1. トップ
  2. エンタメ
  3. 「脚本には笑いました。どういう映像になるか想像できなくて」映画『NEW GROUP』主演・山田杏奈インタビュー

「脚本には笑いました。どういう映像になるか想像できなくて」映画『NEW GROUP』主演・山田杏奈インタビュー

  • 2026.6.9

結論から言いますが「なんじゃこりゃ!?」と叫びたくなる怪作のオモシロ日本映画がお好きな方、お待たせしました、2026年はコレです♡ 2024 年、商業映画監督デビュー作『みなに幸あれ』がスマッシュヒットした下津優太監督の劇場公開⼆作⽬の映画『NEW GROUP』は、組体操(⼈間ピラミッド)が恐怖の象徴に見えてくるSFサイコエンタテインメント、と資料には書いてあるんですが……私はところどころで大爆笑。ピエール瀧さんがヤバい校長役で出てくるよとか、「集団⾏動」における⼈間の⾏動⼼理をコミカルに描いているとか……何から伝えればいいのか、一言でうまく説明できません。ただ、日本社会における「みんなと同じであれ」的な同調圧力に疑問を感じている方や心の中で中指立ててる方にはとくに激推し。予測しないで観ましょう。めちゃめちゃスカッとしますよ。

『NEW GROUP』
story 高校生の愛(山田杏奈)は引っ込み思案。彼女は海外育ちで自分の考えをはっきり表現する転校生・優(青木柚)にあこがれていた。ある日、学校で生徒たちが突如人間ピラミッドを組み始める怪現象が起きるのだが……。
監督・脚本:下津優太/出演:山田杏奈、青木柚、駒井蓮、前野朋哉、清水崇、ピエール瀧 ほか/配給:KADOKAWA/公開:6月12日より、新宿バルト9ほか全国ロードショー
© 2026映画「NEW GROUP」製作委員会

主⼈公とその相⼿の名前は「愛」と「優」、つまり「IとYOU」=私とあなたの物語。ここで愛を演じた主演の山田杏奈さんに、お話を聞かせていただけました。『TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ』で映画デビュー後、『ゴールデンカムイ』『小さな恋のうた』『ミスミソウ』などなど、お芝居そのものはもちろん作品選びもセンスがあり過ぎる若き注目女優。才能あふれる可憐な彼女は、この怪作をどう捉えているんだろう……映画を思い出してときどき半笑いになりながらたずねてきました。聞き手は映画ライターのよしひろまさみちさんです。

――『NEW GROUP』、とんでもない設定の物語で笑ってしまいましたけど、最初に脚本を読んだときどう感じました?
 
山田 私も笑いました(笑)。すぐには納得できないストーリーだったので読み込んでいきましたが、これはいったいどういう映像になるんだろう、と想像がつかなくて。ト書きでいろいろと書いてあるんですが、「なんだこれ!?」っていうところがたくさんあったんです。でもストーリーはすごく面白いじゃないですか。これはもう現場に入ってみないと分からない、と思いましたね。
 
――文字面では想像できないですよね。
 
山田 そうなんです。だから、セリフだけ覚えて、あとは現場でどうなるかを楽しみにしていました。
 
――演じられた愛に共感は?
 
山田 学生時代にもうお仕事をしていたことや、学校の友だちがみんな個人を尊重するタイプだったので、なにがなんでもクラス全員と仲よく! という感じではなかったんです。だから、引っ込み思案でまわりと協調できないでツラく感じている愛の気持ちは理解できるけど、共感するかといわれるとちょっと違いました。
 
――恵まれていましたね。
 
山田 そうだったと思います。だから、愛や彼女の学校のあり方は、本当に大変だと思いますし、こういう環境で苦しんでいる人も確実にいることに思いを馳せていました。
 

――もしこういう学校に通っていて、俳優の仕事をしていなかったとしたら?
 
山田 私だったらがんばって溶け込もうとする側ですね。孤立しないようにしてると思います。多分そのほうが楽だ、と考えるはずなので。でも、自分の気持ちとのギャップに苦しむんでしょうね。難しい……。
 
――それこそ若いころから大人の仕事の現場に慣れているからこそ、もっと面倒なことを目の当たりにしているのでは?
 
山田 面倒かどうかは別として、気遣いをしないといけない、ということはたくさんありますよね。空気を読むとか。
 
――まさにこの映画の違和感。
 
山田 そうなんですよ。空気を大事にするのはいいと思うんですけど、大事にしすぎるのはいかがなものかと思うこともあります。日本はそういう同調圧力みたいなことが美徳とされるフシがあるけど、他の国だと逆で、集団のなかでいかに突出する存在になるかが評価されるから、この作品が日本だけでなく海外の人にどう映るのか、ということを、監督がおっしゃっていましたね。
 
――しかも学校だとスクールカーストが。
 
山田 それはアメリカとかでもドラマのネタになってますよね。『Glee/グリー』とか見ていると、日本の学校社会より大変って思いますもの。

――海外作品もふくめて、ジャンルではどういったものを観るのが好きですか?
 
山田 サイコスリラー系ですね。最近だとヨルゴス・ランティモス監督の『ブゴニア』がすっごくよかったです。ただ、こういうジャンルは観るのは好きなんですが、演じるのは大変そう……と思ってしまいます。
 
――それこそ、今回はちょい役でジャパニーズホラーの大御所、清水崇監督が出演されてますけど。
 
山田 清水さんの『樹海村』に出演させていただいたので、今回まさか演者としてご一緒するとは思っていませんでした(笑)。

――山田さんは入らないけど皆さんは人間ピラミッド組むじゃないですか。日本体育大学の皆さんのご協力があったとか。
 
山田 そうなんです。この映画自体、日体大の方々がいなかったら完成しなかったと思いますよ。人間ピラミッドを組んでいくプロセスを見ていたんですが、撮影で完全に全部人間で組まないにしても、土台になる人たちがすごいつらそうなんですよね。どうやって重量バランスを組んでいくかとか、それ以外のアクションシークエンスに関しても、日体大の皆さんのおかげでした。
 
――体育大学のお友だちとか?
 
