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「毒親」との関係、どうしたらいい?『呪い』から解放されるために忘れないでいてほしいこと

  • 2026.5.27

はーい皆さん、ごきげんよう!満島てる子です。

突然ですが、あなたは自分と家族との関係性を、どんな風にとらえていますか?

仲がいいという人もいたり、シビアな状況が続いてしまっているという人もいたり。
絶妙な関係性で、安定と不安定の上を綱渡りしている、なんてパターンもあったりするのかな。

家族、特にその中でも親と子の関係というのは、どうしても『親』密になりがちであるがゆえに、そのつながり自体が時にに丈夫な「精神的支柱」にもなれば、はたまた縛り付ける力が異常に強い「呪い」になってしまうこともあるでしょう。

Sitakke
ライター・満島てる子

これは、こと子側にとっては大きな問題。
親側の持つパワーがどう働くかによって、その人生の行き先が変わってしまいかねなかったりもするんだもの。

今回のお手紙は、そんな親側のパワーにものすごく悩まされ、自分の人生を自分のものにしたいのにと、苦しみもがいている方からのものみたい。
ご紹介させてください。

読者からのお悩み「毒親の過保護と過干渉。結婚を前提にした恋人のことまで色々言われてしまい…」

Sitakke
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Sitakke
Sitakke

「くろ」さん、お手紙ありがとう。
あなた、ご両親と非常に複雑な力学の関係上にいて、そのうねりに大いに巻き込まれているみたいね。

まずあたしは、お手紙をくださったあなたの勇気を、心から賞賛したいと思います。
キツい状況を言葉に出して伝えることすら、誰かからの支配をあまりに強く受けている状態だと、無意識的にかなりの圧迫感を覚えるはず。
応募フォームに書き込むことも大変だったんじゃないかしら。

「くろ」さん、自分の気持ちを言葉にしてくれて、本当に感謝です。

にしても、そうねぇ。
お手紙から察するに、あなたが言う「過干渉、過保護、毒親」(凄まじいパワーワード……黒い三連星って感じ…)というご両親の有様だけれど、その内実にはさらにメスを入れて分解することができそうね。

例えば目立ったところでいうと、あたしが気になるのはあなたのお父さんとお母さんのパワーバランス。

どうやら「くろ」さんの書き様から察するに、お母さんがあなたの話を聞き(時には聞く耳もたずかもですが)、それをお母さんがお父さんに伝達。その上で、必要な場合はお父さんが何がしかのジャッジをあなたに下してくる。

そんなシステムが、今回のお手紙の裏にはありますよね。

状況は厳しいのでは、と心配でたまらないの

Sitakke

すなわち、あなたのお家には男性のリーダー(父親)がまずいて、そのスポークスパーソンというか代弁者というか、あたかも神に使える巫女のようなポジションとして、その男性の伴侶たる女性(母親)がいる。
この組み合わせは家父長制に典型的なものだと、あたしは思うんだよね。

なるほどお家柄も相まってか、古式ゆかしい、とはいえ決して生きやすさを多くの人にもたらす性質のものではない、日本の伝統的価値観がご家族の軸にあるらしい。

その軸と闘う、あるいはその軸から逃れ、自由になる必要が「くろ」さんにはありそうで。

それって絶対大変な取り組みになると思うし、だからこそ、あたしは「くろ」さんのことが心配でたまらないの。

先日のゴールデンウィークからは少し時間が経っていますが、その後はいかがお過ごしなのかしら。
こころが疲れ切ってないといいんだけれどと、現在画面の向こうからそう切に祈っております。

今回のコラムのど頭でも書きましたが、親が子に働かせることのできる力というのには、意識的か無意識的かに関わらず、大きいものがあるように思います。

自分の場合は、戸籍制度的な「お家」における親という立場とは異なるかもしれないんだけれど、いってしまえばお店の「ママ」。

スタッフたちや時にお客さんに対しても、あえて明確に「親」的存在としての振る舞いを示すときも少なくないし。

そうであるがゆえに、特に「店子」たちに対しては、自分の言動や指導、見せている姿勢が思っている以上に強い影響を与えていること、なんなら、ひとたび大事な局面となれば、こちら側が思わぬかたちで生殺与奪の権を握り、ジャッジしてしまいかねないんだということを、日頃から肝に銘じておかねばと考えたりしているのよ。

(もちろん、自分の場合はお仕事でもあるので、それなりにシビアな要求や指導をガツっとスタッフにすることもあるんだけれどね。遊びじゃないからさ)

そう注意していても、自分の親としてのパワーを知らずに振りかざしてしまっていたなんてことは、正直な話ままあることだし(その度に反省するんだけれどね)。

「くろ」さんの親御さんの場合は、「家」という権力構造自体にかなり飲み込まれてしまっている方々のようだから、おのれの行いの暴力性を自覚させるということは、そもそも難しそう。
おそらく状況は、かなり厳しいんじゃないかしら。

