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手術で“100万”支払った50代男性→『高額療養費があるから大丈夫』と思いきや…退院後、請求された額を見て“青ざめたワケ”

  • 2026.7.26
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。金融機関でマネージャーを務めながら、家計のご相談に日々向き合っている中川です。

今回ご紹介するのは、手術で入院した50代男性のAさんの体験談です。「高額療養費があるから安心」と考えていたものの、月末に入院して“月をまたいだ”ために、自己負担がほぼ2か月分に膨らんだ経緯をご紹介します。

「高額療養費があるから入院費は心配ない」と思っていた

Aさんは50代の会社員で、年収は約500万円。

持病の治療で手術と入院をすることになりましたが、「高額療養費があるから、自己負担は上限までで済む」と考え、費用の面ではあまり心配していませんでした。

高額療養費は、1か月の医療費の自己負担が一定の上限を超えたとき、超えた分があとから戻る(または窓口の支払いが上限までになる)公的な仕組みです。上限は年収に応じて決まり、Aさんの区分(年収約370万〜770万円)では、上限はおよそ8万〜9万円台でした。「どれだけかかっても、ひと月の負担はこのくらい」。Aさんはそう思っていたのです。

高額療養費は、暦月ごとに計算される

見落としやすいのが、高額療養費は「暦月」、つまり毎月1日から末日までを単位に計算される点です。同じ一度の入院でも、月をまたぐと、それぞれの月ごとに上限が計算されます。

Aさんの入院でかかった医療費の総額(総医療費)は、およそ100万円。窓口ではその3割にあたる約30万円を支払いました。高額療養費の上限は、窓口で払った自己負担額ではなく、この総医療費をもとに決まります。もし1か月のうちに収まっていれば、Aさんの区分の上限は「80,100円+(総医療費−267,000円)×1%」で約87,000円。この金額を上限とし、支払いが済むはずでした。

*なお、ここで使う上限額は2026年7月時点のものです。2026年8月からは、Aさんと同じ年収約370万〜770万円の区分の計算式は、「85,800円+(総医療費−286,000円)×1%」となる予定です。

月をまたいだだけで、自己負担がほぼ2倍に

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

ところがAさんは月末に入院し、退院は翌月になりました。同じ一度の入院でも、医療費がふたつの月に分かれると、上限はそれぞれの月ごとに計算されます。

Aさんの場合、総医療費100万円が、ふたつの月に半分ずつ(各月50万円)に分かれました。すると、月ごとの上限は次のように計算されます。

  • 各月の上限:80,100円+(500,000円−267,000円)×1%=82,430円
  • 2か月分の合計:82,430円×2=164,860円

1か月に収まっていれば約87,000円だったのに、月をまたいだために自己負担はおよそ164,000円。ほぼ2倍に膨らんだ計算です。差額は8万円近くにもなりました。「たった数日、入院の時期がずれただけで、こんなに変わるとは思いませんでした」とAさんは青ざめたそうです。

入院のタイミングと、事前の手続きを確認する

もちろん、病気やけがの都合で入院日を選べないことも多いものです。ただ、予定手術などで日程に余裕があるときは、月をまたがない入院日を医師に相談してみる価値があります。

あわせて、入院前に「限度額適用認定証」を用意するか、マイナ保険証を使って手続きをしておくと、窓口での支払いを最初から上限額までに抑えられます。まとまった現金を立て替える負担も減らせるため、入院前に余裕がある方は準備するようにしましょう。

高額療養費制度は、知っているかどうかで家計への負担が大きく変わる制度です。いざ入院が必要になったときに慌てないよう、制度の仕組みや事前にできる準備を確認し、安心して治療に専念できる環境を整えておきましょう。


執筆・監修:中川 佳人
金融機関勤務の現役マネージャー。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。20年にわたり、資産形成や家計管理・住宅ローンなどの実務に携わってきた経験を活かし、記事の監修や執筆を行っている。専門的な内容を、誰にでもわかりやすく伝えることをモットーとしている。

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