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親の強要と幼少期に受けたトラウマでスカートが穿けなくなった…「女性らしく」に恐怖を抱えた著者が、その「呪い」から解放されるまでを描いた実録エッセイ【書評】

  • 2026.7.25

【漫画】本編を読む

『スカートの呪いが解けるまで 幼少期からの性被害が原因で女らしさ恐怖症になった私』(魚田コットン/オーバーラップ)は、幼少期に受けた性被害によって、傷つき失われた「自分らしさ」を取り戻していくまでの過程を描いたコミックエッセイだ。

著者の魚田コットン氏は幼い頃から母親に、かわいらしい服や仕草など、「女の子らしさ」を強要され、そして容姿否定をされながら育った。それに加えて小学生時代の痴漢被害や義父からの虐待によって、「女性であること」に恐怖を抱くようになっていく。だから魚田氏にとってスカートは「女性として見られること」を意味する恐怖の象徴となり、穿けなくなってしまうのだった。

そして被害者であるにもかかわらず、魚田氏はずっと自分自身を責め続ける。「私は汚れている」「私なんかをちゃんと愛してくれる人はいない」と自らを蔑み続ける姿から、傷つけられた側だけに苦しみが背負わされる理不尽さが伝わり、胸を締め付けられる。

また、「被害は過去のものになっても終わりではない」というのも本作の重要なテーマだ。進学をきっかけに家を出て、心を許せる相手と出会い、結婚と出産を経てもなお「スカートの呪い」は消えることはなかった。それは我が子の子育てにも大きな影を落とすのである。

しかし魚田氏はその呪いにずっと苦しめられるわけではない。自分自身と向き合い、少しずつだが着実に自分を取り戻していく。その姿はとても力強く、同じような経験やトラウマを持っている人には大きな希望となるだろう。

魚田氏は思い出すことも語ることも苦しい実体験を赤裸々に綴ることによって、性被害の恐怖を私たちに教えてくれる。本書を通して被害者を救うのはもちろん、新たな被害者と加害者を生まないため、より多くの人に手に取ってほしい作品である。

文=坪谷佳保

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