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彼の表示名が知らない店名に変わっていた。理由を聞くと「今は言えないんだ」

  • 2026.6.18
ハウコレ

ここ数週間、彼の返事はそっけなくなっていました。そんなとき、メッセージの表示名に並んでいたのは、行ったこともない店の名前。理由をたずねた私に、彼が返したのは「今は言えないんだ」という一言だけだったのです。

知らない店名が表示された画面

連絡をしても返事はそっけなく、会う約束もなんとなく流れがちでした。そんなときに、彼の表示名が「ボヌール」に変わっているのに気づいたのです。

気になって名前を調べてみると、それは隣の街にある小さなビストロでした。私が一度も足を運んだことのない場所です。どうして彼の名前がこの店の名前になっているのか、考えれば考えるほど落ち着きませんでした。

「今は言えないんだ」という答え

迷った末に、私は思い切ってメッセージを送ってみることにしました。

「この『ボヌール』って、何?」

できるだけ軽く聞こえるように、何度も打ち直してから送ったつもりでした。けれど、返事はなかなか届きません。しばらくして画面に表示されたのは、「今は言えないんだ」という一文だけ。続けて「どういうこと?」とたずねても、当たり障りのない返信ではぐらかされるばかりでした。

誰かと会っているのではないか、私の知らない場所に通っているのではないか。問いただす言葉を打っては、送れずに消す。そんなことを、一度や二度ではなく繰り返していました。

連れて行かれた小さな店で

数日後、彼から「行きたいところがあるんだ」と誘われました。連れて行かれたのは、電車に揺られて向かった隣の街の、あのビストロでした。

扉を開けると、エプロン姿の男性が笑顔で迎えてくれました。彼の学生時代からの友人で、最近この店をオープンさせたばかりなのだそうです。

「毎日のように手伝いに来てくれて、本当に助かってました」

友人がそう話すのを聞いて、私はようやく事情をのみ込みました。彼は「本当は、ここに連れてきて驚かせたかったんだ」と、少し決まり悪そうに言いました。

そして...

あの店名は、彼が友人を支えていた証でした。仕事の帰りに通い、宣伝に協力するために表示名まで変えていたのだと、あとから知りました。疑ってしまったことを思うと、申し訳ない気持ちになります。

ただ、それなら一言そう言ってくれればよかったのに、という思いも、正直に言えば残っています。どうして彼は最後まで黙っていたのか。その本当の気持ちは、まだ少しだけ、私にはわからないままです。

これからは、不安に思ったことはためこまず、ちゃんと言葉にして聞いてみようと思います。

(20代女性・会社員)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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