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「家にも“残クレ”が出た」とネットで話題…6月開始の新型住宅ローン、車の残クレとの"決定的な違い”

  • 2026.6.20
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出典元:photoAC(画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。宅地建物取引士や2級ファイナンシャル・プランニング技能士の資格を持つ、不動産業界歴15年のライター西山です。自動車を買う際に「残価設定型クレジット(残クレ)」を利用された経験をお持ちの方はいらっしゃいますか。

最近SNSで「家にも残クレが出た」と話題を集めている住宅ローンがあります。今回は住信SBIネット銀行が2026年6月に開始した新しい住宅ローンの仕組みと、利用に向いている人や注意点について解説します。

自動車の残クレとは違う「期日一括返済」の仕組み

話題になっているのは、住信SBIネット銀行が開始した「期日一括返済併用型住宅ローン」です。対象は東京23区や横浜市などの担保評価額1億円以上のマンションで、前年年収1,000万円以上という条件が設けられています。

仕組みとしては、担保評価額の最大50%相当をあらかじめ定めた期日に一括返済し、その据え置く部分については利息のみを支払い、残りの元金は通常の元利均等方式などで返済していく仕組みとなっており、メガバンクやネット銀行では初の試みと同社は発表しました。

元金の一部(担保評価額の50%相当)を据え置いて、月々の負担を抑える点が自動車の残クレに似ているため、SNSでそう呼ばれた背景があります。しかし自動車と違い、住宅の場合は将来の物件価格が保証されません。据え置いた元金は、期日までに全額返済する必要があり、ここが自動車との決定的な違いにあたります。

“月々の軽さ”の正体と期日精算の出口

月々の返済額が少なく見えるのは、元金の一部(担保評価額の50%相当)の返済を後ろに回して利息のみを払うためです。「月々の支払いが軽い」と「総額が安い」は別物であり、据え置き分の利息を払い続けるうえに元金は減りません。

あらかじめ定めた期日には、据え置いた50%相当の元金をまとめて精算する義務が生じます。その際の出口戦略として、物件の売却や住みかえ、自己資金の投入や他行への借り換えなどが想定されるでしょう。

もし期日を迎えて売却する際、売却額が据え置いた元金に届かなければ手出しの資金が必要です。変動金利を選んだ場合は、金利上昇の影響を受けるリスクも高まります。月々の数字だけを見るのではなく、返済総額と精算の出口までを含めて判断したいところです。

新型ローンに向いている人と資金計画を立てる重要性

この新型ローンに向いているのは、完済時の年齢制限によって超長期ローンを組むのが難しい方といえるでしょう。10年から15年後の住みかえを明確に見据えている方や、保有期間が定まった定期借地権付き物件を検討する方にも適しています。

年収や対象エリアといった条件のハードルは高いものの、活用次第で手元の資金を残しつつ物件を購入しやすくなります。新しい金融商品は魅力的に映りますが、仕組みを正しく理解してご自身のライフプランと照らし合わせることが重要です。将来の売却や住みかえまでを見据えたうえで、ぜひ無理のない資金計画を立ててみてください。

参考:住信SBIネット銀行、メガバンク・ネット銀行初「ハイブリッド型の住宅ローン」をリリース(住信SBIネット銀行)



筆者:西山雄介(宅地建物取引士・マンション管理士・FP2級などの資格所有)
不動産業界歴15年。新卒で東証プライム上場のマンションデベロッパーに入社後、計2社で新築・中古販売および管理業務に従事。実務現場を経て管理職も歴任し、組織運営にも携わる。現在はその多角的な視点を活かし、実務解説から不動産投資、法律事務所案件まで、専門性の高いコンテンツ制作・ディレクションを行っている。


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