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NISA口座で1000万円を運用していた父→死後、40代息子が相続した結果…銀行から告げられた“想定外の一言”に絶句【元銀行員は見た】

  • 2026.6.21
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

みなさま、こんにちは。元銀行員の金融ライター・池田です。

近年では、資産運用でNISAの非課税枠を利用する人が増加しています。

しかし、相続時の注意点を押さえていないと、NISAを選択したことでかえって税金が増えてしまうケースも。

今回は、NISA口座の投資信託を相続した結果、約60万円もの税負担が発生してしまった男性の事例を紹介します。

NISA口座の投資信託を相続した男性

40代の息子・Aさん(仮名)は、資産運用に興味がある父とともにNISA口座を開設しました。

Aさんの父は、当時受け取ったばかりの退職金から1,000万円を運用することに。NISA口座を利用し、投資信託を一括で購入しました。

しかし数年後、Aさんの父は事故で他界します。

Aさんの父が保有している投資信託は死亡時点で約300万円の損失が出ており、資産評価額は約700万円になっていました。

非課税枠は保有者が亡くなった時点で終了する

Aさんが相続手続きのために銀行を訪れると、NISAの相続について以下のような説明がありました。

「NISA口座の非課税枠は、保有者が死亡した時点で終了します。そのため、死亡後に発生する運用益には税金がかかります」

銀行員はこう続けます。

「お父さまが運用していた投資信託については、今後はAさんの『NISA口座』ではなく、通常通り課税される『特定口座』に移管したうえで運用または売却を選択してください」

話を聞いたAさんは、移管に必要な手続きを済ませました。

「損失を取り戻してから売却」で約60万円の課税に!?

手続きを終えたAさんの特定口座には、元本1,000万円から約300万円の損失が出た状態である「約700万円」の投資信託が移管されました。

「せっかくだから、父が投資した元本1,000万円に戻してから売却したい」

そう考えたAさんは、そのまま運用を継続。

その後は順調に価格が回復し、1年後には元本の1,000万円に戻りました。

「父が出していた損失も取り戻せたし、利益が出ていないから税金もかからなくてよかった」と安堵したAさんは、ネットから売却の手続きを済ませます。

しかし、後日Aさんの口座に振り込まれたのは「約940万円」。

「売却したのは1,000万円のはずなのに…」

Aさんが取引先の銀行に問い合わせると、驚きの回答がありました。

NISAの相続では「取得価格」を引き継がない

特定口座などの課税口座で保有している投資信託を相続した場合、相続人は“亡くなった人の取得時の価格”を引き継ぐことになります。

しかし、NISA口座の場合、相続人は“亡くなった人の死亡時の価格”で投資信託を取得したとみなされます。

【Aさんの父が投資信託1,000万円を一括購入→死亡時点で300万円の損失】

通常の課税口座の場合

  • Aさんの相続時の取得価格は、父の取得価格を引き継いだ「1,000万円」
  • 父の損失300万円を取り戻して1,000万円で売却→利益は「0円」

NISA口座の場合

  • Aさんの相続時の取得価格は、父の死亡時点の「700万円」
  • 父の損失300万円を取り戻して1,000万円で売却→利益は「300万円」

つまり、税金の計算上ではAさんが約300万円の利益を得たことになり、約60万円の税金が差し引かれていたのです。

NISA独自の相続ルールに注意

NISAの相続では、死亡時の時価が相続人の取得価格になります。

そのため、今回のように「故人の損失を取り戻しただけ」であっても、利益が課税対象となってしまうのです。

相続後の税負担を正しく把握するためにも、NISA独自の相続ルールについて事前に確認しておくことが重要です。


監修・執筆:元銀行員・ikebu

元銀行員・行政書士資格保有の金融・法律ライター。一種外務員資格(証券外務員一種)、行政書士資格を保有。大学では法学部・法律学科に在籍し、卒業後は地方銀行に入行。個人リテール業務において、投資信託・生命保険商品の販売を中心とする資産運用のサポートのほか、住宅ローンや相続などの幅広い業務に携わる。法人営業では、事業性融資や法人向けの運用商品販売を担当。現在は金融・法律ジャンルを中心にライターとして活動。銀行員時代の経験や保有資格を活かし、専門的な内容を分かりやすく丁寧に解説することを得意とする。

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