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伝統工法の機能美を宿した外観。フィリックス・コンランとエミリー・スミス、奈良の小さな「森の家」ができるまで。#7

  • 2026.6.4

Exterior

東屋のダイニングテーブルは、大人数のゲストのためにDIYで作ったもの。エミリーさんの撮影スペースでもある。

耐久性を考えながら、随所に日本らしさを。

フィリックスさんを介して、いにしえと現代の職人によるコラボレーションのような改装を終えた家は、その外観においても、モダンな印象に反して日本の伝統工法がちりばめられている。外壁には板を少しずつずらして張る鎧張りを採用。一般的には120mmの板幅を3倍の360mmにすることで、通気性を高めている。一方で東の寝室側の壁には屋根材と同じガルバリウムを使用。隣地の畑に面するこの壁には強い雨風が吹きつけるため、外観デザインにアクセントを加えつつ、雨風をしっかりとしのげるようにした。

ダイニングの窓から続く屋外スペースは東屋のような仕立て。森の倒木を利用した柱を石で支え、屋根は耐衝撃性と透明性に優れたポリカーボネートに。東屋に開放感をもたらすと同時に、ダイニングへの採光も叶えている。

この家で初めての梅雨を迎え、軒樋はまだ実験的に取り付けたところ。様子を見て、もう少し延ばす予定だ。「家は最初から完成するのではない」。エミリーさんの言葉がまた思い出される。

東側の壁。無機質なガルバリウムと、回転して開く縦すべり出しの木窓がコントラストに。ここから家全体に風を迎える。
鎧張りの外壁の下の部分には木の色に合わせたレンガを使用し、統一感を持たせた。無垢材のベンチももちろんDIY。
透明感のある、東屋の屋根。白い漆喰の壁は隣り合う素材や植物、天気によって表情を変えるため見飽きることがない。
Felix Conran/フィリックス・コンラン家具デザイナー

1994年オーストラリア生まれ。 ロンドン芸術大学セントラル・セント・マーチンズ在学中に起業。2018年には父と家具ブランド〈メーカー&サン〉を創業。Instagram@felixconran www.felixconran.com

Emily Smith/エミリー・スミスドキュメンタリープロデューサー

1993年イギリス生まれ。ロンドン大学キングス・カレッジを卒業後、ドキュメンタリー映画の制作に携わる。SNSで東吉野の生活を発信中。Instagram@down2forage

photo : Haruhi Okuyama text : Mako Yamato cooperation : Kazuki Nakamori (OFFICE CAMP)

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