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フレグランスのマナー&レジェンド調香師をAtoZで解説(中編)【2026香水トレンド】

  • 2026.6.18
Youjin Lee(aosora)



【I】Illuminated hope 香りの力で前向きに!光や希望をテーマにした香り

Youjin Lee(aosora)

不安定な社会情勢が心に影を落としがちななか、香りによるマインドケアにも注目。「香りが心身にもたらす効果まで研究したフローラノーティスや光をテーマにしたイッセイ ミヤケなど、幸福感のある香りが増えています。社会不安が大きいなか、人々は“今ある幸せを実感したい”と願うように。自分で自分のご機嫌を取れる明るい香りが求められています」(MAHOさん)

1“ 光をまとう”をコンセプトに、はじけるグリーンマンダリンとネロリが笑顔へと導く。ルミエールドゥイッセイ オードパルファム 100㎖¥24,200/イッセイ ミヤケ パルファム

2 特別な抽出法で生まれた光り輝くようなバニラに、アーモンド、アマレット、ジンジャーが高揚感と静かな情熱を添える。ファンタスマゴリー パルファン 100㎖¥90,200/ルイ・ヴィトン

3 海と空の境界が溶け合う美しい心象風景を描く、ミネラルノート、ティアレの花、タマヌナッツの透明感あふれる香り。「珊瑚礁の庭」 オードトワレ 100㎖ ¥21,560/エルメスジャポン

4 トルコ産ダマスクローズをぜいたくに配合。花々のハーモニーが安らぎと幸福感をもたらす。アイコニックブルーム オードパルファン 30 ㎖ ¥9,900/フローラノーティス ジルスチュアート

5 ブラックとピンク、2つのペッパーの刺激とローズの多幸感が共鳴。雨上がりの虹のような光を感じさせる。エッセンシャルセンツ R X11 30㎖ ¥13,200(7/3限定発売)/スリー

【J】Japanese scents 和のテイストを漂わせながらしゃれ感もまとえる日本発の香り

日本の香りのエキスパートであるメーカーから個性の光るブランドが生まれている。日本に古くから根づくスピリットを感じさせながらも、単なるジャポニスムには終わらせない。ビジュアルにもこだわったモダンなふたつのブランドのフレグランスは、きっと自分の個性を託す香りの新たな選択肢になるはず。

Hearst Owned

nowas

日本香堂グループが約450年にわたり育んできた日本の香り文化と美意識を、現代のライフスタイルを彩る香水に継承。伝統とモダンな感性が響き合う4種をそろえる。オードパルファム全4種 各15㎖ 各¥13,200/日本香堂 ナワズ

Hearst Owned

破天荒

日本の伝統を継承しつつ、型破りな新しい価値観を香りで紡ぐ。調香を担う清水 篤氏は「人の心を動かすアートとしての香り創り」に情熱を注ぎ、感覚を揺さぶる香りを提供。オードパルファム 全5種 各50㎖¥17,600/キャライノベイト

【K】King of perfumers 香り好きなら絶対に知っておくべき香りの巨匠

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「この香りもこの人の作品!? 」と驚くような伝説的な存在であるとともに、70歳を超えてなお、クリエーションに意欲を燃やす香りの匠たち。

Jean-Claude Ellena ジャン= クロード・エレナ

シンプルな調香で、物語を紡ぐように香りを生み出し、香水を芸術に昇華。1992年発表のブルガリ「オ・パフメ オーテヴェール(現テ ヴェール)」は、世界初のティーノートの香水。2004~16年にはエルメスの初代専属調香師として「ナイルの庭」をはじめ人気作を手がける。現在もル クヴォンの監修や、ラボラトリオ・オルファティーボなど、「商業主義に走らない」ブランドで調香を手がける。

