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「被害者なのに2割も?」一時停止無視の軽トラに突然飛び出され…前後2カメラが変えた過失割合

  • 2026.7.17
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。自動車販売・整備・保険業に27年従事している河野みゆきです。

「こんなの、どう考えても避けられない」

事故後、お客様からそんな言葉を聞くことがあります。

相手が突然飛び出してきた事故では、「こちらは何も悪くないのだから、過失はゼロになるはず」と考える方も少なくありません。しかし、自動車同士の事故では、たとえ相手に大きな原因があったとしても、状況によっては走行していた側にも一定の過失が認められることがあります。

畑の陰から突然飛び出してきた軽トラック

私が仕事で対応したお客様、Rさん(20代・男性)の案件です。

事故が起きたのは、交通量の少ない田舎道。Rさんは見通しの良い道路を制限速度内で走行していました。ただ、左側には畑が広がっており、作物などの影響で脇道の先までは見えにくい場所だったため、注意しながら進んでいたそうです。その脇道には一時停止の標識が設置されていました。

突然、畑の陰から軽トラックが飛び出してきました。あまりにも突然の出来事で、Rさんは反射的にブレーキを踏み、ハンドルを切って回避しようとしましたが間に合わず衝突。車両は大きく損傷し、自走できない状態となりました。

軽トラックを運転していたのは70代の男性でした。

幸い双方に大きなけがはありませんでしたが、事故後、男性は「普段は車があまり来ない道だから来ていないと思った」と話していたそうです。さらに、警察による現場確認では、「自分の畑から出てきたので、私道の感覚だった」と説明していたといいます。

Rさんは、「あのタイミングで飛び出されたら、どう考えても避けようがありませんでした」と振り返っていました。

「被害者なのに2割も?」保険会社の説明に驚いたRさん

事故後、Rさんは自分に過失はないと思っていました。

ところが、保険会社から当初示された過失割合は、相手8:Rさん2。担当者からは、「交差点での出会い頭事故では、この割合を基本として検討するケースがあります。また、車を運転している以上、前方を注視し、危険を予測しながら運転する義務があるため、避けることが難しい事故でも一定の過失が認められる場合があります」と説明を受けたそうです。

Rさんは、「相手は一時停止をせずに飛び出してきたのに、それでもこちらに2割の責任があるなんて納得できません」と驚いていましたが、実際、私のもとにも「被害者なのに過失が付くなんておかしい」という相談は少なくありません。

しかし、自動車同士の事故では、過失割合を決めるための基準(基本過失割合)があり、当事者の感覚と結果に違いが生じることがあるのです。

ドライブレコーダーが事故状況を客観的に伝えた

幸い、Rさんの車には前後2カメラのドライブレコーダーが装着されていました。

映像には、軽トラックが十分な安全確認をしないまま交差点へ進入してきた様子や、Rさんが衝突直前に急ブレーキをかけ、少しでも被害を軽減しようと回避操作を行っていた様子が鮮明に記録されていました。この映像を保険会社へ提出し、改めて事故状況について協議が行われた結果、相手の安全確認不足がより重く考慮され、最終的な過失割合は相手9:Rさん1に修正されたそうです。

Rさんは、「1割残ったことには正直複雑な気持ちもありました。でも、ドラレコがなければ2割のままだったかもしれません。映像があったからこそ、本当の事故状況を伝えることができたと思います」と話していました。

「避けられない事故」でも証拠が自分を守る

整備の仕事をしていると、「どう考えても相手が悪い」と感じる事故に数多く立ち会います。

しかし、自動車同士の事故では、当事者の印象だけで過失割合が決まるわけではありません。

保険会社は、過去の裁判例をもとにした基本的な過失割合を参考にしながら、道路状況や安全確認の有無、回避行動など、それぞれの事故の状況を踏まえて判断します。

今回のRさんのケースでも、当初は交差点での出会い頭事故として相手8:Rさん2という割合が提示されました。しかし、ドライブレコーダーの映像によって相手の飛び出し方や安全確認不足、Rさんが回避操作を行っていた状況が確認され、最終的に過失割合が修正されました。

ドライブレコーダーは事故を防ぐための装置ではありません。しかし、事故が起きた際に客観的な状況を記録し、適正な事故状況の判断につながる重要な証拠となることがあります。

万が一の事故では、「自分は悪くない」と伝えるだけでは十分ではありません。事実を客観的に示せる記録が、自分を守る大きな力になるのです。


ライター:河野みゆき
自動車販売・整備・保険業に27年従事。損害保険募集人資格を保有し、車両購入からメンテナンス、カーライフに関わる保険まで幅広く対応。現場経験をもとに、ユーザー目線でわかりやすい情報発信を行っています。


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