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「眺めのよさに惹かれて」9,800万円のタワマン38階を購入した30代夫婦→初めての夏に青ざめたワケ

  • 2026.7.11
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

「眺めのよさに惹かれて、西向きの高層階を選んだんです。でも、夏になってみたら、夕方の暑さがすごくて。西日がまともに差し込んで、リビングがむわっと熱くなって、エアコンをつけても追いつかないんです。夜になっても熱がこもったままで、寝苦しくて…」

そう話すのは、都内のタワーマンション(築5年・45階建て・38階・約75㎡)を約9,800万円で購入したAさん(30代夫婦・子ども1人の3人暮らし)です。見晴らしのよい大きな窓が自慢の住まいですが、夏の日差しと暑さが、これほどとは思っていなかったといいます。

高層階の夏が暑いのは「窓から入る日差し」のせい

夏に部屋が暑くなる最大の原因は、外から入る日射熱です。夏の冷房時に室外から侵入する熱の約7割は、窓などの開口部から入ってくるとされています。

高層階は、日差しをさえぎる建物がまわりになく、朝から夕方まで強い日光を直接受けやすい場所です。とくに西向きの部屋は、夕方の低い西日がまっすぐ差し込み、室温がぐっと上がります。眺めのために設けた大きな窓は、その魅力と引きかえに、たくさんの日射熱も招き入れてしまうのです。

「夜になっても暑い」のはなぜか

困るのは、日が落ちても暑さが引かないことです。日中に強い日差しを浴びると、建物のコンクリートや室内のものが熱をため込み、夜になってもすぐには抜けず、じわじわと放たれ続けます。気密性の高いタワーマンションは、こもった熱が逃げにくいため、夜まで暑さが残りやすいのです。窓を開けて夜風を入れたくても、高層階は風が強く、思うように開けられない日もあります。

Aさん夫婦はどう対応したのか

暑さに悩んだAさん夫婦は、日差しを入れない工夫から着手。まず、西日が強くなる前の昼間のうちに、遮熱・遮光タイプのカーテンやブラインドを閉めるようにしました。

本来、日射熱は室内に入ってから遮るより、室外で遮るほうが効果的です。しかし、高層階ではベランダ側に外付けの日よけを設けるのは強風や管理規約の関係で難しいことが多く、Aさん宅でも室内側の対策とガラスの遮熱性能でしのいでいるそうです。

エアコンは西日のピーク前から弱めにつけっぱなしにし、サーキュレーターで空気を回すようにしました。

「全部は解決しませんが、日差しを先に止めるだけで、夕方の暑さがだいぶ違いました。高層階の夏は、こういう付き合い方なんだと分かってきました」と振り返ります。

高層階を選ぶときは「夏の日差しと熱」も考えて

タワーマンションの高層階を選ぶ際は、眺めや利便性だけでなく、夏の日差しと暑さも考えておくと安心です。

・リビングの大きな窓が、どの向きか(西・南西向きは、夕方の西日が強い)
・窓ガラスの遮熱性能(Low-Eガラスなど)や、日差しを遮る手段がとれるか
・エアコンの効きや電気代も見込んで、夏の在宅をイメージできているか

「眺めのよさ」とともにある「夏の暑さ」を知っておいて

高層階からの眺めや開放感は、タワーマンションならではの大きな魅力です。一方で、その大きな窓と高さは、夏の強い日差しと隣り合わせでもあります。

大切なのは、「眺めがいい」ことは「日差しも強い」ことだと、あらかじめ知っておくこと。そのうえで、日差しの遮り方や冷房の使い方を、高層階の暮らしに合わせて整えていくことです。

「眺めのよさ」だけでなく「夏の日差し」のことも考えておく。それが、高層階での夏を心地よく過ごすための第一歩です。


ライター:yukiasobi(一級建築士・建築基準適合判定資格者)
行政で住宅政策・都市計画・建築確認審査など10年以上の実務経験を持つ。現在は住宅・不動産分野に特化したライターとして活動し、空間設計や住宅性能、都市開発に関する知見をもとに、高い専門性と信頼性を兼ね備えた記事を多数執筆している。


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