Dominique Ropion ドミニク・ロピオン

知的で思慮深く「香りの哲人」とも呼ばれる。1991年には大ヒットを記録したディオール「デューン」、ジバンシイ「アマリージュ」を調香。4大香料メーカーの頂点、IFF により2018年に2人目のマスターパフューマーの称号を与えられる。「ポートレイト オブ ア レディー」を共作したフレデリック・マルからも「大胆な完璧主義者」と称賛される。近作にトム フォード「ウード・ヴォヤージュ」など。

Alberto Morillas アルベルト・モリヤス

香水好きなら彼の作品をまとったことがない人はいない、と断言できる調香の「神」。ほぼ独学で調香を学ぶ。カルバン・クラインの「シーケー ワン」やグッチ ビューティの「ブルーム」など、ヒット作多数。マドンナのヒット曲を解釈したアート ミーツ アートの「ライクア ヴァージン」など、作品数は500以上。現在もハイペースで調香を続け、新作に「グッチ ブルーム アンブロシア ドォーロ オードパルファム」など。

【L】Living artifacts 「香るアート」で日常を心地よく格上げ

Hearst Owned

ルメールから、衣服が置かれる空間にフォーカスした香るオブジェのコレクション、「オブジェ・サントゥール」が誕生。フランスの陶芸家・彫刻家であるアニー・フールマノワールのエステートとの協働により制作された「ポム」と「アンボワタージュ」は、嗅覚からも日常をより心地よく豊かなものに。

アニー・フールマノワールの造形を再解釈したセラミック作品。香料を滴下し、香りを補充する。 写真左 ポム スモール¥84,260 ミディアム¥116,600 ラージ¥168,300 写真右 アンボワタージュ¥213,400/以上ルメール(エドストローム オフィス)

【M】Manner 香水ブームの今だからこそ気を付けたい香りのマナー

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フレグランス市場が盛り上がる一方、日本人の半数以上は香水を使わないという調査結果も。香水のマナーはわきまえておきたい。

「オフィスではハンドクリームや練り香水など香りが広がりにくいものを。夜レストランに行くとわかっている日は、オードトワレやオードパルファンなど持続時間の短いものを早めの時間帯から下半身や服の下に。しっかり香らせたいときは肘の内側や首筋につけるなど、シーンによって工夫して」(MAHOさん)

【N】New frontier 香りを嗅ぐことでスキンケアができる新技術

独自の香気成分ジャスミンサンバックが心身に働きかけ、ハリと潤いに満ちた肌へ。セントケア スキン ミスト 美容液(顔・からだ用) 30㎖ ¥13,200(9/1発売)/<a href="https://brand.shiseido.co.jp/" target="_blank"> SHISEIDO</a> Hearst Owned

ヒアルロン酸など配合された保湿成分によって肌を潤すフレグランスミストはこれまでも存在していたけれど、SHISEIDOから“香りを嗅ぐことで肌が内側から整う”全く新しい美容液フレグランスが誕生。長年の研究により、独自の香気成分を嗅ぐことで、全身の肌の血流が促進され、皮膚温度が上昇、バリア機能をアップさせる効果が判明したという。フレグランスの進化はまだまだ止まらなさそうだ。

【O】Offbeat floral 王道のフローラルは独自性のある香りに注目

Youjin Lee(aosora)

「フローラルは王道中の王道であり、すでに数え切れないほどの製品が出ています。だからこそ、伝統的な香りにどんなエッセンスを加えて新しさを生み出すか。作り手側の探求や挑戦の姿勢が新しいフローラルのトレンドを生み出しています。意外性のあるフルーツやスパイスと組み合わせる、時間経過での変化をつけるなど、奥深いフローラルを楽しんで」(中森さん)

1 白い花々と氷のように研ぎ澄まされたフローズンナルキッソスアコードが融合。ランテルディ オーデパルファム ナルシス ブラン 50 ㎖¥16,720/パルファム ジバンシイ(LVMHフレグランスブランズ)

