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「足が届かない」を解消! DR-Z4Sがもっと身近になるローダウンカスタム

  • 2026.6.10

高いオフロード性能を誇るSUZUKI DR-Z4Sだが、890mmというシート高に不安を感じるライダーも少なくない。そこでテクニクスが開発したのが、シート高を約30mm下げるローダウンサスペンション「TLUE」だ。足つき性と安心感を高めることで、DR-Z4Sをより多くのライダーが楽しめるモデルへと進化させている。

PHOTO/H.Inoue 井上 演、A.Kusudo 楠堂亜希

TEXT/H.Kishizawa 岸澤秀夫

取材協力:Technix

〒344-0122 埼玉県春日部市下柳43−1

TEL:048-795-4423 https://technix.jp/

足つきと安心感を高めるローダウン仕様

新型DR-Z4Sに向けて、サスペンションプロショップ「テクニクス」がローダウン仕様を開発し、販売を開始した。今回のコンセプトは単なる車高ダウンではなく、「より多くのライダーが安心して乗れるDR-Z4S」。開発を担当した土田夏希メカニックは、その狙いをこう語る。

「今回の仕様は、攻めるセッティングというよりも、より多くの人に乗ってもらうことを意識したローダウン仕様です。スタンダード状態でまたがったとき、足つきを気にされる方がかなり多かったんです。まずそこが一番大きな需要だと感じました」

オフロードモデルにとって、足つきの不安はライディングそのものの安心感に直結する要素だ。特に新型DR-Z4Sはオフロード性能を妥協しない、しっかりとした車格を持つだけに、購入を検討する段階で足つきが気になるという声も少なくない。そこでテクニクスでは、まずローダウン仕様の開発に着手した。

ローダウンサスペンション仕様のDR-Z4S
【両足が地面を捉える安心感】ノーマルは、エンデューロレーサー並みのシート高:890mm。TLUE仕様により一般的なシート高:860mmとなった。写真でも足付きの良さ、前後のサスペンションの沈み込みもバランスが取れているのがわかる

しかし、単純に車高を下げるだけではバランスが崩れてしまう。そこで同社は前後サスペンションのバランスにも手を入れている。

「スタンダードの状態だと、リアがしっかりしていてフロントが少し負けている印象がありました。なので車高を下げると同時に、その前後バランスを整える方向で仕様を作っています」

さらにリアスプリングのレートも変更。ローダウンを求めるユーザーの用途を想定し、扱いやすさを重視したセッティングとしている。

「ローダウンを求めるライダーは、モトクロスコースを本格的に攻めて走るケースはそれほど多くないと想定します。なのでストリートから林道、いわゆるフラットダートを気持ちよく走れる仕様にしています」

舗装路からそのまま未舗装路へ。そんな使い方を想定し、サスペンションの初期作動はよく動く方向に設定されている。

ローダウンサスペンション仕様のDR-Z4S
【サスペンション内部をモデファイ】TLUE仕様の外観は車高が低い以外、ノーマルと同じだ。フロントサスペンションのアジャスター類はノーマルを使用している

「ストリートからフラットダートに入ったときに、安心して気持ちよく走れるようなイメージですね」

もちろん、用途を絞ったセッティングである以上、得意・不得意ははっきりしている。

「初期がよく動く仕様なので、ハードブレーキングやハイスピードで荒れた路面を走るような場面では、少し物足りなさを感じるかもしれません。ただ今回フォーカスしているのは、未舗装路の走行にまだ慣れていないビギナーの方なんです」

新型DR-Z4Sに憧れはあるが、足つきやオフロード走行に不安がある。そんなライダーにとって、このローダウン仕様は大きな安心材料となるだろう。

「DR-Zのスタイルが好き、400ccの排気量が魅力で乗りたい。でも足つきが不安だったり、ダート走行に慣れていなかったりする方も多いと思います。そういう方が車両、サスペンションに助けてもらいながら楽しめる仕様を目指しました」

