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母の遺産“3,950万円”を相続した60代娘→「相続税はかからない」申告せずに放置…1年後、銀行で告げられた“思わぬ事実”に驚愕

  • 2026.7.1
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。金融機関勤務のおがわ163です。20年間、金融機関の窓口で資産運用や家計相談に携わってきた経験をもとに、お金にまつわるリアルなエピソードをお届けしています。

「うちは相続税がかかるほどの財産はないはず」そう思っていたら、実は申告が必要だったというケースが窓口では少なくありません。今回は、複数の誤算が重なって相続税の申告漏れをしてしまった60代女性Aさんのエピソードをご紹介します。

「保険もあるし、うちは相続税はかからないはず!」

母が亡くなったAさん。相続人はAさん1人で、母の遺産は不動産1,910万円・預貯金2,040万円・生命保険金1,000万円でした。

「不動産と預貯金を合わせても約3,950万円だし、保険金も全額非課税のはず。申告は不要だ」とAさんは判断し、相続税の申告をしませんでした。

実は約15年前に父が亡くなった際も、遺産が少なく相続税の申告は不要でした。「今回も同じだろう」という安心感もありました。

「え、相続税かからないと思って申告していないんですが…」

母が亡くなってから約1年後。一周忌の法要の準備のために銀行の窓口を訪れたAさん。担当者から思わぬ言葉をかけられました。

「お母様の相続税の納付は無事に終わりましたか?」
「え、相続税はかからないと思っていたので、申告していないんです」とAさん。
「そうなんですか?以前お伺いした遺産の状況ですと、てっきり申告が必要かと思っていました。念のため税務署にご確認いただいた方がよいかもしれません」と担当者。

「え?本当に大丈夫ですよね…?」と不安になったAさんは、急いで税務署に相談に行きました。そこで3つの誤算が判明しました。

「誤算が3つ重なっていたとは…」

誤算①:生命保険の非課税枠は全額ではなかった

生命保険金には「500万円×法定相続人の数」の非課税枠があります。Aさんの場合、相続人が1人のため非課税枠は500万円。受け取った1,000万円のうち500万円は非課税ですが、残り500万円は相続財産に加算されます。

誤算②:課税対象の財産が思ったより多かった

不動産1,910万円+預貯金2,040万円=3,950万円に、保険金の課税対象分500万円を加えた合計は4,450万円。「3,950万円だから大丈夫」という計算が崩れてしまいました。

誤算③:基礎控除額が父の相続時から変わっていた

約15年前に父が亡くなった当時(2015年の法改正前)の基礎控除は「5,000万円+1,000万円×法定相続人の数」でした。しかし2015年の法改正により、現在の基礎控除は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」に引き下げられています。

Aさんの場合の基礎控除は3,000万円+600万円×1人=3,600万円。
課税対象額:4,450万円-3,600万円=850万円
相続税(概算):約85万円

※なお実際には遺産総額から葬式費用などを差し引くことができますが、それでも基礎控除額を大きく上回るため申告と納税が必要です。
さらに申告期限(相続開始から10ヶ月以内)を過ぎていたため、延滞税や無申告加算税も上乗せされることになってしまいました。

「父の時は申告不要だったから、今回も大丈夫だと思っていた」とAさん。「基礎控除が変わっていたなんて知らなかった」と深く後悔していました。

相続が発生したら、まず専門家に確認を

では、同じ状況を防ぐためにはどうすればよいのでしょうか。
相続税の申告について不安がある方は、以下の点を確認しておくことをおすすめします。


・相続税の基礎控除は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」。2015年の法改正で大幅に引き下げられた
・生命保険金の非課税枠は「500万円×法定相続人の数」であり、受け取った全額が非課税になるわけではない
・不動産・預貯金・生命保険金(課税対象分)をすべて合算した上で基礎控除と比較する必要がある
・葬式費用など一定の債務は遺産総額から差し引くことができるため、詳細は税理士や税務署に確認を
・相続税の申告期限は相続開始(被相続人が亡くなった日)から10ヶ月以内。期限を過ぎると延滞税や無申告加算税が発生する
・以前の相続で申告不要だった場合でも、今回も不要とは限らない。法改正や財産状況の変化に注意が必要
・相続が発生したら、まず税理士や税務署に相談して申告が必要かどうかを確認することをおすすめする

「うちは関係ない」と思い込まずに、相続が発生したら早めに専門家に確認することが大切です。相続税についてお悩みの方は、ぜひ税理士や窓口へお気軽にご相談ください。


参考:
相続税の基礎控除(国税庁)

執筆:おがわ163
金融機関勤務(勤続20年)。2級ファイナンシャル・プランニング技能士。窓口業務・資産運用相談の現場経験をもとに、生活に役立つお金の知識をわかりやすくお届けしています。

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