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「知りませんでした」“夫の入院で6.5万・妻の通院で5.2万”の医療費を負担した60代夫婦→後から知った“痛恨の勘違い”に絶句…

  • 2026.8.17
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。金融機関でマネージャーを務めながら、家計のご相談に日々向き合っている中川です。

今回ご紹介するのは、同じ月に夫婦それぞれが通院・入院した60代のAさんご夫妻の体験談です。

「高額療養費は1人ずつ・1回ずつ」と思い込み、世帯で合算できる仕組みや多数回該当を知らず、戻るはずの36,000円を申請し損ねた経緯をご紹介します。

「高額療養費は1人ずつ1回ずつ」と思っていた

Aさんご夫妻は60代。

夫は会社員として働き、年収は約500万円。パート勤務の妻は夫の健康保険の扶養に入っています。同じ月に、夫が入院で約65,000円、妻が別の病院への通院で約52,000円の医療費を自己負担しました。

医療費の領収書はまとめて保管していたものの、二人分を合わせて考えることはありませんでした。それぞれ「上限には届いていないから、戻るお金はない」と考え、高額療養費の申請をしなかったのです。高額療養費を、あくまで「1人ずつ・1回ずつ」のものだと思い込んでいました。

夫婦の医療費は合算できる

 

高額療養費には「世帯合算」という仕組みがあります。同じ健康保険に加入している同一世帯の家族が、それぞれ21,000円以上(70歳未満の場合)の自己負担をしたときは、その分を合算して自己負担額を計算できるのです。

Aさんご夫妻がその月に受けた医療の総額(総医療費)は、およそ390,000円でした。窓口ではその3割にあたる、夫の65,000円と妻の52,000円、合わせて117,000円を自己負担しています。

高額療養費の上限は、かかった医療費の総額(総医療費)と、夫の年収による区分で決まります。Aさんご夫妻の区分では、上限は「80,100円+(総医療費−267,000円)×1%」で計算します。総医療費が390,000円なので、上限は81,330円。合算した自己負担の医療費117,000円が上限を上回っていたため、差額の35,670円が戻る計算でした。片方だけでは上限に届かなくても、合わせれば上限を超えていたのです。

「別々のものだと思い込んでいて、合算できるとは知りませんでした」

Aさんは世帯合算を後から知り、驚いたといいます。

なお、高額療養費制度の自己負担限度額は、2026年8月に見直される予定です。Aさんご夫妻と同じ年収約370万~770万円の区分では、現行の「80,100円+(総医療費-267,000円)×1%」から、「85,800円+(総医療費-286,000円)×1%」へ引き上げられることになっています。

何度も高額になった年は、上限がさらに下がる

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

もう一つ見落としがちなのが「多数回該当」です。直近1年間に3回以上、高額療養費の上限に達すると、4回目からは上限そのものが下がります(Aさんご夫妻の区分では月44,400円)。

たとえば大きな病気で入院や治療が長引き、3か月続けて上限に達した場合、4か月目からの上限は44,400円まで下がり、それまでの半分程度になります。長期にわたって治療が続く場合は、4回目以降の自己負担額が軽くなるため、多数回該当もあわせて確認しておくことが大切です。

医療費が重なった月は、合算できないか確かめる

家族の医療費が同じ月に重なったときは、1人ずつで判断せず、世帯で合算できないかを確認しましょう。加入している健康保険の窓口に相談すれば、対象になるかどうかを教えてもらえます。

高額療養費の申請には、原則2年という期限があります。過ぎてしまうと、戻るはずのお金も受け取れません。逆に言えば、Aさんご夫妻のようにあとから気づいた場合でも、2年以内なら間に合います。心当たりのある月は、早めに確かめておくことが大切です。


執筆・監修:中川 佳人
金融機関勤務の現役マネージャー。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。20年にわたり、資産形成や家計管理・住宅ローンなどの実務に携わってきた経験を活かし、記事の監修や執筆を行っている。専門的な内容を、誰にでもわかりやすく伝えることをモットーとしている。

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