さん自身も高校時代に好きなアーティストを推していた経験があるといい、「本人が夢中になって生き甲斐になるのならばいいことだと思います。生きる希望をもらいましたので、感謝の気持ちを込めて30年以上経った今でもファンクラブに入会しています」と語る。

「一緒に楽しむことが恋愛」不器用な男が見つけた答え

いくら愛しても推しのアイドルに触れることはできず、「こんな温かい体温をボクは誰とも共有することはできないんだね」と嘆く澄雄。そんな彼に加恋は「好きな女の子に向ける気持ちを少しでも自分に向けてあげて」と優しく語りかける。

この言葉をきっかけに、澄雄は温泉や銭湯巡りをはじめ、その記録をSNSで発信するようになった。自分の心の満たし方を知った彼の今後について、蒼乃さんは「恋愛とは誰かに奉仕するものだと思い込んでいた澄雄ですが、一緒に楽しむことが恋愛だと気づいてほしいです。まずは自分が趣味を楽しんでいるうちに、自然と恋人もできるのではないでしょうか」と期待を寄せる。

加恋の施術と会話を通じ、すっかり充実した日々を取り戻した澄雄。次はどんな訳アリ客が店にやって来るのだろうか。加恋が紡ぐ癒やしのドラマに、今後も注目したい。

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