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ロンジェビティ(健康長寿)を目的とした、海外ウェルネス旅行の最先端

  • 2026.6.18
Hearst Owned

目的のある旅が注目される昨今、ロンジェビティを意識した旅行が特に富裕層に人気です。その理由や最新の動向、ヨーロッパとアメリカの傾向の違いなどの業界事情から、特筆すべきクリニックやウェルネスリゾートをスパ・プロデューサーの大冨佳枝さんに伺います。


<Profile>
大冨佳枝(おおとみよしえ)
イタリア在住のスパ・デザイナー、スパ・コンサルタント。健康・美容機器を扱う会社を経営し、イタリア国内外12カ国でスパデザインを手掛ける。デザインしたスパは100軒ほどにも及び、ウェルネス・デザインをテーマに日本、韓国、イタリアなどの国際スパ会議で講演を多数行う。小誌49号「パワー・スパ特集」にも登場。

ロンジェビティの目的地は富裕層と共に

注目の先端クリニックと提携する「Four Seasons Resort Maui(フォーシーズンズ リゾート マウイ)」。一般的なリゾートスパ以上の、医学的なアプローチが魅力です。 Hearst Owned

パンデミックにより世界的に健康意識の変化が

スパ業界におけるグローバルな潮流は、医療・ウェルネス・ラグジュアリーの融合です。健康長寿ツーリズムは世界的な成長市場。中でも医療的ウェルネス(予防医療、統合医療)は大きな部分を占めています。富裕層旅行者の嗜好が、単なる休暇や癒やしではなく、「健康改善・長寿延伸・再生医療的体験」へとシフトしているのです。その背景にあるのは、2022年1月にWHO(世界保健機関)が国際疾病分類の新たな項目として「老化関連疾患」を加えたこと。WHOが「老化は病であり、治療すべき疾患の一つ」と捉えたことが、世界的に周知されつつあるのです。

近年のスパ業界での主要トレンドは、①「ロンジェビティ志向の強まり」。従来の審美から焦点が移動しました。②「先端医療とウェルネスの融合」。新治療や注目技術については研究・商用導入の両面で活発です。科学的根拠がまだ発展途上の技術であっても、消費者の関心は非常に高い。③「プレミアム化・リゾート型の急拡大」。リゾートやホテルがクリニックレベルの医療監修を導入し、「メディカル×ラグジュアリー」を強く打ち出す傾向が加速。特に北米で顕著です。スパに対して、受身的に贅沢なくつろぎを重視する欧州に対し、北米は能動的に健康を求める傾向の違いが要因でしょう。

保養地が基本のヨーロッパ。革新がトレンドのアメリカ

ヨーロッパは健康ツーリズム市場で大きなシェアを占めています。伝統的な療養文化(温泉療法、治療保養地)が根強く、古典的療養文化と先端ウェルネスの融合で世界市場でも重厚な存在感があります。

アメリカではメディカル/ウェルネス系スパ市場が急速に拡大し、非外科的美容・予防医療サービスの需要が高まっています。富裕層だけでなく、都市部のミレニアル世代にも利用層が拡大。先進的な施設の数も多く、商業的に成熟しています。民間セクターのスピードとイノベーションも速く、特に「都市型の医療系・先端ロンジェビティクリニック」は注目トレンドの一つ。主要都市に展開し健康をサブスク化した「Next Health(ネクスト ヘルス)」(※1)、ロンジェビティ=高齢者向けという固定観念を覆したLAの「Love.Life(ラブ ライフ)」(※2)、メディカル色を完全に隠したマイアミの「HUM2N(ヒューマン)」(※3)などが急成長しています。アメリカのクリニックや医療系スパで注意すべきは、各州により法的な医療規制が異なること。同名の系列施設でも州により違いがある可能性があります。

