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「廊下が寒くてトイレを我慢…」日本では“日常的な光景”でも…外国人が不思議がるワケ

  • 2026.7.10
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。不動産業界に15年携わり、宅地建物取引士やマンション管理士の資格を持つ西山です。暖房で十分に暖まったリビングから一歩外へ出た瞬間、凍えるような寒さに身を縮めた経験はありませんか。

廊下やトイレに行くのが億劫になり、つい我慢をしてしまう方は少なくないはずです。日本では日常的な光景ですが、海外の人々には不思議に映るようです。

今回は、日本の住まいにおける寒さの原因と健康への影響、具体的な解決策についてお伝えします。

部屋ごと暖房がもたらす日本の住まいの温度差

家全体を暖める全館暖房が一般的な欧米から来た人は、日本の住まいの寒暖差に驚くといいます。なぜなら日本では、使う部屋だけを暖める「部屋ごと暖房」が主流だからです。

国土交通省の調査によると、日本の冬の平均室温は居間が16.8度であるのに対し、脱衣所や寝室は13度前後まで下がるそうです。住宅内の急激な温度変化は、居住者の健康に重大な影響を及ぼしかねません。

世界保健機関(WHO)は、冬の室温を18度以上に保つことを推奨しています。しかし、日本の多くの住宅はこの基準を下回る環境であるのが現状です。

低い室温が引き起こす健康へのリスクと事故

低い室温は、健康に悪影響を及ぼすリスクがあります。特に冬は、急激な温度差で血圧が大きく変動するヒートショックが起きやすい季節です。暖かい居間から、寒い脱衣所や浴室へ移動する際は注意が必要です。

消費者庁のデータによると、高齢者が浴槽内で溺死する事故は冬場に多く発生しており、近年は交通事故の死亡者数を大きく上回っています。令和5年には、高齢者の浴槽内での溺死者数が交通事故死の約3倍に達しました。

住まいの温度差を解消するための具体的なアプローチ

暖房費を抑えるために寒さを我慢する行為は、重大な事故を招きかねません。手軽にできる対策として、入浴する前に脱衣所や浴室をあらかじめ暖めておく方法が効果的です。脱衣所や廊下、トイレなどの冷え込みやすい場所に小型のヒーターを設置するだけでも、急な血圧の変動を防げます。

中長期的な対策としては、窓の断熱性を高めるリフォームが有効です。既存の窓の内側にもう一枚の窓を加えたり、2枚のガラスで間に空気の層を持たせた複層ガラスに交換したりする方法があります。

健康を守るための住まい選びとリフォームの視点

国では住宅の省エネ化を支援するため、窓のリフォームに補助金制度を設けています。補助金を活用すれば、費用を抑えながら住環境を改善できます。室温は、住む人の健康に直結する要素です。

今後の物件選びやリフォームでは、見た目のデザインや広さだけでなく、窓や壁の断熱性能や、家全体を暖かく保てるかまで確かめることをおすすめします。暖かい家は、快適さだけでなく健康や命を守ることにもつながります。

参考:
冬の室温は18℃以上がWHO(世界保健機関)で推奨されています(厚生労働省)
健康&快適生活 家選びの基準変わります(国土交通省)
コラムVol.12 冬の入浴中の溺水や食物での窒息に注意(消費者庁)



筆者:西山雄介(宅地建物取引士・マンション管理士・FP2級などの資格所有)
不動産業界歴15年。新卒で東証プライム上場のマンションデベロッパーに入社後、計2社で新築・中古販売および管理業務に従事。実務現場を経て管理職も歴任し、組織運営にも携わる。現在はその多角的な視点を活かし、実務解説から不動産投資、法律事務所案件まで、専門性の高いコンテンツ制作・ディレクションを行っている。


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