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夫の弟を好きになってしまった。危うい背徳が胸をざわつかせる『夫がいても誰かを好きになっていいですか? アヤの選択』【書評】

  • 2026.6.1

【漫画】本編を読む

『夫がいても誰かを好きになっていいですか? アヤの選択』(ただっち/KADOKAWA)は、幸せなはずの日常が、ある日“禁断の恋”へと傾きはじめる瞬間を描いた、ネットで大反響を呼んだ話題作。

結婚したら一生夫を愛するのは当たり前と信じていた29歳の専業主婦・アヤ。しかし、立派なマイホームに優しい夫と、誰もが羨む完璧な生活を手にしたはずなのに、彼女の胸には次第に息苦しさが積もっていく。埼玉へ移り住んだことで義母との距離が一気に近づき、出産のプレッシャーや家への干渉、姑の肩ばかり持つ夫とのすれ違いが、ゆっくりと溝を深めていったのだ。

そんな日々の中でアヤの心をふと軽くしてくれたのは、夫の弟・ツバサだった。夫と顔立ちは似ているのに性格は真逆。束縛を嫌い、自由に生きる風通しの良さを持ち、アヤの悩みにさりげなく寄り添ってくれる“唯一安心できる相手”となっていく。

やがてアヤは、ツバサに会える日を心待ちにするようになる。ツバサのささいな言動の一つひとつが胸をざわつかせ、互いに距離を縮めていく姿はスリリングでありながら、どこか甘酸っぱい。“夫の弟を好きになる”という禁断の恋。その背徳がアヤの心をいっそう激しく、鮮やかに染めていく様子は、丁寧な心理描写によって読者の胸にも痛いほど迫ってくる。

本作が心に響くのは、不倫のスキャンダル性ではない。“完璧に見える生活の中に潜む、誰にも言えない孤独”が、誰しもに起こり得る感情として描かれているからだ。義母との距離、マザコン気味の夫、変化した環境のストレス。そのすべてが重なった先で出会った“夫とは似て非なる相手”に惹かれていくアヤの姿は、胸の内の動きが痛いほどリアルで、その一瞬一瞬がどこか危うい。幸せと罪悪感の狭間で揺れ動き、“誰にも言えない恋”をしてしまったアヤがどんな選択をするのか――その行方を見届けてほしい。

文=ネゴト / すずかん

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