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「庭にいるお母さんは誰?」直立不動の偽物と帰宅した本物…同時に現れた2人の母に「鳥肌が立った」【作者に聞く】

  • 2026.6.25

日常のすぐ隣にある、理屈では説明のつかない奇妙な現象。出かけたはずの母親がなぜか庭にじっと佇んでいたり、ドアの鍵もないはずの部屋を何者かがノックしたりするーー。そんな身の毛もよだつ怪異の数々を淡々と語る「Kさん」の体験談を描き、ネット上で大きな話題を呼んでいるのが、漫画家・佐藤さんの創作漫画『Kさんの不思議な話』だ。

pixivに投稿された本作は、じわじわと心の奥に染み込んでくるような不気味さが特徴で、読者からは「ゾッとして鳥肌が立ったのは久しぶり」「不気味で不可解でとてもよかった」と絶賛のコメントが寄せられている。今回は、日常生活を侵食していく恐怖のディティールを紹介するとともに、独自のホラー表現を追求する作者の佐藤さんへのインタビューをお届けする。

Kさんを今も苦しめる「隙間」のトラウマ

画像提供:佐藤
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画像提供:佐藤
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物語のすべての始まりは、Kさんが日常で最も恐怖を感じるという「隙間」に関するエピソードから幕を開ける。Kさんがかつて北陸地方に住んでいたころ、真夜中になると、どこからともなく不気味な「子守歌」が聞こえてくるようになった。あまりに執拗に響くため、音の発生源を突き止めようと部屋中を調べたところ、自分の部屋にある棚の裏側の狭い隙間から聞こえていることに気づく。

Kさんが意を決してその隙間を覗き込んだ瞬間、鋭く風を切るような音が響き、Kさんの髪の先端が不自然に切り落とされた。それ以来、その暗闇の奥から何者かがずっと自分を覗き見ている気配が消えなかったという。この強烈な体験がトラウマとなり、Kさんは今でも部屋のあらゆる「隙間」に怯えながら暮らしている。

さらに読者を戦慄させたのが、第2話で描かれる母親にまつわる怪異だ。ある日、外出して家にはいないはずの母親が、なぜか自宅の庭に立っているのをKさんは目撃する。その姿は異様なほど直立不動で、明らかに普通ではない違和感を放っていた。おかしいと思いながら見つめていると、なんと同時に玄関のドアが開き、本物の母親が外から帰宅したのだ。庭と居間に全く同じ母親が存在するという、ドッペルゲンガーのような狂気の状況に直面したKさんは、「一体どれが本当の母親なのかわからない」と深い混乱に陥っていく。

ゾクゾクする表現へのこだわり

どこにでもある静かな家庭環境を舞台に、第2話、第3話と進むにつれて読者をも五里霧中にさせる予測不能なラストが展開される本作。読者を恐怖のどん底に陥れる緻密な怪作を生み出した佐藤さんに、ホラー漫画を執筆するようになった原点について話を伺った。

「自分の中で『こういうホラーが観たい(読みたい)』という感覚があるのですが、あまり見かけないため、自分で描けたらいいなと思ったことがきっかけです」

自身の好みのルーツとして、日本のホラー映画の金字塔である初期の『リング』や『呪怨』を挙げる佐藤さん。作品を執筆するうえで特にこだわっている部分については、「あとで自分が読んでもゾクゾクするような表現ができたらな、と思って描いています」と語る。

作中の注目してほしいポイントについて尋ねると、「なかなか回答が難しい質問ですね。漫画の中でそれが表現できてたらと思います」と、作品そのもので勝負するクリエイターとしての真摯な姿勢を見せてくれた。

「もっといろいろな話を描く時間が欲しいので、いつかプロになれるように頑張ります」と、今後の目標を力強く語る佐藤さん。説明のつかない不条理な恐怖が、静かにあなた自身の部屋の隙間からも這い出てくるかもしれない。そんな極上の恐怖を、ぜひ作品を通じて体感してほしい。

取材協力:佐藤

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