2 ホワイトバイオレットと白茶、シダーウッドが情熱と静寂のコントラストを奏でる。ヴァイオレット 30 オード パルファム 100㎖ ¥45,650/ル ラボ

3 ロックローズを基調にしたロエベ アコードに洋梨やベルガモット、レモンがみずみずしくフレッシュな魅力を加味。オードゥパルファン“ロエベ アイレ スティレサ エリクシール” 100㎖ ¥38,500/ロエベ パルファム

【P】Perfume lore フレグランスの歴史を変えた!?偉大なアイコンの逸話

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18世紀にロシア帝国の黄金時代を築き上げた女帝、エカチェリーナ2世。豪奢な生活を送り、無類の香水好きでもあったという。

「ロシアの貴族社会にフランス流の洗練された生活を推奨したことで香水需要が高まり、香水工房が増えるきっかけになりました。彼女の没後、ロシアは社会的に安定せず、1917年にはロシア革命が勃発。仏露合同資本により設立された化学・化粧品製造企業で人気調香師として働いていたエルネスト ボーは、フランスに亡命。ガブリエル シャネルと出会い、名香『N °5』が生まれるのです。もしエカチェリーナ2世がいなかったら、ロシアの香水・化粧品産業は発展しなかったかもしれず、『N°5』も生まれていなかったかもしれませんね」(MAHOさん)

【Q】Quiet fragrance 静かに肌に寄り添うようなムードを醸し出すムスク

Youjin Lee(aosora)

「ムスクは香りの分子が大きいので、拡散性が少なく肌とその近くで長く香ります。それがスキンフレグランスともいわれる理由。コロナ禍を経て、香水を自分自身が楽しむものと考える人が増え、より人気になりましたね」(中森さん)。最近は清潔感があって優しいホワイトムスクが多く使われるようになったことも、日本でのムスク人気を後押ししているかも。

1 カシミヤの触感を表現。ホワイトムスクにきらめくウッディノートを忍ばせ、温もりと透き通る存在感を。ラール エ ラ マティエール レゾー オー ドゥ カシミア 100㎖ ¥33,000/ゲラン

2 洗い立てのリネンを思わせる幕開けから、純白の花々の幸福で無垢な香りへ。余韻は太陽のぬくもりあるムスク。ブル・デシャンプ 1897 オードトワレ 40㎖ ¥14,960/ミュシャ

3 雲の広がりが着想源。透明感のあるムスクに、ピンクペッパーとベチバーが深みをもたらす。グッチ ムスキオ ディ ルーチェ オードパルファム 100㎖ ¥50,050/グッチ ビューティ/コティジャパン

【R】Reading scents 読んで、感じてフレグランスへの理解と愛を深める

Keita

オフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリーとル ラボ、それぞれ独自のビジョンと美意識をもつふたつのブランドのファウンダー、クリエイティブ ディレクターが、その哲学や美の素材についてまとめた本は、ビジュアルも美しく手に取ってみる価値あり。香る一冊もあり、五感で楽しめ、学びもありそう。

1 野菜やハーブにまつわるエピソードで知的好奇心を満たしながら、挿絵をこするとその香りが漂う仕掛けに。オフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリーの香りの植物図鑑 ¥7,920/ビュリージャパン

2 ル ラボの核心にある信条や学びを凝縮した一冊は、自分自身へ立ち返ろうとする人の伴走者に。ジ エッセンス オブ スローパフューマリー ¥14,520/ル ラボ

教えてくれたのは…

中森友喜さん

日本初のニッチフレグランス専門店「ノーズショップ」代表取締役。オープンから現在に至るまで取り扱うすべての香水のセレクトとストーリーの翻訳も手がける。

MAHOさん

フレグランスアドバイザー・評香師。日本フレグランス協会常任講師としてセールススペシャリストを多数育成。自身のプライベートサロンでは長年に渡り、パーソナルカウンセリングも行う。

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