山田 いないです。なので全て新鮮でしたね。からだの動かし方とかを学びましたけど、人間の身体の不思議を見た気分です。

――山田さん、『ゴールデンカムイ』でもアクションを経験されているからお手のものだったのでは?
 
山田 いえいえ。(『ゴールデンカムイ』の)アシリパは、他の皆さんに比べたら少ないほうなので、今回学んだことはたくさんありました。『ゴールデンカムイ』は、山﨑賢人さんが一番アクションシーン多いんですけど、雪の中でよくこんなに動けるな、っていつも驚きながら見てましたもの。
 
――そもそも運動好きですか?
 
山田 それがですね……得意じゃないんですよ。
 
――ええええ! そうは見えない。
 
山田 運動部の経験もありませんし、体育の授業もあまり好きではなかったんです。運動会や体育祭は楽しかった思い出があり、運動することが憂鬱というほどではないんですけど、球技はとくに苦手で……。今回の撮影で日体大の皆さんにお会いしたときや、いろいろな作品の撮影でアクションを生業とされている皆さんとご一緒するたびに、すごいなー……って素直に思ってしまいます。
 
――体力勝負の作品が多いですものね。タイプは違うけど『山女』もそうでしたよね。
 
山田 山歩きをひたすらに(笑)。あの作品のおかげで大自然に抵抗がなくなりましたし、けっこう体力勝負の仕事だったり、アウトドア関連のお仕事が増えました。
 
――ジビエ食べたり火起こししたり!?
 
山田 できますよ(笑)。
 
――体力ありそうなイメージが定着ですね。
 
山田 それゆえに、普段からちょっと気をつけないと、って意識はできました。25歳になったんですが、ちゃんと運動して健康診断にも行こうと思っています。
 
――あら、健康診断も。
 
山田 行かないと、と20歳のときから思っていたんですが、先延ばしになってしまっていて。今年は絶対に行きます。
 
――25歳、アラサーですものね。
 
山田 そうなんですよ。お仕事をするためにも絶対に体力と健康が必要ですから。

――キャリアメイキングが順調ですよね。
 
山田 いやいやいや……とんでもない。まだまだです。ただ、25歳になって思うのは、どんどんと時間の流れが速く感じられるようになっていることですね。もっと時間があれば、もっとたくさんのことができるのに、っていつも思ってしまいます。
 
――それ、年とともにもっと加速しますよ……(笑)。
 
山田 そうなんですか!? だとしたら、一日24時間、一年365日だと本当に足りないイメージです。お誘いいただくもの全てに対応できたら嬉しいのに、ぜんぜんできていませんもの。それこそ、この作品みたいに制服を着る学生の役はもうそろそろできなくなりますし。
 
――20代後半の役者さんのお話うかがうと、それ、みんなおっしゃるんですよね。でも、きっと、30歳くらいまではできますよ(笑)。
 
山田 ええ!? ほんとですか?
 
――ほんとです。実例はたくさんありますし。
 
山田 だとしても、なるべく多くやってみたいですよね。あと、歳を重ねたからこそできる社会人のキャリアばりばりの役も、これからは増えていくと嬉しいです。

――そういえば、山田さんのフィルモグラフィは、ファンタジーがかった作品が多いですよね。
 
山田 そうなんです。だからこそリアルにいる女性の役をやってみたい、と思うんですよね。医療ドラマが好きなので、新人医師とか。
 
――あ、それすごくハマりそう。どういうタイプの医療ドラマをご覧になってます?
 
山田 海外ドラマが好きなんですが、最近は『ザ・ピット/ピッツバーグ救急医療室』というドラマを見てます。あとは鉄板ですが『シカゴ・ファイア』シリーズとか。
 
――とすると、海外プロダクションのお仕事にも興味があるのでは?
 
山田 最近、日本と合作の協業が増えているので、意識はしています。昨年撮影して、今年放映されたNHKとシンガポールの共同制作ドラマ『ロスト・アンド・ファウンド~君を探して』という作品を経験したおかげで、他の国のクリエイティブが関わるとこうも違うものができるのか、っていうのを感じました。英語のお芝居はまだまだ勉強することばかりですが、ご縁があるといいな、と思っています。

『NEW GROUP』
監督・脚本:下津優太/出演:山田杏奈、青木柚、駒井蓮、前野朋哉、清水崇、ピエール瀧 ほか/配給:KADOKAWA/公開:6月12日より、新宿バルト9ほか全国ロードショー
© 2026映画「NEW GROUP」製作委員会

Interview & text_MASAMICHI YOSHIHIRO
Photograph_KAZUYUKI EBISAWA[MAKIURA OFFICE]
Hair & Make-up_ CHIAKI SAIO
Styling_KAORU WATANABE

ジャケット¥107,800、コルセットベルト¥34,100、スカート¥70,400(全てミスター イット)、右手リング¥94,300、左手リング¥35,800、イヤカフ¥78,300(全てトムウッド/トムウッド 青山店)、シューズ¥66,000(カチム)、ソックスはスタイリスト私物

【問い合わせ先】
カチム info@katim.sc
トムウッド 青山店 03-6447-5528
ミスター イット press@misterit.jp

元記事で読む
の記事をもっとみる