1. トップ
  2. エピソード
  3. 「ちょっと静かにして!」とクレームを入れにきた住人。だが、住人の住んでいる位置に絶句したワケ

「ちょっと静かにして!」とクレームを入れにきた住人。だが、住人の住んでいる位置に絶句したワケ

  • 2026.6.20

突然のインターホン

その日は、久しぶりに友達を部屋に呼んでいた。ゲームをしながら盛り上がっていたのは認める。少し声が大きかったかもしれない。

「ピンポーン」

インターホンが鳴った。モニターには、見覚えのない男が映っている。ドアを開けると、その人は淡々とこう言った。

「ちょっと静かにして!」

「あ、すみません」

素直に謝ると、男は無言で去っていった。

隣の部屋の人だろう、くらいに考えていた。

「ごめん、うるさかったよな」

友達にそう言って、その夜はお開きにした。

問題は、後日になってわかった。

あり得ない場所からの苦情

たまたま管理の人と話す機会があり、何気なくその件を口にした。

「隣の方、迷惑だったみたいで」

「隣?いえ、あの方はお隣じゃないですよ」

管理の人は、不思議そうな顔をした。あの男が住んでいるのは、私の部屋の真上の、さらにもう一つ上。

つまり2階も上の部屋だというのだ。

「2階上って……声、届くわけないですよね」

背中がすっと冷たくなった。間に一世帯を挟んだ部屋に、話し声が聞こえるはずがない。

なのにあの男は、こちらの様子を知っていたかのように降りてきたのだ。

「どうやって、わかったんだ」

考えても答えは出なかった。ただ、薄気味の悪さだけが残った。

確認しに来る男

それから数日後。私は一人で、テレビを見ながら静かに過ごしていた。物音ひとつ立てていない。

「ピンポーン」

モニターを見ると、またあの男だった。

間違いなく、2階上のあの人だ。ドアを開けると、男はじっと私の背後をのぞき込むようにして言った。

「今日は、人呼んでるの?」

「いえ、誰も呼んでないですけど」

「そう」

それだけ言って、男はまたどこかへ消えた。怒るでも、文句を言うでもない。

誰か来ているかを確かめに来ただけ。淡々としているのが、かえって不気味だった。

それから男は、定期的にインターホンを鳴らすようになった。聞くことは、いつも同じだ。

「今日は一人なの?」

「はい、一人です」

一度だけ、思い切って聞き返したことがある。

「あの、どうしてわかるんですか」

男は、ほんの少し首をかしげただけで、何も答えなかった。聞いてはいけないことを聞いた気がして、私はそれ以上踏み込めなかった。

聞こえるはずのない場所から、どうやって来客を知るのか。

理由は今もわからない。確かなのは、私が一人の夜も誰かといる夜も、頭上のどこかで誰かがそれを把握しているということだ。私は今でも、インターホンが鳴るたびに、まずモニターを確認してしまう。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、20代・男性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

元記事で読む
の記事をもっとみる