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サッカー元日本代表監督・トルシエ氏も今北海道に熱視線!ワインの勢力図の未来

  • 2026.6.22

いま北海道各地で、ヨーロッパの名門ワイナリーも注目する質の高いワインが続々と作られています。
大きく変わろうとする、産地の地図…。背景に何があるのでしょうか。

ワイン造りも3-4-3

仁木町の丘に広がるNIKI Hills Winery(ニキ ヒルズ ワイナリー)のブドウ畑。
そこに一人のフランス人の姿がありました。

フィリップ・トルシエ。サッカー日本代表の元監督です。

「ワイン造りで私は3-4-3のシステムを取り入れています」

かつて日本代表を率いた名将は、いま、フランスのボルドーでワイン造りに情熱を注いでいます。

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「同じ品種のメルローでも、北海道のワインは、アルコール感や骨格が比較的穏やかでより軽やかに感じました」

世界的なワインの産地に通じる魅力が、北海道にはあるというのです。

すでに、函館市に進出した名門ワイナリーもあります。
フランス・ブルゴーニュで300年の歴史を持つワイナリー「ド・モンティーユ」のブドウ畑が、函館の丘に広がっています。

ド・モンティーユ&北海道の矢野 映ジェネラルマネジャーは「いろんな方向で風が抜けやすい。1日中陽があたるという日照条件のよさもあります」と話します。

2019年から、ここでブドウの植樹を始め、ワイン造りに取り組んでいます。

「同じ品種からどれだけ地域の特性を生かした味のものができるか」

2010年代以降、北海道各地でワイナリーの開業が相次いでいます。
6年前は42か所だったワイナリーも、今年は76か所にまで拡大しました。

いま、北海道産のワインの種類は、どんどん増え続けているのです。

YOSHIKIさんも北海道のワインに熱い思いを

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世界的なミュージシャン・YOSHIKIさんも去年、小樽市の隣にある余市町のブドウ畑を訪問。
北海道産のワインへの強い思いを言葉にしました。

「北海道にいいワインがあるだけではなく、今後の輸出産業の一つになればと思っています」

YOSHIKIさんはいま、北海道産のワインを、世界に発信するプロジェクトを進めています。

ヨーロッパのワイン産地は半分以上失われる?

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一方、ヨーロッパの大学などで構成する研究チームが2023年、深刻な未来予測に関する論文を発表。そこにはこう記されていました。

『このまま温暖化が進めば、今世紀末までに、ヨーロッパの伝統的なワイン産地の約55%が失われる可能性がある―』

ポルトガル、イタリア、ギリシャなど、南ヨーロッパの伝統的な生産地が地図から消える可能性もあるというのです。

そして、この論文を発表した研究チームによると、最も厳しい温暖化シナリオの場合、ワインの産地はこれまでより、北へ900㎞も移動すると予測しています。

北海道は、その900㎞北上した先と、ほぼ同じ緯度上にあります。
実は以前とは大きく異なる変化が、北海道でも顕著になっています。

農研機構・気候変動対応グループの根本学さんが教えてくれます。

「北海道では近年のワイナリーの増え方が急激で、思った以上に北海道でワイン栽培をしようとする人が増えています」

北海道で育つワイン用のブドウの品種は、かつて限られていました。ところが気候の変化とともに、栽培できる品種の幅が広がってきていると根本さんは話します。

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「北海道では夏が冷涼でブドウの品種であるピノ・ノワールなどは栽培できない状況でした。それが、いま夏の気温の上昇というのが結構顕著なので、ヨーロッパの有名なブドウがうまく醸造できるようになってきました」

かつて「寒すぎる」と言われた北海道で、以前なら難しかった世界の品種の栽培が可能になり始めています。

2050年には北海道のほぼ全域が、ワイン用のブドウ栽培に向く気候になる…、そんな予測さえ示されています。

「異変」は収穫時期にあらわれる

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フランスの美術館に残る15世紀の写本には、農民たちがブドウを摘み取る様子が描かれています。
当時、ブドウの収穫は9月下旬でした。

しかし、ワインの一大産地として世界的に知られるブルゴーニュ地方では、同じ15世紀の教会の記録に、こんな一節が書き留められています。

『1487年9月6日。収穫のため、農夫を雇う』(ブルゴーニュの教会記録より)

ワイン用のブドウは、気温のちょっとした変化も収穫時期に現れます。
通常であれば、9月下旬だった収穫時期が、数週間も早まったことで15世紀の人たちは気候の異変だと感じ取り、書き残していたのです。

同じように収穫時期の異変を、いま感じ取っている人が、北海道の岩見沢市栗山町にいます。

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KONDOヴィンヤードの近藤良介さんは農耕馬を使って、ワイン用のブドウ畑を耕しています。

「馬耕は農業の原点みたいなもの」

ワイン造り20年目の近藤さんは、収穫時期の変化を強く感じていると話します。

「2019年くらいから劇的に変わってきて、収穫時期は早まっています。最近になって、ここのブドウ畑の収穫は9月の終わりくらいから始めています。誰も経験していない、これからの温暖化の時代と向き合うことになります」

不安も忍び寄る

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ワインの産地として存在感を増す北海道ですが、土の微生物を研究する専門家・北海道大学ワイン教育研究センター曾根輝雄センター長は不安を隠しません。

「気象が変化すると今までなかった病気や虫がやって来ます。そういう環境下で、いいブドウを作るためにはどうしたらいいのか?そうしたことが、今後の研究テーマになってくると思います」

塗り替えられるワイン産地の地図。
それは、北海道の希望の未来である一方で、忍び寄る気候変動の足音でもあります。

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ヨーロッパの平均気温が2度上昇すると、ワインの産地の半分が失われるという予測は、約260年前に始まった「産業革命」以前の平均気温に比べた場合です。
ただすでに最近10年の平均気温は【2.2℃】も高い状態が続いています。

北海道産のワインへの期待は高まる一方ですが、1000年の歴史があるというヨーロッパのワイン事情を考えると、心配になりますよね。

温暖化の影響で、産地が変わっていくことは、ワインに限らず、いろいろな農産品にも影響が出てきますが、HBCテレビ今日ドキッ!のスタジオでは旅行会社を経営するコメンテーターの寺井裕美子さんがこう話しました。

「私も仕事上、視察の手配などをしますが、先日、千葉県から北海道の仁木町に、ミニトマトの視察をする団体がいらっしゃいました。道民としては、いろいろ農産品が増えていくことにうれしさはありますが、一方で作れなくなっている産地もあると考えると、複雑な思いがあります」

今までは本州でも育てられていた農産品も暑くなったので、どんどん北に向かって行く…、北海道もいまはワイン造りに適しているかもしれませんが、10年先、20年先も維持できるのかと考えると心配になります。

そうした先を見越して、苗木や土壌、微生物の研究も進められているということです。

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本当にいま、北海道の各地に個性的なワイナリーが着々と広がっていて、質の高いワイン造りが行われています。

それが未来の希望であり続けるためにも、なんとか温暖化を食い止めなければいけない危機感も感じます。

文:HBC報道部
編集:Sitakke編集部あい

※掲載の内容は「今日ドキッ!」放送時(2026年5月25日)の情報に基づきます。

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