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スマホで“口座開設”しようとした60代女性→「マイナンバーカードがあれば簡単」のはずが…女性が直面した“思わぬ落とし穴”

  • 2026.7.29
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。金融機関勤務のおがわ163です。20年間、金融機関の窓口で資産運用や家計相談に携わってきた経験をもとに、お金にまつわるリアルなエピソードをお届けしています。

マイナンバーカードでオンラインの口座開設をしようとして、暗証番号が分からず手続きが止まってしまった──そんな相談を窓口でよくお受けします。今回は、署名用電子証明書の暗証番号がロックされてパニックになり来店した60代女性Aさんのエピソードをご紹介します。

「マイナンバーカードがあれば簡単に口座開設できるはず!」

新しく銀行口座をオンラインで開設しようと考えた60代のAさん。

「マイナンバーカードがあれば、スマホから簡単に開設できる」と聞いていたため、自宅で手続きを進めることにしました。本人確認の段階で、画面に「マイナンバーカードの署名用電子証明書の暗証番号(英数字6〜16文字)を入力してください」と表示されました。
「署名用電子証明書の暗証番号…?そんなの設定したかしら」とAさん。

カードを作った際にいくつか暗証番号を設定した記憶はあるものの、どれがどれだか分からなくなっていました。

思い当たる英数字を何度か入力してみましたが、いずれもエラー。焦って何度も試すうちに、画面に「暗証番号がロックされました」と表示されてしまいました。

実は署名用電子証明書の暗証番号は、5回連続で間違えるとロックされてしまいます。「もう店頭に行かないと口座は作れないんだ」と思い込んだAさんは、慌てて銀行の窓口へ向かいました。

「わざわざ来店しなくても、オンラインで開設できたんですね…」

窓口で事情を説明したAさん。すると担当者から意外な言葉が返ってきました。

「実は、署名用電子証明書の暗証番号が分からなくても、多くの金融機関ではマイナンバーカードの券面(表面)の撮影とご本人の顔撮影を使った方法でも口座開設ができるんですよ」

「え、そうだったんですか?」とAさん。わざわざ来店したのに自宅でも手続きできたと知り、拍子抜けした様子でした。
「ただ、2027年4月からは、オンラインの本人確認がマイナンバーカードのICチップを読み取る方式(暗証番号を使う方式)に原則一本化される予定です。券面撮影の方法は使えなくなっていく見込みなので、この機会に暗証番号を再設定しておくことをおすすめします」と担当者。

「この暗証番号は、口座開設以外にも使うんですか?」と尋ねたAさんに、担当者はこう答えました。
「はい。署名用電子証明書の暗証番号は、いわば電子上の実印のようなものです。e-Taxでの確定申告(医療費控除やふるさと納税の申告など)やオンラインでの引っ越し手続き(転出届)など、さまざまな場面で使われます。今後ますます使う機会が増えていきますよ」

「そんなに色々な場面で使うんですね。今後のためにも、きちんと設定し直しておきます」とAさん。担当者から再設定の方法を教わり、安心した様子で帰っていきました。

マイナンバーカードの暗証番号は、事前に確認しておくことが大切

では、同じ状況を防ぐためにはどうすればよいのでしょうか。

・オンラインでの口座開設や投資信託の申込み、e-Taxでの確定申告、転出届などには「署名用電子証明書の暗証番号(英数字6〜16文字)」が必要になることが多い(電子上の実印にあたるもの)
・署名用電子証明書の暗証番号は5回連続で間違えるとロックされるため、慌てて何度も入力しない
・暗証番号が分からなくても、現在は多くの金融機関でマイナンバーカードの券面撮影と顔撮影による口座開設が可能な場合がある
・ただし2027年4月からは本人確認がICチップ読み取り方式(暗証番号方式)に原則一本化される予定のため、暗証番号を確認・再設定しておくことが重要
・暗証番号を忘れた場合は市区町村の窓口で再設定できる。利用者証明用の暗証番号(数字4桁)が分かる場合は、専用のスマートフォンアプリで事前手続きをした上で、コンビニのマルチコピー機でも再設定が可能
・マイナンバーカード作成時の暗証番号は、忘れないよう安全な場所に記録しておく

マイナンバーカードは便利な一方で、暗証番号が分からないと手続きでつまずくことがあります。今後の制度変更も見据えて、事前に暗証番号を確認しておくことをおすすめします。


執筆:おがわ163
金融機関勤務(勤続20年)。2級ファイナンシャル・プランニング技能士。窓口業務・資産運用相談の現場経験をもとに、生活に役立つお金の知識をわかりやすくお届けしています。

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