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「窓際の席をお願いします」と無理を頼んだ俺が→その席に込めた、二年分の理由

  • 2026.6.27
ハウコレ

お店に電話を入れて、俺はひとつだけ無理を頼みました。窓際の、いちばん端のあの席を取っておいてほしい。二年前、彼女と初めて二人で来たとき、座ったのがその席でした。当日まで内緒にしておこうと、俺はひそかに決めていたのです。

あの席を、もう一度頼んだ

二人の記念日に何をしようか考えて、俺はあのお店を予約することにしました。料理が特別なわけではありません。ただ、初めて二人で出かけたのがあの店で、窓際の端の席で向かい合ったことを、俺はずっと覚えていました。同じ席をもう一度、と思ったのは自然なことでした。

予約が取れたその足で、俺は彼女に「予約は取れたよ。窓際の席、お願いしておいたから」とメッセージを送りました。

楽しみにしてる、という返事

彼女からはすぐに「ありがとう、楽しみにしてるね」と返ってきました。その短い返事に、俺は安心しました。実のところ、ここしばらく仕事が立て込んでいて、彼女への連絡もそっけなくなっていた自覚があります。その埋め合わせの気持ちも、正直あったのだと思います。当日に向けて、俺は渡すものをひとつ用意し、伝える言葉を頭の中で並べ替えていました。

向かいの彼女が、少し硬かった

記念日の当日、店の人が通してくれたのは、二年前と同じ窓際の端の席でした。彼女は上着を膝に置いて座りました。いつもより口数が少ない気がして、俺は何から切り出そうかと、注文を決めるふりで間を稼いでいました。注文を終えてから、俺は思い切って言いました。

「ここ、初めて二人で来たとき座った席だよ」

彼女が黙ったままなので、俺は急いで付け足しました。

「どうしても同じ席がよくて、無理を言って頼んだんだよ」

そして...

「二年、付き合ってくれてありがとう」

そう伝えると、彼女の表情がようやくやわらぎました。けれど俺は、最初に見せた硬さの理由を、このとき初めて考えました。あの席が彼女にとって居心地のいい場所だったのか、俺はちゃんと聞いたことがあったろうか。思い出を選んだつもりで、今の彼女を確かめていなかったのかもしれません。

次は、行きたい席を彼女に選んでもらおう。そう決めて、俺はメニューをもう一度、二人の真ん中に置きました。

(20代男性・会社員)

本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。

(ハウコレ編集部)

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