1. トップ
  2. ビジネス・マネー
  3. “4,200万”の住宅ローンを契約→『返済額が月2.1万減るから』ボーナス払いを選ぶが…3年後、40代夫婦を襲った“想定外の大誤算”

“4,200万”の住宅ローンを契約→『返済額が月2.1万減るから』ボーナス払いを選ぶが…3年後、40代夫婦を襲った“想定外の大誤算”

  • 2026.7.28
undefined
出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは、マネーシップス代表・ファイナンシャルプランナー/IFAの石坂です。

住宅ローンのボーナス払いを利用すると毎月の返済額を抑えられるため、「月々の家計に余裕を持たせたい」という家庭にとって魅力的です。

しかし、毎月の返済が減る代わりに、半年ごとのボーナス月にはまとまった返済が必要になります。会社の業績で賞与が減っても、住宅ローンの返済額が自動的に下がるわけではありません。

今回は、毎月の返済額を約2万円抑えるためにボーナス払いを選んだ、40代夫婦の事例から「本当のリスク」を見ていきます。

「月々2万円下がるなら安心」と選んだ40代夫婦

今回の事例は、夫45歳、妻42歳、中学生の子どもが1人いる共働き世帯です。

夫婦は3年前、4,200万円を35年返済、当初年0.6%の変動金利で借り入れました。

借入額の全額を毎月返済にすると、毎月の返済額は約11万1,000円です。一方、借入額のうち800万円をボーナス返済分に振り分けると、毎月返済は約9万円まで下がりました。毎月の負担が約2万1,000円減る代わりに、年2回のボーナス月には、通常の返済額に約12万7,000円が上乗せされます。

当時の夫の賞与は年間約90万円。「毎月約2.1万円浮くなら教育費が準備しやすい」と考え、夫婦はボーナス払い併用を選択しました。

3年後に訪れた、思わぬ誤算

undefined
出典元:photoAC(※画像はイメージです)

ところが3年後、会社の業績悪化により、夫の年間賞与が90万円→約70万円に減少。しかし、住宅ローンのボーナス返済額(年間約25.4万円)は変わりません。

固定資産税、車検、塾の講習費などが重なり、ボーナスをもらっても手元にお金がほとんど残らない状態に。さらに、金利の上昇により、毎月の返済額のうち「利息」に充てられる割合が増え、元金が減るスピードが鈍化していきました。

夫婦の契約では、返済額を5年ごとに見直す仕組みだったため、毎月の返済額がすぐに増えたわけではありません。ただし、金利が上がると、毎月の返済額のうち利息に充てられる割合が増え、元金が減るペースが遅くなることがあります。

次回の返済額見直しで負担が増える可能性もあると知り、夫婦は住宅ローンの返済計画を改めて確認することにしました。

「毎月の返済額が下がったことで安心していましたが、年間の返済負担そのものが軽くなったわけではなかったのですね」と、夫婦は振り返ります。

知っておくべき「ボーナス払い&変動金利」の仕組み

1.賞与が減っても返済額は自動で変わらない

住宅ローンのボーナス返済額は固定です。賞与が減った場合は、毎月の収入や預貯金から補填する必要があります。

2. 変動金利の「据え置く仕組み」には注意が必要

変動金利には「金利が上がっても5年間は返済額を据え置く」ルールを導入している金融機関があります。ただし、返済額が変わっていなくても内部では利息割合が増えており、元金が減りにくくなっている点に注意が必要です。

3. 返済プランの変更にはハードルがある

ボーナス払いをやめて毎月返済のみに変更できる金融機関もありますが、毎月の返済額が増えるうえ、金融機関の審査や手数料が必要となります。

賞与が減っても続けられる返済計画を

住宅ローンは30年以上の長丁場です。勤め先の業績だけでなく、転職・休職・働き方の変化で賞与が下がるリスクは常にあります。

  • 「賞与が3割減っても払えるか」を試算しておく
  • 「賞与が出ない年があっても預貯金で対応できるか」を確認する
  • ボーナス払いは「安くなった」のではなく「支払いを先送りにしているだけ」と理解する

住宅ローンを組む際は、現在の収入だけでなく「収入や賞与が減った場合でも無理なく続けられるか」を基準にプランを立てましょう。


※事例はプライバシー保護のため、内容の一部を変更しています。金額は、元利均等返済でボーナス返済が6か月ごとに行われるものとして算出した概算です。実際の返済額は、金融機関の計算方法や返済開始時期などによって異なります。

執筆・監修:石坂貴史
証券会社IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー・証券外務員)、マネーシップス代表。累計1,200件以上の相談対応に加え、金融記事の制作・校正・監修の対応を行っています。専門は「金融・経済、不動産、保険、相続、税制」。資産運用やライフプラン設計では、分散投資の考え方と人の心理を踏まえた行動設計をもとにサポートしています。
保有資格:証券外務員一種、2級FP技能士、AFP、NISA取引アドバイザー、日本証券アナリスト協会認定 資産形成コンサルタント、金融リテラシー検定

の記事をもっとみる

注目コンテンツ