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退職金と貯金で2,700万「これだけあれば老後は安心」と思いきや…→3年後、60代夫婦を襲った“想定外の大誤算”【銀行員は見た】

  • 2026.7.25
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。金融機関勤務のおがわ163です。20年間、金融機関の窓口で資産運用や家計相談に携わってきた経験をもとに、お金にまつわるリアルなエピソードをお届けしています。

「平均より貯蓄があるから、老後は安心」そう思っていたのに、実際に退職すると想像以上のペースで資産が減っていく──そんな不安を抱えて窓口に来られる方は少なくありません。今回は、退職後の取り崩しペースに不安を感じた60代夫婦のエピソードをご紹介します。

「平均より貯蓄は多いから、老後は安心のはず!」

大手メーカーに勤めていた夫が60歳で定年を迎えたBさん夫婦。夫は退職金約2,000万円を受け取り、パートで働く妻も直近10年ほどコツコツ貯めてきたため、貯蓄は約700万円。合わせて約2,700万円と、60代の平均的な貯蓄額を上回る水準でした。

「これだけあれば老後は安心だろう」と夫婦は考えていました。

「思ったより早く貯蓄が減っていく…」

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

ところが年金生活が始まると、想定と違う現実が見えてきました。

毎月の家計は、年金収入に対して生活費がやや上回り、約3万4,000円の赤字。これは65歳以上の夫婦のみ無職世帯の平均に近い水準で、年間にすると約41万円です。「これくらいなら」と思っていたBさん夫婦でしたが、問題はここからでした。

退職を機に始めた夫婦での旅行、家電の買い替え、自宅の修繕、車の買い替え、そして孫へのお祝いや三世代旅行の負担など、まとまった臨時の出費が年に約100万円ほど重なったのです。

毎月の赤字と臨時支出を合わせると、年間の目減りは約141万円。退職から3年で、すでに400万円以上を取り崩していました。
「このペースで大丈夫だろうか」と不安になったBさん夫婦は、銀行の窓口に相談に訪れました。

「取り崩すペースを『見える化』しましょう」

窓口では、担当者と一緒に今後の収支を整理しました。

「年間約141万円のペースで取り崩すと、単純計算で約19年後、ご主人が79歳ごろに2,700万円が底をつく計算になります」と担当者。数字で示され、Bさん夫婦は改めて危機感を持ちました。

ただ、担当者はこう続けます。
「旅行や車の買い替えといった活動的な出費は、一般的に70代後半から自然と落ち着いていく傾向があります。80歳以降は臨時支出が減ることも多いので、そこは少し安心していただいて大丈夫ですよ」

一方で、こんな話も。
「気をつけたいのは長生きのリスクです。今は平均寿命も延びていて、90代まで生きる方も珍しくありません。資産が思ったより長く必要になる可能性もあります。そこで、当面使わない資金の一部を年3%程度で運用できたと仮定すると、資産が底をつく時期を約5年延ばし、84歳ごろまで延命できる計算になります。もちろん運用には値下がりのリスクもありますが、『使いながら育てる』という考え方も選択肢のひとつです」

「漠然と減っていく不安が一番つらかったので、数字で見えて、対策も分かって安心しました」とBさん夫婦。取り崩し計画を立てたうえで、資産の一部を運用に回すことも検討しながら、老後の家計を見直していくことにしました。

老後は「取り崩すペース」を考えることが大切

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

では、同じように老後の資産管理に備えるには、どうすればよいのでしょうか。

  • 退職後は年金収入だけでは生活費をまかないきれず、貯蓄を取り崩す生活になることが多い(65歳以上の夫婦のみ無職世帯では毎月平均約3万4,000円の赤字という調査結果もある)
  • 毎月の赤字に加え、旅行・車の買い替え・住宅修繕・孫への支出などの臨時支出が資産の減りを加速させる
  • 「平均より貯蓄が多いから安心」と思っていても、取り崩すペースを把握していないと想定より早く資産が減ることがある
  • 毎月の収支と今後のライフイベントを書き出し、資産がいつどのくらいになるかを「見える化」しておくことが重要
  • 旅行や家電の買い替えなどの臨時支出は、あらかじめ「年間〇万円」と予算を立てて生活費とは別の口座に分けておくと、貯蓄が急激に減る不安をやわらげることができる
  • 活動的な出費は70代後半から落ち着く傾向がある一方、平均寿命が延びる中で「長生きのリスク」も見据えた長期の見通しが大切
  • 支出の見直しや、当面使わない資金の一部を運用に回すことで、資産の寿命を延ばすことも検討できる(ただし運用には値下がりのリスクもある)

「貯蓄があるから大丈夫」ではなく、「どのペースで取り崩すか」を考えることが、老後の安心につながります。退職後の資金計画についてお悩みの方は、ぜひ早めに窓口へご相談ください。


参考:
老後の生活費はどれくらい?(公益財団法人 生命保険文化センター)

執筆:おがわ163
金融機関勤務(勤続20年)。2級ファイナンシャル・プランニング技能士。窓口業務・資産運用相談の現場経験をもとに、生活に役立つお金の知識をわかりやすくお届けしています。

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