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実家の片づけは「自宅」とは違う? 玄関1時間からの実家じまい

  • 2026.6.5

実家の片づけは「自宅」とは違う? 玄関1時間からの実家じまい

親の老いやその先を考えると、避けて通れない「実家じまい」。片づけや空き家、不動産、家族との話し合いなど、気になることはたくさんあります。話題の新刊『実家じまいを考えたら知りたいことが全部のってる本』から、進め方のコツを抜粋して6回に分けて紹介。第2回は、親の片づけ4タイプについて。

実家と自宅の片づけ方は異なる

まずは安全のための片づけから

実家片づけにあたっては、「自分の家の片づけと親の家の片づけは別もの」ということを前提にするのが大切です。実家片づけの目的は、まずは親の安全と快適性の確保から。物が少ない「すっきりきれいな家」を最初から目指すと、失敗しがちです。実家じまいも視野に物を減らしたいといった子の側の事情もありますが、片づけは親の反応や家の状況に合わせて進めることが必要です。

「柔軟に」「少しずつ」進める

だからといって、親の言うままにするという意味ではありません。親子・家族で目的は共有し、子の側の事情・条件も踏まえて、できることを考えます。片づけるスペースや割く時間は無理のない範囲で、小さな目標をクリアすることを積み重ねます。まずは「玄関や庭を1時間ずつだけ」や「冷蔵庫1段分」でもいいでしょう。親の反応や状況しだいで柔軟に修正します。

「自分で片づける」と言う親もいますが、待っていても進まないことが大半です。また、子の側も「自分の親はまだ大丈夫」と思い込みがちですが、現実には親は高齢で状況も変わっていきます。思い立ったら、少しずつ取り組んできましょう。

片づけの基本的な考え方・進め方

①現状観察とリソースの確認

親と実家の現状の見直し
□ 実家の物は何がどれぐらいある?
□ 親の心身の状態は?

今あるリソース(資源)の洗い出しと、それぞれ使える範囲などの想定
□ 使える時間は?➡ 例:月2日
□ 頼れる先は?➡ 例:きょうだい、ご近所さん、自治体サービス
□ かけられるお金は?➡ 例:月1万円まで
□ 使える道具・手段は?➡ 例:車、パソコン
□ 一時的保管先は?➡例:自宅、レンタル倉庫

②❶をもとに「小さな計画」から実践

家族・きょうだいと相談し、無理のない計画を立てて実践
まずは親が安全に暮らせる家にするために…


・きょうだいが交代で月に1回ずつ帰省
・最初は2時間、廊下の片づけ
・週1回、自治体の見守りサービスを依頼

③❷の結果を振り返って、必要なら修正


・姉が予定どおり帰省できない➡地域包括支援センターに支援依頼
・思ったより大変➡ 1回ごとの片づけ範囲を減らす、時間を短縮する
・キッチンの片づけに親の抵抗感が強い➡ 先に水回りだけ片づける

④進め方・手段や目的の再設定

親の変化や家の状況に応じて、方法や目的を適宜変える


独居の母のために家を片づけていたが、体力が落ちてきて先々ひとり暮らしはむずかしそう
➡ 施設入所や実家の売却も視野に、早めに親族間で相談する

❶に戻って❶~❹のサイクルで小さな実績を積み重ねていく

想定外のことにも柔軟な対応・思考で

実家じまいは想定外のことが起こりがちなので、臨機応変な思考で!


・思い出の品が大量に出てきて大変➡ 親との会話のきっかけに
・弟と意見が分かれた➡ 早めに知っておけてよかったと考える
・親の体調不良➡ 子(きょうだい)だけでできることを考える

用語解説:「エフェクチュエーション」とは

ゴールから逆算して手段を選ぶ発想とは異なり、今ある手段や知識、協力者などから、何ができるかを柔軟に考えていく思考法。インド人の経営学者サラス・サラスバシー氏が提唱。もとは起業家の行動理論だが、実家の片づけのように先を見通しづらい、現実的・感情的・複雑な課題にも応用できる。

親の現状&片づけタイプに合わせた対応を

親の姿を観察し、傾向の把握を

片づけにあたって、親世代の価値観を知る、という話をしましたが、親の今の様子を把握することも重要です。身体面、認知面、性格、人づきあい、趣味嗜好、生活の様子、家計についてなど。あらためて観察すると、自分が思っていた親と今の姿のギャップに気づくことがあります。

きれい好きだったのに散らかっている、社交的だったのに外出しなくなった、すぐに居眠りするようになった……。徐々に変化する部分については、日常的に会っているとむしろ気づきにくく、久しぶりに帰省した際などの場合のほうが前回との違いに気づきやすい、という面もあります。

片づけタイプによって対応を

観察を通し、親の体力、片づけのやる気もわかってきます。それをもとに親の傾向をざっくり4タイプに分け、対応策を挙げたのが下記の表です。

このように、まずは親の現状や傾向を把握しておくほうが、効率的に片づけに取り組めます。同じタイプでも、親子の相性や家・資産の状況などによっても進め方は多様になります。状況に合わせ、柔軟に無理なく進めていきましょう。

親の片づけタイプ別 傾向と対応

日がたつにつれ、親の体力が落ちたり、逆に片づけに意欲的になったり、タイプは変わっていくことも。

(※年齢や傾向などは目安。)

「年齢バイアス」による親の過信も

多くの人は40歳を過ぎると「実年齢より2割ほど自分を若いと感じている」という研究結果※がある。そのため、高齢による体力ダウンの認識がない親が「片づけなんていつでもできる」と過信し、子の切迫感も伝わらず、こじれてしまうといったケースも。

※Rubin, D. C. & Berntsen, D. (2006). People over forty feel 20% youngerthan their age: Subjective age across the lifespan. Psychonomic bulletin &review, 13(5), 776-780.

監修いただいたのは

渡部亜矢 先生
Aya Watanabe●実家片づけアドバイザー
「実家片づけは、 親や自分の人生を振り返ったり、本当に必要な物を考えたりする機会にも。想定外のことも起こりがちですが、柔軟に進めていきましょう!」

イラスト:てらいまき

※この記事は、『実家じまいを考えたら知りたいことが全部のってる本』渡部亜矢・高橋正典・大橋理宏 監修(主婦の友社刊)の内容をウェブ記事用に再編集したものです。

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