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手術で数ヶ月かけて治療した50代男性→『高額療養費制度で税金が戻ってくる』はずが…半年後、税務署から届いた“1通の通知”に絶句

  • 2026.7.1
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出典元:photoAC(※画像イメージです)

こんにちは!税理士・元国税調査官の神崎遊です。

還付されたお金を後から返してくださいと言われたら、ショックですよね。

51歳のSさん(仮名)は妻と2人の子どもに恵まれた、地方都市に暮らす年収900万円の会社員です。長男はすでに独立し、次男も就職を機に上京する予定でした。「子どもが巣立ったら、少しは贅沢しよう」そんな矢先、妻にがんが見つかったのです。

高額療養費制度を活用し、医療費控除による還付も受けられ、すべてうまくいったと思っていたSさん。しかし、思わぬ落とし穴が待っていました。

高額療養費と税金の還付でひと安心のはずが…

幸い、早期発見できたこともあり手術は成功。その後も数か月にわたる治療が続き、医療保険に加入していなかったこともあって、医療費の自己負担額は163万円に上りました。

「大丈夫よ。全部自己負担になるわけじゃないみたい」

妻が言っていたのは、高額療養費制度でした。年収に応じた自己負担額を超えた分が後から支給される制度で、申請した結果、約100万円が戻ることになり、ようやく胸をなで下ろしました。

※「高額療養費制度は、公的医療保険に加入している人が利用できる制度であり、民間の医療保険とは別の制度です」

さらに、「医療費もたくさん払ったし、税金も結構戻ってくるかもしれない」と思ったSさんは翌年、自分で確定申告を行いました。その結果、約30万円の所得税が還付され「思ったより戻ってきた!」と喜びました。

長い治療を頑張ってくれた妻のために、還付金を使い、30万円のブランドバッグを贈りました。

しかし、半年後、税務署から届いた1通の通知が、喜びを一変させることになります。

税務職員から告げられた“思わぬ勘違い”

「高額療養費で補填された金額を差し引かずに申告していたため、医療費控除額が過大になっていますね」と職員から説明を受けました。

医療費控除は、支払った医療費から高額療養費や医療保険などで補填された金額を差し引き“実際に自己負担した金額”を基に計算します。

さらに、実際に自己負担した金額のうち、10万円を超えた分が医療費控除の対象となります。

※所得が200万円未満の場合は所得金額×5%を超えた分が控除金額です。

「病院に支払った医療費なんだから、そのまま医療費控除の対象になると思っていました」

税務署の案内に従って申告内容を訂正し、過大に還付された約20万円を返還することになりました。

医療費控除で後悔しないために

正しく申告していれば、実際に戻ってくる税金は約10万円でした。そのため、足りなくなったバッグ代の20万円は、Sさんが今後のお小遣いから補填することになったそうです。

高額療養費制度は高額な医療費を支払ったときに家計負担を軽減してくれる頼もしい制度です。一方で、医療費控除は補填される金額を考慮して申告する必要があります。医療費が高額になった年は、確定申告の前に一度内容を確認しておくと安心です。


執筆:税理士・元国税調査官 神崎遊

国税組織で12年間勤務し、法人税調査を中心に200件以上の税務調査に従事。現在は「ゆとり税務会計」を運営し、中小企業・個人事業主の税務支援を行っている。

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