なおテクニクスでは、今回のローダウン仕様とは異なる方向性のセッティングも開発予定だという。

「フルストロークで、もう少ししっかりした仕様も作る予定です。マーケットを見ながら、お客さんのリクエストに応えられる仕様も探っていきたいですね」

まずは足つきと安心感を重視したローダウン仕様。新型DR-Z4Sの楽しみ方を広げる、新たな選択肢として注目したい。

DR-Z4S+ Technix TLUE & DR-Z4S STD

DR-Z4S+ Technix TLUE
DR-Z4S+ Technix TLUE
 DR-Z4S STD
DR-Z4S STD
DR-Z4S+ Technix TLUE
DR-Z4S+ Technix TLUE
 DR-Z4S STD
DR-Z4S STD

FRONT SUSPENSION

DR-Z4S+ Technix TLUE
フロントサスペンションは内部モディファイを実施し、スプリングレートを大幅に引き上げるとともにリバウンド減衰を強化。ローダウンによる車体バランスの変化を補正し、ノーマルで感じられたフロントの弱さを解消。安定感と走破性を高めたセッティングとしている

REAR SUSPENSION

DR-Z4S+ Technix TLUE
リアサスペンションは内部モディファイにより30mmのローダウンを実施。フロント強化とのバランスを取りながら減衰特性も最適化し、安定したトラクションと扱いやすさを両立したセッティングとしている

【本誌編集長 岸澤秀夫 インプレ】不安感を打ち消したトレールクルーザーに

DR-Z4Sは、オフロード性能を妥協することなく追求したトレールモデルだ。そのためサスペンションストロークが長く、車高やシート高も高めに設定されており、ややライダーを選ぶ一面もあった。

現在は国内4メーカーが、それぞれ異なる排気量や個性を持つトレールバイクをラインナップしており、用途や好みに応じて選べる時代になっている。その中でもDR-Z4Sの魅力は、スパルタンなスタイリングと妥協のない高い性能にある。カートリッジ式サスペンションを採用するなど、本格的な装備を備えたハイスペックな1台だが、ネックとなるのが高い車高だった。

今回のテクニクスによるローダウン仕様は、車高を下げながらも性能を犠牲にしていないのが特徴だ。林道はもちろん、モトクロスコースも問題なく走行可能。足つきの安心感が高まったことで、これまで車高の高さを理由にDR-Z4Sを敬遠していたライダーにとっても、より選びやすい仕様になったと言えるだろう。

DR-Z4S+ Technix TLUE
DR-Z4S+ Technix TLUE

【本誌スーパーバイザー 宮崎大吾】コーナリングの安心感が向上 旅もしてみたくなる仕様!

まずまたがってみて驚いたのは、スタンダードモデルのHonda CRF250L(シート高830mm)よりも、このDR-Z4Sローダウン仕様(890mm−30mm=860mm)の方が足つきが良かったことです。スタンダードのCRF250Lよりもサスペンションの沈み込みが大きいためか、ほぼ両足がベッタリと接地します。

実はDR-Z4Sの「ジェベルバージョン」の登場に密かに期待しているのですが、このテクニクスのローダウン仕様でロングツーリングができたら素晴らしいのではないかと思っています。これは、多くのDR-Z4S購入予備軍にとっても魅力的なポイントではないでしょうか。

もちろん、ローダウンしていてもオフロード性能を損なった印象は皆無です。むしろコーナリング時の安定感が増し、より安心してマシンを寝かせられるようになったように感じました。深い轍のような特殊な状況は別として、フープスやギャップも問題なくこなせます。ある意味では、DR-Z4S本来の良さがさらに引き立っているようにも思えました。

林道や市街地での扱いやすさにも確実に貢献するローダウン仕様。DR-Z4Sの魅力をさらに広げる、非常に完成度の高いパッケージでした。

DR-Z4S+ Technix TLUE
DR-Z4S+ Technix TLUE
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