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がんと宣告されたらあなたはどう受け止める? 独身アラフィフの著者が、希少な乳がんとポジティブに向き合った日々を綴る【書評】

  • 2026.6.6

【漫画】本編を読む

ある日、突然がんを宣告されたら――。『50代おひとり様、5%の希少乳がんになりました』(ナヲコ:著、寺田満雄:監修/KADOKAWA)は、著者のナヲコ氏自身の経験をもとに乳がん治療の日々を描いた作品だ。

未婚でアラフィフの漫画家であるナヲコ氏は、これまで大きな病気もなく過ごしてきたこともあり、健康診断を後回しにしていた。ところがある日、胸の違和感に気づいて病院に行くと、告げられたのは「5%の希少乳がん」だった。思いがけず始まる検査や手術、そして入院生活に直面することになる。

それでもナヲコ氏は過度に悲観することなく「どう対処するか」「何を知っておくべきか」といった現実的な視点で状況を整理していく。その背景にあるのは、同じ病気を経験し克服した母親の存在だ。身近にその姿を見てきた経験から、希望を持って前向きにがんと向き合っていく。この姿は、同じ病気を抱える人やその家族にも勇気と気づきを与えてくれるはずだ。

また、がん治療のことに加え「お金」や「生活」の問題にも目が向けられているところもポイントだ。入院や手術にどのような準備が必要なのか、治療を続けながら日常をどう保つのか。そうした具体的なエピソードが、読みやすく綴られている。闘病記というと重い印象を持たれがちだが、著者の視点はどこか冷静で、時にユーモアも感じられるため、構えすぎることなく自然とページをめくることができるだろう。

本作には「自分の経験が誰かの役に立てば」という強い思いが込められている。著者自身、他者の発信に背中を押されたことがこの体験漫画を描くきっかけになったという。だから作中、乳がんは早期発見により治療の選択肢が広がることや、検診の大切さについて繰り返し語られている。

突然病気に直面したとき、どう現実を受け止め、生活を見直していくべきか。本作はその過程を、等身大の言葉とやさしい表現で伝えてくれる。健康に自信がある人ほど、立ち止まり自分の体について考えたくなる作品だ。

文=ゆくり

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