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まん丸おめめのかわいい「ひぐま」元飼育員の絵本作家が描く生命のお話に思いを巡らせて

  • 2026.6.20

子どもだけでなく大人も楽しめる絵本を、絵本セラピスト協会認定「大人に絵本ひろめ隊員」、そして2児の母でもある、HBCアナウンサーの堰八紗也佳(せきはち・さやか)がご紹介します。

『ひぐま』というドキッとする3文字が目に飛び込み、思わず手に取った、あべ弘士さんの絵本。
まん丸い目が印象的な、2匹のこぐまが表紙に描かれています。

ヒグマの住宅街への出没が相次いでニュースになっている現代社会において、なぜ敢えてこの絵本を描いたのか。
ページをめくっていくと、飼育係という立場で一番近くで動物と向き合っていた経験のある作者ならではの想いが伝わってきました。

『ひぐま』(ブロンズ新社)あべ弘士

Sitakke

旭川にある旭山動物園で約25年間飼育係を務めたのち、絵本作家として活躍を続けているあべ弘士さん。

『ハリネズミのプルプル』『クマと少年』『ゴリラにっき』など、数々の受賞作品があります。私は特に『あらしのよるに』シリーズ(講談社)がどれも大好き!

今回ピックアップする『ひぐま』は、2025年9月に出版されました。

まさに、ヒグマ出没が世間を騒がせている時期ですね。かわいらしいクマの姿を描くことに迷いは生じなかったのかな…と勝手に心配する部分もあり、私は絵本を開きました。(私なんぞが勝手にご心配してすみません!)

Sitakke

あべ弘士さんならではの大胆なタッチで描かれた、四季折々の北海道の美しい風景に目を奪われます。
そして、母グマの冬眠中に巣穴で産まれた子グマたちが、初めて外の世界へ顔を出した瞬間の、目に映る景色は圧巻!
見開き1ページで、しかも文章がなく画だけで表現されています。

まさにクマ目線になれる1ページです。

Sitakke

明るくて華やかな春の風景。遠くの山々はまだ真っ白な雪に覆われていますが、森にはエンレイソウをはじめ、ピンクや黄色の花々(フクジュソウやカタクリ!?)が咲き誇っています。

人間の社会から見ると、ヒグマは恐ろしい生き物であり、街中に出てくれば敵…。

しかし、ひとつの命であることに変わりはなく、人間とヒグマに上下関係はありません。

ヒグマの生きる世界に、時には思いを巡らせることも忘れないように…。
そんなことを考えさせてくれる一冊です。

あべ弘士さんが飼育員を務めた旭山動物園ではヒグマを含めた北海道の動物の「命」を伝える取り組みやイベントが今もたくさん行われています。

ヒグマについてのお話がたくさん聞ける特別ガイドや坂東元統括園長のトークも盛り込まれたものも。

私が絵本から受け取ったメッセージは、動物も人間も同じ地球上に生きる生物だということ。
人間だけが特別な権利を持つ生き物ではないということを、ガイドやトークからも伝わったらいいなと思っています。

Sitakke

そして私自身も、より動物たちのことを知って理解を深めたいと、絵本を読んで思いました。

長年の飼育係としての経験があるあべ弘士さんだからこそ描ける、ひぐまの親子の生命の神秘を描いた物語。ぜひみなさんも体感してください。

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「連載コラム・今月の絵本通信」

文|HBCアナウンサー 堰八紗也佳
HBCラジオ「清かなる朗読」(日曜あさ6時~)、Instagramも更新中!

編集:Sitakke編集部あい

※掲載の内容は2026年6月の情報に基づきます。

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