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投資信託を“100万”で一括購入→「非課税枠を使い切らなきゃ損」と思いきや…1ヶ月後、40代女性を襲った“想定外の大誤算”

  • 2026.7.28
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは。FPの柴田です。

「NISAの非課税枠、全然使い切れていなくてなんだかもったいない…」 そんな風に焦りを感じたことはありませんか?運用益が非課税になるお得な制度だからこそ、「枠を余らせるのは損」と思ってしまいがちです。しかし、その「もったいない」という焦りに背中を押された結果、夜も眠れないほどのストレスを抱え込むことになってしまった事例があります。

今回は、周囲のペースに焦ってボーナス100万円を一括投資し、相場急落の渦中に巻き込まれてしまったAさん(45歳・女性)のエピソードをご紹介します。他人のペースに振り回されず、自分が安心して続けられる投資のペースについて一緒に考えていきましょう。

「枠を使い切らなきゃ損」という焦り

Aさんは以前から筆者が支援している方で、数年前からNISAで投資信託をコツコツ積み立てています。金額は月2万円。無理のない、実に健全なペースでした。

ところがある日、投資仲間の同僚から「私、今年の枠もう半分埋めたよ」と聞いて、胸がざわついたそうです。「私はまだ全然使えていない。非課税の枠を余らせるなんて、もったいない!」と感じたとのこと。

NISAは運用益が非課税になるお得な制度ですから、「枠を使わない=お得を捨てている」という理屈は、一見もっともらしく聞こえます。

折しも夏のボーナスが支給された直後。Aさんは勢いのまま、ボーナス100万円を投資信託の購入に一括投入しました。 年間の枠がぐっと埋まった画面を見て、達成感すら覚えたそうです。

1か月後、画面が緑(含み益)から赤(含み損)へ

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

確かに理論上、長期的・世界的に成長する市場へ投資する場合、早く大きな資金を入れる方が効率的とされる局面もあります。余力があれば積極的に入金する選択肢も間違いではありません。

しかしAさんの場合、その約1か月後に世界的な株安で相場が急落。Aさんの100万円は、みるみる含み損に変わりました。毎晩スマホで評価額を確認しては、テンションがだだ下がりしていたそうです。

「今売れば損が確定する。でも、もっと下がったら…」と夜中に何度も目が覚めるようになり、筆者に相談してくれました。

筆者は「生活防衛資金が確保されており、投資先が長期で成長を期待できるインデックス等であれば、焦って売却するのは慎重になりましょう」とお伝えしました。NISA口座は損失が出た状態で売却すると非課税の恩恵が受けられないうえ、特定口座など他の口座との「損益通算」もできないためです。パニックで底値で売り払う「狼狽売り」は、損失を確定させるだけでなく回復局面の利益も逃してしまいます。

この点を説明した結果、Aさんは何とか狼狽売りを回避できました。 皮肉なことに、これまでの月2万円の積立では一度も眠れなくなったことはなかったそうです。同じ下落でも、リスク資産の比率が高まったことで心へのダメージがまるで違っていたのです。

資産形成は自分のペースで進めればよい

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

NISAの非課税枠は「早く使い切った人が勝ち」のゲームではありません。生涯投資枠(1,800万円)も「今年使わないと消滅する」わけではなく、売却すれば翌年以降に再利用枠として復活する仕組みもあります。

また、一括投資は購入時期が固定されるため高値掴みのリスクがありますが、毎月一定額を買い続ける積立投資であれば、高いときは少なく、安いときは多く購入する「ドルコスト平均法」の形になり、購入単価が平滑化されメンタルも安定しやすくなります(※ただしドルコスト平均法も価格変動リスクそのものを消すわけではない点には注意が必要です)。

生活防衛資金の有無だけでなく、「投資額のアップダウンに自分の心が耐えられるか(リスク許容度)」は人それぞれ違います。Aさんにとって今回の一括投資は、その許容度を超えていたといえます。とはいえ、「自分が落ち着いて運用できるリスクの範囲」を実感できたのは貴重な経験です。

他人のペースに惑わされず「自分の適正額」で続けよう

幸いAさんは狼狽売りを踏みとどまり、その後は毎月の積立額を「相場が下がっても夜眠れる金額」に再調整しました。積み立てた資産は相場の回復とともに持ち直し、今では評価額を「月1回だけ確認する」ルールで平和に過ごしています。

投資で一番大切なのは、目先の利回りや枠の消化率ではなく、「相場が荒れても夜ぐっすり眠れ、淡々と続けられるリスクバランスを保つこと」です。他人の進捗に惑わされず、自分にとって無理のない範囲で資産形成を継続していきましょう。


執筆・監修:柴田 充輝
厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。FP1級と社会保険労務士資格を活かして、多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。金融メディアを中心に、これまで1,200記事以上の執筆実績あり。

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