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フェルザン・オズペテク『ダイヤモンド 私たちの衣装工房』について語る【sweetムービーインタビュー】

  • 2026.6.21

イタリア映画界の巨匠フェルザン・オズペテク監督が、最新作『ダイヤモンド 私たちの衣装工房』について語ります。自身の経験を元に、衣装工房の様子やお針子さんたちの情熱など、当時様子を詰め込んだのだとか。この映画に込めるその思いとは……


Ferzan Özpetek/フェルザン・オズペテク

1959年2月3日、イスタンブール生まれ。77年にイタリアに移住。名だたる監督の助監督を務めた後、97年『ハマム』で監督デビュー。2010年の『あしたのパスタはアルデンテ』はイタリアのアカデミー賞にあたるダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞で13部門候補となり、日本でもスマッシュヒットを記録した。


イタリア映画界の巨匠フェルザン・オズペテク監督の最新作『ダイヤモンド 私たちの衣装工房』は、古い映画に出てくる華麗な衣装がお好きな方は必見の裏方さん主役映画。監督自身が助監督時代にお世話になった衣装工房の名作衣装群やそれを手がけたお針子さん達に思いを馳せた、ノスタルジーと縁の下の力持ちへの敬意が詰まった傑作です。「あのころお世話になった衣装工房の皆さんはもちろんですし、女優さん達と映画を作りたい、と思ったのがきっかけで生まれた企画です」と言う監督。

「助監督は16年くらいやっていたんですが、その間に衣装工房に足繁く通いまして。そのときの裏方さんの苦労が忘れられないんですよ。例えば、僕が衣装合わせのため監督や女優さんを連れて行ったとき、誰と誰は鉢合わせさせちゃいけない、とか、大物俳優がこの時間に来るからアシスタントは隠れてろ、とか(笑)。そういったこともこの作品では描かれていますが、本当にそんなことが起きていたんですよ。それに、衣装を手がけるお針子さん達とはたくさんおしゃべりしてたので、彼女達の仕事への情熱やモチベーションをうかがうことも多かった。それをたくさんの女優さんと一緒に描きたかったんです」


70年代ローマの衣装工房の群像劇、それに現代イタリアでそれを演じようとしている女優達の2パートが同時進行するこの物語。冒頭、監督本人が出演者達を束ねるシーンから始まります。

「食卓を囲んで出演者やスタッフがみんなで食事をしながら打ち合わせや台本の読み合わせをするんですが、あれは僕の仕事ではいつもやっていること。じつは最初は僕が監督役で出演する予定ではなかったんですが、僕が監督業とは別にスタンダップコメディをしていることを知った脚本家などスタッフに“これはあなたの話なんだからあなたが演じるべきだ”と諭されまして(笑)。それでいつものプロジェクトのキックオフシーンをやってみたんですよ。ピザとか美味しそうでしょ?(笑)」

マジでうまそうです……(始まってすぐ分かります)。しかも、オールロケ。食卓があるパティオも70年代の衣装工房、おまけに登場する名作の衣装も本物!

「衣装工房はローマにある今は使われていない元大使館の建物を借りてセットを作りました。そこにヴィスコンティの『山猫』に出てくるドレスなど、本物の衣装をたくさん配置したんです。この作品が成功したのは優秀なコラボレーターがいたおかげですね」


『ダイヤモンド 私たちの衣装工房』

story:イタリア映画黄金期の70年代、映画の裏方として巨匠監督達を支えた衣装工房。それぞれ複雑な事情を抱えた女性達が賢明に働くなか、世界的衣装デザイナーからの制作依頼が舞い込むのだが……。

監督・脚本・出演:フェルザン・オズペテク/出演:ルイーザ・ラニエリ、ジャスミン・トリンカ、ステファノ・アコルシ ほか/配給:チャイルド・フィルム/公開:6月19日より、新宿ピカデリーほか全国ロードショー
© 2024 Greenboo Production – Faros Film – Vision Distribution

text : Masamichi Yoshihiro

※記事の内容はsweet2026年7月号のものになります。
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