ウェルネスの聖地スイスのクリニック

「Clinique La Prairie(クリニック・ラ・プレリー)」。ロンジェビティ・リトリートの元祖にして最高峰

広い敷地内にはメディカルセンター、スパ棟、宿泊施設などが点在。 Hearst Owned

長寿研究の先駆者であるポール・ニーハンス博士が1931年、モントルーに設立した「クリニック・ラ・プレリー」。レマン湖畔をロンジェビティの聖地として世界中に認知させた存在です。継続的な老化メカニズムの科学的研究によって設計されたプログラムに加え、2018年にはよりアップグレードした「リバイタライゼーション・プレミアム・プログラム」も開発。美しい景観と贅沢な環境の中、人生をより楽しめる心身へと整えます。

リラクセーションルーム。 Hearst Owned
インドアプール。 Hearst Owned
スパでは世界に数台のみというマシンによる美容医療も。 Hearst Owned
滞在用の客室。 Hearst Owned


「クリニック・ラ・プレリー」
所在地/Rue du Lac 142, 1815 Clarens-Montreux, Switzerland
TEL/+41-21-989-33-11
URL/www.cliniquelaprairie.com

問い合わせ先
クリニック・ラ・プレリー ジャパン

TEL/03-6695-9407
URL/cliniquelaprairie.jp

ヨーロッパで話題の次世代スパ4選

1.「Villa Eden(ヴィラ エデン)」@イタリア

ドロミテ山麓のメラーノにある5つ星医療ウェルネスリトリート。長寿、免疫強化、代謝改善、抗老化プログラムが充実しています。

「ヴィラ エデン」
URL/www.villa-eden.com

2.「Palace Merano(パレス メラーノ)」@イタリア

同じくメラーノにある伝統の5つ星リゾート。独自の「Revital Method」を軸にデトックス、メンタル&身体統合プログラムなど実施。

「パレス メラーノ」
URL/www.palace.it

3.「Six Senses Ibiza(シックスセンシズ イビサ)」@スペイン

ホテル内のスパ「RoseBar(ローズバー)」が提供するのは、ラグジュアリーと医療的洞察を同時に体験する新世代のウェルネスモデル。

「シックスセンシズ イビサ」
URL/rosebarlongevity.com

4.「Tiara Health Marbella(ティアラ ヘルス マルベリャ)」@スペイン

遺伝子解析・ホルモン治療・栄養・運動を統合したアンチエイジングクリニック。スペインのマルベリャを旗艦に南仏などに進出。

「ティアラ ヘルス マルベリャ」
URL/www.tiarahealth.com

アメリカのリゾート型医療系スパ4選

1.「Canyon Ranch(キャニオン ランチ)」

医師・栄養士・運動生理学者らが関わる統合リゾート。最新のLongevity8など科学的介入プログラムは業界の先端。

「キャニオン ランチ」
URL/www.canyonranch.com

2.「Four Seasons Resort Maui at Wailea(フォーシーズンズ リゾート マウイ アット ワイレア)」

Next Healthと提携した医療的健康最適化プログラムを導入。「医療的ウェルネス×長寿」志向な高級リゾートスパの代表。

「フォーシーズンズ リゾート マウイ アット ワイレア」
URL/www.fourseasons.com/maui

3.「Miraval Resort & Spa(ミラバル リゾート&スパ)」

科学的観点の統合プログラムで評価が高いヘルスリゾート。単なる癒やしを超え、結果の出る滞在型リトリートとして人気。

「ミラバル リゾート&スパ」
URL/www.miravalresorts.com

4.「Sensei Lanai, a Four Seasons Resort(センセイ ラナイ、フォーシーズンズ リゾート)」

食事療法、体組成やバイオマーカーに基づくフィットネス&栄養プログラムなどを包括した、大人の健康改善滞在が特徴。

「センセイ ラナイ、フォーシーズンズ リゾート」
URL/www.fourseasons.com/sensei

初出:リシェスNo.55 2026年3月27日発売

※1 www.next-health.com リゾートでしか成立しなかったロンジェビティ体験を都市の日常に落とし込んだ。
※2 love.life メンタルヘルスをロンジェビティの中核に置く新世代モデル。
※3 www.hum2n.com 内装はほぼラグジュアリーホテル。米国南部・中南米富裕層のハブ的存在。

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