1. トップ
  2. ビジネス・マネー
  3. 「老後資金のため」副業を始めた50代男性→思ったより手取りが増えず、銀行に相談へ行くと…窓口で告げられた“思わぬ事実”

「老後資金のため」副業を始めた50代男性→思ったより手取りが増えず、銀行に相談へ行くと…窓口で告げられた“思わぬ事実”

  • 2026.7.29
undefined
出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。金融機関勤務のおがわ163です。20年間、金融機関の窓口で資産運用や家計相談に携わってきた経験をもとに、お金にまつわるリアルなエピソードをお届けしています。

「収入を増やそうと副業を始めたのに、思ったほど手取りが増えなかった」──そんな声を窓口でお聞きすることがあります。その背景には、社会保険料の仕組みが関係していることがあります。

今回は、副業を始めて社会保険料の負担に直面した50代男性Bさんのエピソードをご紹介します。

「収入を増やしたくて、副業を始めました」

会社員の50代のBさん。

教育費や老後資金のことを考え、「もう少し収入を増やしたい」と、週末を中心に働くパートタイムの副業を始めました。ある程度しっかりした勤務時間で、月の収入も一定額になる働き方です。

ところが、いざ始めてみると、思っていたほど手取りが増えていないことに気づきました。「働いた時間の割に、増えた実感が少ない。なぜだろう」と感じたBさん。資産運用の相談も考えていたことから、家計全体を見直そうと銀行の窓口を訪れました。

「副業先でも社会保険に入っていませんか?」

undefined
出典元:photoAC(※画像はイメージです)

窓口で手取りが思ったより増えないことに触れると、担当者はこう尋ねました。

「もしかして、副業先でも社会保険に加入されていませんか?」

「そういえば、加入手続きをした覚えがあります。本業で入っているのに、副業でも入るものなんですか?」とBさん。

「詳しくは年金事務所や勤務先にご確認いただくのが確実ですが」と前置きし、担当者は説明しました。

会社員が副業でパートやアルバイトをする場合でも、その勤務先で一定の条件(労働時間や賃金など)を満たすと、副業先でも社会保険に加入することになります。その場合、本業と副業の給与を合算した金額をもとに保険料が計算されるため、本業だけのときより負担が増えることがあるのです。

「なるほど、それで手取りが思ったより増えなかったんですね」とBさんは納得した様子。担当者にすすめられ、後日、年金事務所と勤務先に確認してみることにしました。

「負担は増えたけど、将来の年金も増えると聞いて」

後日、再び窓口を訪れたBさんは、確認してきた内容を話してくれました。

「やはり本業と副業を合算して保険料が計算されていました。負担が増えるのは想定外でしたが、年金事務所でこう言われたんです。『合算した収入で納めている分、将来の厚生年金も増える』と」

社会保険料の負担が増える一方、その分は将来の年金額に反映されます。病気やケガで働けなくなったときの傷病手当金なども、納めた保険料をもとに計算されます。

「損した気分でしたが、将来の年金や保障につながると分かって前向きになれました。仕組みを知らずにモヤモヤしているより、ずっと納得できました」とBさんは話してくれました。

副業を始める前に、社会保険の仕組みを知っておく

では、副業を検討している方は、どんな点を知っておけばよいのでしょうか。

  • 副業でも社会保険に加入することになるのは、パートやアルバイトなど「雇用されて働く」場合。フリーランスや業務委託など「雇用されない働き方」の副業では、副業先で社会保険に加入することはなく、この仕組みは当てはまらない
  • 会社員が副業でパートやアルバイトをする場合、その勤務先で一定の条件(週の労働時間や月の賃金など)を満たすと、副業先でも社会保険に加入することになる
  • その場合、本業と副業の給与を合算した金額をもとに社会保険料が計算されるため、本業だけのときより負担が増えることがある
  • 両方の勤務先で加入する場合、「二以上事業所勤務届」を本人が年金事務所に提出する必要がある
  • 社会保険料の負担は増えるが、その分、将来の厚生年金や傷病手当金などの給付額が増えるというメリットもある
  • なお、社会保険の加入対象となる働き方の範囲は今後さらに広がる予定のため、最新の情報を確認しておくとよい
  • 副業による収入は所得税・住民税にも影響するため、手取りへの影響を事前に確認し、勤務先の人事・総務や年金事務所に相談することをおすすめする

「副業で収入を増やそう」と考えたときは、社会保険料や税金への影響も含めて、手取りがどう変わるかを事前に確認しておくことが大切です。家計についてお悩みの方は、ぜひ窓口へご相談ください。


参考:
複数の事業所に雇用されるようになったときの手続き(日本年金機構)

執筆:おがわ163
金融機関勤務(勤続20年)。2級ファイナンシャル・プランニング技能士。窓口業務・資産運用相談の現場経験をもとに、生活に役立つお金の知識をわかりやすくお届けしています。

の記事をもっとみる

注目コンテンツ