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彼女の写真ではなく古いレシートを新しい財布に移した、僕の不器用な理由

  • 2026.6.11
ハウコレ

ボロボロになった財布を、ようやく新しいものに買い替えました。古い財布から一つずつ中身を移していく作業は、思っていたより手間がかかります。最後に手に取ったのは、ずっと入れっぱなしにしている、色あせた一枚のレシートでした。

写真を引き出しにしまった理由

以前、彼女が2人の写真をプリントして、「財布に入れてよ」と渡してくれました。嬉しくて古い財布に入れていたのですが、持ち歩くうちに角が折れ、少しずつ傷んでいくのが気がかりでした。

新しい財布に移すとき、これ以上汚したくなくて、写真は部屋の引き出しに大切にしまったのです。けれど、そのことを彼女に伝えていませんでした。だから新しい財布に写真がないことを、彼女がどう感じるかまで、考えられていなかったのです。

あの一言に込めたかったこと

中身を移していると、彼女が「あの写真は、入れないの?」と聞いてきました。引き出しのことを話せばよかったのに、僕はうまく言えずに「写真はいいよ。それより大事なものが入ってるから」と返してしまいました。その「大事なもの」とは、手にしていたレシートのことです。それは、初めて二人で食事に行った店のものでした。緊張で味もよく覚えていないあの日の証を、僕はずっと財布に忍ばせていたのです。

伝えたかった、本当の気持ち

彼女は少し寂しそうに、「そのレシートのほうが大事なの?」と聞きました。違う、と言いたいのに、引き出しのことも、レシートの思い出も、口にすればするほど言い訳になりそうで、つい飲み込んでしまいました。レシートを指でなぞりながら、僕はただ「うまく言えないんだけど、捨てられないんだ」と答えるのが精一杯でした。本当は、君と出会えた日の宝物なんだと伝えたかった。それなのに、肝心なことほど、伝えるのが下手な自分が情けなく思えました。

そして...

彼女が帰ったあと、引き出しから写真を取り出して、しばらく眺めていました。写真もレシートも、僕にとってはどちらも同じくらい大切なものです。それなのに、大切さを比べるような言い方をして、彼女を寂しくさせてしまいました。次に会ったら、まずあのレシートの話をしようと思います。初めて二人で食事をした日のこと、そこから今へと続いてきたこと。そして、引き出しの写真も、ちゃんと一緒に並べて飾ろうと思います。不器用な気持ちも、言葉にしなければ伝わらないのだと、ようやく気づいたのです。

(20代男性・営業職)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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