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「北海道の大地の下にこんなところがあるなんて…」地下350メートルの世界へ大冒険!期間限定の施設を見逃すな!【しろまる寄り道⑯】

  • 2026.1.16

WEBマガジンSitakkeで連載中の、ちょっと“距離感”がおかしい道民、白丸あすかが描く漫画『しろまるほっかいドライブ~白丸さんは距離感がおかしい~』から、寄り道スポットをご紹介します。

今回のドライブ日記:しろまるほっかいドライブ第8話

寄り道スポットNo.16 幌延町「幌延深地層研究センター」

Sitakke読者の皆さまこんにちは。
旅好き北海道民のしろまるです。

本コーナーは道内をドライブする連載企画『しろまるほっかいドライブ~白丸さんは距離感がおかしい~』の作中において登場したスポットを掘り下げて紹介する寄り道コーナーとなっております。ちょっとディープな北海道の世界へご案内!

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豪雪地帯を抜けるクリスマスドライブの終盤で、しろまるは幌延町の山あいに位置する「幌延深地層研究センター(ゆめ地創館)」へ寄り道をしました。

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高さ約50mのひときわ目を引くタワーが目印です!

幌延深地層研究センターは、日本原子力研究開発機構(JAEA)による、高レベル放射性廃棄物の地層処分技術を研究するための施設です。タワーの土台部分にあたる「ゆめ地創館」では高レベル放射性廃棄物や地層処分に関する内容を分かりやすく学ぶことができます。

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地層処分はもっともリスクが少ない処分方法と考えられていて、国の基本方針になっています。

ゆめ地創館は予約不要・入館無料で見学をすることができ、それだけでも見ごたえ十分なのですが、今回は足を運んだ方にぜひ体験してほしいとっておきのプログラム…… 「深地層研究センターの地下施設見学会」をご紹介させていただきます!

地下見学会は毎週火曜・木曜を中心に行われ、2週間前までの事前申し込みが必要となります。平日開催のため都合がつかずこれまでずっと未参加だったのですが、なんとかスケジュールを調整し、今回の寄り道で念願の参加を果たしてきました。

深地層研究センターの地下見学会は午前の部(9時30分~)と午後の部(13時30分~)のどちらかを選ぶことができ、今回しろまるは午後の部に参加。見学会の集合場所はゆめ地創館の1階で、受付の後、担当の方から施設の概要説明を受けます。

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施設の説明はジオシアターの大きなスクリーンを使って説明していただきました。

座学で深地層研究センターについての理解を深めたら、出発前のお着替えタイムに突入です。施設見学へは安全上および汚れ防止の観点から、専用の服装での出発となります。

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撮影用のスマートフォンは、専用のケースをお借りして持ち込みました。着替えるとワクワクしますね!施設の見学は ゆめ地創館の常設展示 → 地層処分実規模試験施設 → 展望タワー → 地下施設の順番で進行していきます。
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最初にゆめ地創館の展示を解説していただいてから、
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隣接する地層処分実規模試験施設へ。

地層処分実規模試験施設では人工バリアの実寸のモデルが展示されており、ガラス固化体と人工バリア、そしてそれらの設置方法が可視化されていてイメージが膨らみました。

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こちらはオーバーパックの外側を囲う緩衝材などに使用されている「ベントナイト」と呼ばれる粘土鉱物の実験コーナー。水の入った容器をこの素材の上に逆さにして置くと、一瞬で砂状だったものが固まって蓋となり、水の流出を防ぎます。ガラス固化体を地下水の侵食から守ることは、地層処分においてとても重要なポイントなのだそうです。
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続いて展望タワーに登り、高さ45mの最上階から施設を一望。タワーは見学会に参加しなくても登ることができます。

さて。
皆さまお待たせいたしました。
いよいよ地下施設見学のお時間です!

