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議論を巻き起こした“NHKドラマ”1年経って完全版へ…「緊迫感が伝わる」大河の“兄弟役”がメインキャストの新作映画

  • 2026.7.25
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(C) 2026 ポニーキャニオン/東京テアトル/NHKエンタープライズ/RIKIプロジェクト

NHK大河ドラマ『豊臣兄弟!』に出演中の池松壮亮と仲野太賀をはじめ、岩田剛典、中村蒼、二階堂ふみなど、30代の演技派人気俳優が一堂に会する映画『開戦前夜』。佐藤浩市、江口洋介、佐藤隆太、北村有起哉、國村隼らベテラン勢も多数出演。SNSには「演技派しかいない」「スクリーンでのぶつかり合いが楽しみすぎる」「ポスターや予告から緊迫感が伝わってくる」といった声が。主演の池松らキャストたちが並々ならぬ熱意を持って演じ、今知るべき重要なメッセージを伝えてくれる映画に仕上がっている。

朝ドラ『虎に翼』にも登場した“総力戦研究所”を描く映画『開戦前夜』

2025年に放送されたNHKスペシャル『シミュレーション~昭和16年夏の敗戦~』のドラマパートに一部編集が施され、完全版として誕生した映画『開戦前夜』。2026年7月31日より公開される本作は、“総力戦研究所”による“シミュレーション”を題材としたフィクション作品だ。

陸軍や海軍の少佐といった公職、そして産業組合中央金庫の課長といった民間。公職・民間を問わず、各団体から、トップエリートである若者たちが、1941(昭和16)年4月に集められた。彼らは、高い頭脳を用い、戦争の行方をシミュレーションすることを託される。アメリカを中心とする諸外国を相手に、開戦すべきか否か。机上演習を行い、さまざまな可能性を議論し合うように依頼される。その組織の名は、“総力戦研究所”。

議論するために“模擬内閣”が結成され、産業組合中央金庫(現・農林中金)調査課長の宇治田洋一(池松壮亮)は内閣総理大臣に指名される。通信社から派遣された政治部記者の樺島茂雄(仲野太賀)は内閣書記官長、陸軍少佐の高城源一(中村蒼)は陸軍大臣、海軍少佐の村井和正(岩田剛典)は海軍大臣を担当。開戦派の声が大きい中、石油備蓄の問題といった厳しい現状を知り、宇治田は“開戦を避けるべき”という考えへ。シミュレーションを繰り返すうちに、やがて開戦派も“避戦”という結論に達するようになる。

原案は猪瀬直樹の『昭和16年夏の敗戦』

“総力戦研究所”の研究結果は、原子力爆弾が落とされたこと以外は、日本が辿った敗戦の、歴史どおりの内容とほぼ一致している。宇治田たちは、“日本必敗”というシミュレーション結果を、当時の首相や閣僚を前に発表。日本とアメリカの圧倒的な国力の差は、政府や軍部の多くの人が認識していたにもかかわらず、結果的に日本は開戦した。

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(C) 2026 ポニーキャニオン/東京テアトル/NHKエンタープライズ/RIKIプロジェクト

本作に登場する人物たちのほとんどは、開戦すべきではないと分かっていたのに、戦争は始まってしまった。戦争へと向かう社会の“空気”に異議を唱えることが容易ではなかったことを描く本作には、二度と繰り返してはならないというメッセージが込められていると感じた。

原案は、1983年に出版された、ノンフィクション作家の猪瀬直樹が、“総力戦研究所”の元所員たちに取材をしてまとめた『昭和16年夏の敗戦』(中公文庫)。NHK連続テレビ小説『虎に翼』で、岡田将生が演じた星航一が所員だった過去に苦悩するシーンがあり、“総力戦研究所”が話題を呼んだことは記憶に新しい。

主演の池松は、「知らなかった戦前の敗北の歴史を知り、脈が乱れ、息が詰まり、涙が止まりませんでした」と、公式サイトにコメントしている。実際の開戦前、敗戦するという結論がシミュレーションによって出ていたことを指しているのだろう。また、「日々あり得ないことが起き続ける世界に、この映画が何が出来るのかを考え続け、映画の持つ小さな奇跡を信じ続けました」と語っている池松。「どうかたくさんの方にこの映画が届いてくれることを願っています」という彼の想いが大勢に伝わってほしい。

池松壮亮と二階堂ふみが兄妹役

『シミュレーション~昭和16年夏の敗戦~』の放送当時、さまざまな議論が巻き起こった。いろいろな考えがあると思うが、主人公の宇治田の脳内には、開戦すれば、否応なしに国民の日常生活が一変する未来予想図があり、その予想は現実的だ。映画『開戦前夜』は、戦争の理不尽さと平和の尊さを、より本質的に伝える、純粋で力強い作品へと昇華されていると思う。

両親を亡くした宇治田は、夫の戦死を受けて実家に戻ってきた妹の小百合(二階堂ふみ)とその娘、徴兵される未来が待つ弟の二郎(杉田雷麟)と暮らしている。守るべき家族がいる彼は、強く避戦を訴えるが、戦争へと向かう“空気”は大きくなっていく。

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池松のほかにも、公式サイトには、共演者たちからコメントが寄せられている。その中で、東條英機役の佐藤浩市のコメントが特に胸に響いたが、最後の1文「日本は未来永劫、戦後でなければならない」という言葉からは、強い想いが感じられる。筆者は、本作で東條英機の印象が大きく変わったのだが、それは佐藤の想いがスクリーンから伝わってきたからなのかもしれない。


※制作の裏側についてはプレス資料・公式サイトより引用

出典:『開戦前夜』公式サイト

『開戦前夜』2026年7月31日(金)公開
出演:池松壮亮、仲野太賀、岩田剛典、中村蒼、三浦貴大、二階堂ふみ、杉田雷麟、北村有起哉、嶋田久作、中野英雄、渡辺いっけい、別所哲也、松田龍平、奥田瑛二、國村隼、佐藤隆太、江口洋介、佐藤浩市
監督・脚本:石井裕也
原案:猪瀬直樹『昭和16年夏の敗戦』中央公論新社
配給:東京テアトル
公式サイト:https://kaisenzenya.com/
(C) 2026 ポニーキャニオン/東京テアトル/NHKエンタープライズ/RIKIプロジェクト

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ライター:清水久美子(Kumiko Shimizu)
海外ドラマ・映画・音楽について取材・執筆。日本のドラマ・韓国ドラマも守備範囲。朝ドラは長年見続けています。声優をリスペクトしており、吹替やアニメ作品もできる限りチェック。特撮出身俳優のその後を見守り、松坂桃李さんはデビュー時に取材して以来、応援し続けています。
X:@KumikoShimizuWP

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