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管理栄養士「命に関わる」→学校が『プールの日は必ず朝ごはんを食べさせて』保護者に強くお願いする“意外なワケ”

  • 2026.7.21
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

スポーツジムの管理栄養士として、栄養面からダイエットや健康維持のサポートをしている工藤まりえです。

「プールの授業がある日は、必ず朝ごはんを食べて登校させてください。」ママ友のお子さんが通う学校の保護者会で、先生からそんなお願いがあったそうです。

保護者会の後「みんな朝は何を食べているの?」と聞いてみると、「パンだけ」「シリアルだけ」という声が多く、一方で「高学年になってから朝ごはんを食べなくなった」という悩みも。「みんな同じで安心したけれど、プールの日はパンだけでも大丈夫? 朝から食べない日もあるけれど、このままでいいのかな?」と相談されました。

実は、プールは思っている以上に体力を使う運動。暑い時期だからこそ、朝ごはんは「食べること」だけでなく、大切になってくるポイントを管理栄養士の視点から解説します。

「プールの日は朝ごはんを食べて」と先生がお願いする理由

ある日、小学生の子どもを持つママ友とランチをしていると、こんな話題になりました。

「保護者会で先生から『プールの授業がある日は、必ず朝ごはんを食べて登校させてください』って言われたの。すごく強く言うからびっくりしちゃった」

保護者会のあと保護者同士で話してみると、「パンだけなら食べる」「シリアルだけ」「食べてくれるものなら何でもいい」「高学年になってから朝ごはんを食べなくなった」など、同じような悩みを抱えている家庭が意外と多かったそうです。

「みんな同じなんだって少し安心したけど、プールの日はパンだけでも大丈夫なのかな? 朝食べない日もあるけど、大丈夫かな?」

そんな話を聞いて、私は「最近は学校も、ここまで朝食の大切さを伝えてくれるようになったんだな」と感心しました。おそらく背景には、毎年のように問題となる熱中症への警戒があるのでしょう。

実は、子どもの熱中症については、朝食を食べずに登校したケースが少なくないことも報告されています。朝ごはんを抜くと、前日の夕食から長時間エネルギーも水分も補給されない状態になります。そのまま暑い中でプールの授業を受ければ、体温調節がうまくできず、体調を崩すリスクは高まります。

プールは水の中にいるため涼しそうに見えますが、実際には全身を使う運動です。さらに夏の強い日差しやプールサイドの照り返しも加わり、想像以上に体力を消耗します。「朝ごはんは食べられるなら食べたほうがいい」というレベルの話ではなく、「安全に授業を受けるための準備」と考えることが大切です。

さらに恐ろしいのは、エネルギー不足による水中での「急激な低血糖(エネルギー切れ)」です。プールは全身の筋肉を使うため、見た目以上に激しく糖質を消費します。朝食を抜いた状態で水に入ると、授業中に突然めまいや意識の低下を起こすことがあり、これは水中では「溺水(おぼれる)」という命に関わる重大な事故に直結しかねません。
先生方が「必ず朝ごはんを」と強くお願いする背景には、熱中症だけでなく、このような水中での危険な事故を未然に防ぐという極めて重要な目的があるのです。

パンだけでも大丈夫? プールの日に意識したい朝ごはん

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

「じゃあ、朝ごはんはパンだけでもいいの?」

ママ友から次に聞かれたのが、この質問でした。

私は、「まずは何か一口でも食べることが一番大切」と伝えました。

朝食を抜いたままプールの授業を受けるより、パン1枚でも、シリアル1杯でも食べて登校するほうが、体はエネルギーを補給できます。特に、これまで朝食を食べる習慣がなかったお子さんは、「栄養バランスを整えよう」と最初から頑張りすぎなくても大丈夫です。

現状で、パンしか食べないならパンから、シリアルしか食べないならシリアルからスタートしましょう。そこに牛乳を添える、ヨーグルトをプラスする、ハムやチーズを1枚加えるだけでも、たんぱく質を補うことができます。

また、朝は寝ている間に失った水分を補給することも大切です。牛乳や飲み物を一緒に飲み、暑い日はコップ1杯の水や麦茶も忘れないようにしましょう。

朝ごはんは、いきなり理想形を目指す必要はありません。「何も食べない」を「何か食べる」に変えること。それが、プールの日を元気に過ごすための第一歩になります。

「朝ごはんを食べる力」は、子どもへの一生のプレゼント 

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

小学生は、骨や筋肉が発達し、体の土台がつくられる大切な成長期です。高学年になると授業時間が長くなり、中学生になれば部活動や定期テスト、高校生になれば受験と、体も脳も今以上に多くのエネルギーを必要とします。だからこそ、「朝は食べられない」が当たり前になる前に、「少しでも食べられる」習慣を育てておくことが大切です。

理想は、ご飯やパンなどの主食に、卵や納豆、チーズ、ヨーグルトなどのたんぱく質を組み合わせ、みそ汁やスープで水分と適度な塩分も補うこと。忙しい朝は、インスタントのみそ汁やカップスープを上手に活用しても十分です。

また、小食のお子さんは、はじめから一人前を盛っておくと、その量に圧倒されて手を付けてくれないことがあります。かなり小さめに作ったおにぎりを一つ、納豆も1パックではなく半パック、お味噌汁は器に半分、そんな少量だけ盛り付けてあげるのがおすすめです。出してみて、「食べられそうなら追加する」という方法がおすすめです。比較的食べやすいヨーグルトは、はじめから出さずにデザート代わりに出してあげると、「もうお腹いっぱい」と言ったくせに食べてくれることがよくあります。(笑)

朝食を食べない人は、子どもだけでなく、大人にも少なくありません。しかし、朝食の欠食は、子どもの学習状況との関連や、大人では仕事への意欲や生活習慣病との関係も指摘されています。もちろん、朝ごはんだけで全てが決まるわけではありませんが、幼いうちに身につけた食習慣は、その後の人生にも影響を与える可能性があります。

プールの日の朝ごはんは、熱中症を防ぐためだけのものではありません。「朝ごはんを食べる力」を育てることは、これからの成長を支え、将来も健康に過ごすための土台づくりでもあるのです。


監修者:工藤まりえ

大学にて栄養学と分析化学を専門とし、管理栄養士免許を取得。卒業後は都内飲食系会社にてフードコーディネーターとして勤務。また、管理栄養士としてはスポーツジムに通う方を対象に、体質改善・ダイエットのための栄養指導を実施。短期的な痩身だけではなく、健康的で太りにくい体質への改善を目指した、専門的かつ行動に移しやすいアドバイスを毎月100名程に対して行っている。 

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