「くろ」さんの状況を、お手紙から冷静に汲み取らせていただいた上で。

あなたの救いにつながるアドバイスは、一体どの方向性なのか。
正直今あたしは、書く筆に迷いを覚えていたりします。

あたしなりのAnswer

Sitakke
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ただし。
この段階ではっきりと言えるのは、自分の子どもに対してはもちろん、そもそも他人を「売女」「頭がおかしい」と侮蔑するというのは、正気な人間のやることではないということ。

そして「水商売」という単語を非難するために使うなど、職業差別をあらわにしたり。

あなたのパートナーとの性的なスキンシップについて、度がすぎるほどの過干渉ぶり(ちなみに、あなたのお母さまが繰り返している貞操を求めるという姿勢は、他の家に出しても恥ずかしくない穢れなき"商品"として女性を扱うもので、人間の主体性を奪うような論理に則ったものだと思います)を露わにしたり。

そんな、「くろ」さんを傷つけるような親御さんの振る舞いは、まったくもってまともではないということ。
これらはまず、あなたに向かってあたしから断言しておきたい。

だからあたしは「くろ」さんに、まずそうした加害性を振り撒いてくる無反省な他者から距離を置くというか。
本当はその家から逃げるのを、できるならばおすすめしたい。

パートナーさんと一緒に「説得や説明を何度もしてがんばる」ことも、ステキな取り組みだと個人的には思うんだけれど。
そうしている間にもあなたのこころは、親御さんによって無限にズタボロにされていってしまう気がするんだよね。

回復できないほど深い傷を負ってしまう前に、お父さまお母さまのコントロールから外れ、自分の人生の主導権を取り戻す方が、「くろ」さんの今後の歩みが彩り豊かになるんじゃないかしら。あたしは、そんな風に思います。

精神は、あなたのもの

Sitakke

でも残酷な話、みんながみんな「家」という呪いからそう簡単に、やすやすと逃れられるわけじゃないのよね。
これは、LGBTQに関する発信を続けている最中にも、肌でありありと感じる事実。

カミングアウト後に親兄弟から拒絶され、その生き方を否定される性的マイノリティは後を断ちません。

またそもそも、異性愛規範が支配的な「家」という環境に根本的にこころが安らがず、家族から離れようと試みる当事者は少なくないわけですが。

経済的な自立であるとか、精神と生活を支えケアしてくれる家族以外の誰かの存在であるとか、そうした条件がそろわないと、当人のこの手の望みはなかなか叶わない。

そんな、LGBTQと似たような事情が、毒親に苦しめられている人たちにもおそらくあるんじゃなかろうか。

もし「くろ」さん自身も、なんらかの理由があってご両親から離れられない状況下にあるのなら、あたしの「家から逃げなさい」という目下のアドバイスは、あなたの耳には無責任に響いているかもしれない。

そうだとしたら、本当に申し訳ないわ。
ごめんなさいと、現段階で伝えておきたいと思います。

とはいえ。
物理的、経済的な独立が困難だったとしても、あなたの精神はまずあなたのもの。
それだけは、どんなシチュエーションにあるときにも、「くろ」さんには忘れないでいてほしい。

そして、そんな自分の「独立国」としての領域、すなわちあなた自身のこころの深部のテリトリーを、親たちの「植民地化」からどうか守り抜いてほしい。
これはあたし、真剣に願っているの。

幸い、あなたにはステキなパートナーがいます。
その方のサポートも受けつつ、互いに支え合いながら、徐々にでも当座の呪いというか、「家」という縛りから自由になっていく方向性を、まずは一緒に探ってみてください。

なんなら、手紙の中でも悩んでいらっしゃった結婚についても、お父さんお母さんのことを棚上げにして、パートナーと自分中心に考えてみて大丈夫。

だって憲法24条第1項の通り、結婚は当該のカップルふたりの「合意のみに基づき成立」するものなんです。
婚姻の自由は、あなたの目の前に常に開かれています(LGBTQにも早く開かれてほしい!)。

家父長制という呪いから解き放たれるチャンスは、すぐそこに、すぐそばにあるの。
今回のコラムを通じて、その事実がまず「くろ」さんに伝わっていればなぁ、伝えたいなぁと、あたしはそんなことを考えながら、キーボードに指を走らせていたのでした。

ま・と・め♡

というわけで、今回はいつも以上に複雑な経路を巡りながらでしたが、毒親というテーマについて取り上げさせていただきました。

ちなみに、「家」についてあれやこれや批判的なことを中心に書いてしまったけれど。
個人的には「家」は、誰かとともに生きられる、共にいられるというある種の幸せをもたらし、象徴している記号でもあるなと同時に感じています。

「くろ」さんや読者の方々にとって、「家」がそんな喜びをもたらす、ステキなおまじない的存在でありますように。マジで。

ではでは今日はこの辺で。Sitakkeね〜!

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文:満島てる子
イラスト制作:VES
編集:Sitakke編集部あい
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満島てる子:オープンリーゲイの女装子。北海道大学文学研究科修了後、「7丁目のパウダールーム」の店長に。 2021年7月よりWEBマガジン「Sitakke」にて読者参加型のお悩み相談コラム【てる子のお悩み相談ルーム】を連載中。お悩みは随時募集しています。

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