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「呪いの箱」が人を襲う!? 新人調査官と最強霊能者が「呪物」にまつわる怪事件と人間の業を暴くオカルトミステリー【書評】

  • 2026.6.5

【漫画】本編を読む

『その呪物、取扱注意につき』(ヒロイチ:漫画、谷尾銀:原作、アオジマイコ:キャラクター原案/KADOKAWA)は、谷尾銀氏による同名小説のコミカライズ作品だ。呪いや怪異といった超常現象にまつわる事件を扱う特異な捜査機関を舞台にしたオカルトミステリーである。

物語は、交番勤務1年目の警官・成瀬義人が、夜警中に訪れた空き家でおぞましい「なにか」に襲われ、意識を失うところから始まる。その4カ月後、目覚めた彼に告げられたのは、上司が呪殺されたという事実と、警察庁特定事案対策室・通称「カナリア」への異動命令だった。

カナリアは、呪いや祟り、怪異など、超常的な存在によって引き起こされた不可解な事件や事故を専門に捜査する部署。その一員となった成瀬は、民間の霊能者である「狐狩り」の最強の実力者・九尾天全と協力しながら「コトリバコ」や「呪いの人形」など、曰く付きの品、いわゆる呪物にまつわる事件の調査に挑む。そして、呪物を用いた犯罪の裏にある、人間の業と対面していくのであった。

本作の魅力は、ただオカルトや非現実的な題材のみを扱うのではなく、あくまで人が関与する事件として解き明かしていく点にある。呪物は恐怖の象徴ではなく、それぞれ事情や背景を持ち、人間の感情や執着と深く結びついている。さらに「コトリバコ」に代表される呪物の民俗的なリアリティが物語に加わることで、単なるミステリーにとどまらない厚みを生み出している。

おそらく読み手のほとんどが、まだ「ツカミ」の段階であるにもかかわらず、成瀬とともに呪物にまつわる謎を追うことを止められなくなるはずだ。呪いは本当に存在するのか。それとも人の心が生み出した幻想なのか。そして「あの夜、いったい何が起こったのか?」。真実に辿り着くまで、今もっとも目が離せない作品のひとつである。

文=富野安彦

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