地下施設へはゆめ地創館の正面から地下へと続く立坑がある建物まで車で移動し、「人キブル」と呼ばれるエレベーターを使って下りていきます。

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立坑に設置された「人キブル」の内部。定員は11名で、地下350mまでの降下にかかる時間は約4分です。

地下見学者一行が人キブルに乗り込むと、立坑の案内係の方が操作をし、サイレンとともにゴンドラが降下を開始しました。真っ暗で底が見えない立坑へと入っていく感覚は、未知の領域に足を踏み入れる興奮と微かな恐怖を覚えます。

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降下中の人キブルからは、どこまでも続く立坑の暗闇と、時々現在の深さが書かれた看板が見えます。※高所・閉所が苦手な方は見学をお控えください。
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約3~4分の降下を経て、地下350mに到着しました。

サラッと地下350mと言っていますが、冷静に考えると東京タワーが縦にすっぽり入ってしまう高さですから恐ろしい深さです。自然豊かな道北の地下に、こんな施設があったなんて驚きですね、、、

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深さ350mの調査坑道は、東立坑、西立坑、換気立坑の3つを結ぶように8の字型に伸びており、ぐるりと1周することができます。
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8の字型の坑道にはいくつもの横穴が掘られていて、坑道ごとに異なった研究に使われています。(コンクリートの浸水実験や、地震計による地震の観測も行われていました)
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こちらの調査坑道は地下施設の核とも言える部分で、まさにこの壁の向こうで人工バリアの性能試験が行われています。
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坑道に2ヶ所設けられている緊急時の避難スペースには、物資の倉庫と仮設トイレが設置されていました。(トイレは使用してしまうと出したものを地上まで持って帰らなくてはいけないため、緊急時以外の使用は禁止です)
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坑道の壁がポッカリとくり抜かれているコーナーでは、なんと500万年前の地層を触ることができます。深地層研究センターは地層処分技術の研究だけでなく、地学分野においても重宝される施設ですね!
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また、地下深くにある坑道内は地熱の影響で初冬の幌延でも20℃弱の暖かさでした。 外気温を取り入れているため若干の変動があるものの、年間を通して10~20℃前後の気温が保たれているそうです。
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40分ほどで調査坑道を一周し、再び東立坑の人キブルを使って地上へと戻ってきました。

地下探検を終えて建物から外に出ると……びっくり!

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なんと、地下施設見学をしている間に雪が降り始め、辺り一面が真っ白に染まっているではありませんか!まるで、地下世界を通じて別世界にワープした気分です。こんなことあるんですね……(汗)

今回の訪問では地下350mの調査坑道を見学させていただきましたが、実は深地層研究センターの坑道はもっと深くまで続いていて、その最深部は地下500mに達しています。担当の方曰く、いずれは地下500mの調査坑道も見学可能にする方針で設備を整えているとのことでしたので、今後の深地層研究センターからも目が離せません。

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深地層研究センターは幌延町と北海道との三者協定により、地層処分技術の研究が終わった後は処分場として使わず施設を埋め戻すことが決まっています。地下深くでの貴重な体験ができる期間は有限ですので、深地層研究センターを訪れる機会がある方は、ぜひ地下見学会への参加を検討してみてください。

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深地層研究センターの隣には、約30頭のトナカイが飼育されている「トナカイ観光牧場」があります。幌延を訪れた際はぜひセットで寄り道をしてみてはいかがでしょうか?

今回のドライブコース

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行った先のスポット情報

【幌延深地層研究センター ゆめ地創館】
住所:北海道天塩郡幌延町字北進432番地2
TEL:01632-5-2022
営業時間:午前9時~午後4時
定休日:月曜日・年末年始 ※月曜日が祝日の場合は翌水曜日
※施設見学会の詳細については幌延深地層研究センター公式HPでご確認ください

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文・絵:白丸あすか
編集:Sitakke編集部YASU子

※掲載の内容は取材時(2025年12月2日)の情報に基づきます

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