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「その話、発表でやってみたら」勧めた彼が私の発表だけ拍手の前に席を立った→脈なしを覚悟

  • 2026.6.27
ハウコレ

資料の最後の一枚を読み終えて、私は顔を上げました。発表を聞いてくれていた人たちの中に、ひとりだけ席を立つ人がいます。それが好きな人だと気づいたのは、その背中が出入口へ向かったあとでした。

勧めてくれたのは、好きなあの人でした

月に一度集まって、それぞれが好きなテーマで発表する会に、私は通っていました。人前で話すのは苦手で、いつも聞く側に回っていたんです。そんな私に、彼が言ってくれました。

「その話、発表でやってみたら」

たった一度のその言葉で、私は初めて手を挙げる気になれたのです。

拍手の前に、その背中は出口へ向かった

練習の成果でしょうか、最後まで言葉に詰まらず話しきることができました。客席に目を向けると、彼が席を立つのが見えたんです。拍手が起きるより、ほんの少し早く。

他の人の発表では最後まで座っていた彼が、私のときだけ、出入口の方へ歩いていきます。ドアの閉まる音が、まばらな拍手にまぎれて聞こえました。私の話は、聞くに値しなかったのかな。そんな考えが頭の中を回って、せっかくの拍手がうまく耳に入りませんでした。

もう、諦めるしかないと思いました

発表会が終わって周りを見回しても、もう彼の姿はありませんでした。話しかけて理由を聞く勇気もないまま、私はひとりで会場をあとにしました。勧めてくれたのは彼なのに、という思いは、できるだけ考えないようにしました。この気持ちは、ここで終わりにしよう。帰り道で、私はそう決めたんです。

そして...

家に着いて少しした頃、画面に彼からのメッセージが灯りました。

「拍手の前に出てごめん。最後まで聞いてたよ」

あの背中の意味を、私はまだ何ひとつ知らなかったのだと、その一行が教えてくれます。返信の一文を、私は何度も打ち直していました。

(30代女性・会社員)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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