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新築購入も「週末になると、見慣れない車が…」30代夫婦を悩ませた“悪気ない行為”【一級建築士は見た】

  • 2026.6.19
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出典元:photoAC(画像はイメージです)

「週末になると、うちの車庫の前にいつも見慣れない車が停まっているんです。出かけようとしても、車を出しづらくて…」

そう話すのは、郊外の新築戸建て(土地・建物で約5,400万円)を購入したTさん(30代夫婦・子ども1人)です。閑静な住宅地に憧れて家を建てましたが、気候が良くなって隣家に週末ごとに来客が訪れるようになり、思わぬ悩みに直面しました。

その来客の車が、Tさんの家の車庫前の道路に停められるようになったのです。「悪気はないのだと思いますが、車の出し入れがしづらいし、子どもの飛び出しも心配で」と頭を悩ませています。

初夏は「来客の駐車」トラブルが増えやすい

気候が穏やかになる初夏から行楽シーズンにかけては、家に人を招く機会が増えます。それに伴って、来客の車をどこに停めるかという問題が表面化しやすくなります。

来客用の駐車スペースを十分に確保できている住宅は多くありません。そのため、招いた側に悪気はなくても、来客の車が近隣の家の前や、車庫の出入り口付近の道路に停められてしまうことがあります。停められた側からすると、自分の車の出し入れがしづらくなり、見通しも悪くなって、ストレスや不安につながります。

とくに、道幅の狭い住宅地では、一台の路上駐車が通行の妨げになりやすく、トラブルに発展しやすいのです。

「道路」か「敷地内」かで対応が変わる

駐車をめぐる問題は、停められた場所が公道か私有地かによって、対応が変わってきます。

家の前の道路への駐車は、道路交通法の対象です。とくに、車庫など自動車の出入り口から3メートル以内の駐車は禁止されています。長時間の駐車や通行の妨げになっている場合には、警察に相談することができます。緊急性が高い場合は110番への通報、常習的に困っている場合は警察相談専用電話(#9110)への相談という選択肢があります。

一方、自分の敷地内(私有地)に無断で駐車された場合は、道路交通法上の駐車違反にはあたらず、警察はすぐには動けません。この場合は、所有者との話し合いや、敷地への対策が中心になります。「道路」と「自分の土地」では、取れる手段が違うことを知っておくと、対応を考えやすくなります。

Tさん夫婦はどう対応したのか

悩んだ末、Tさん夫婦は段階を踏んで対応しました。

まず、隣家との関係を悪くしたくなかったため、日常のあいさつの中で「車庫の前に停まっていると、車を出しづらくて」とやわらかく伝えました。隣家は気づいていなかったようで、来客に別の場所へ停めるよう案内してくれるようになったといいます。

あわせて、車庫の前に「駐車ご遠慮ください」という趣旨の表示を出し、出入り口であることが一目でわかるようにしました。「角を立てずに、まず気づいてもらうことを優先したのがよかった」とTさんは振り返ります。来客が多いときは、近くのコインパーキングを案内してもらうことで、双方が気持ちよく過ごせるようになりました。

戸建ては「来客の駐車」まで考えて選ぶ

戸建ての購入や住宅地選びでは、自分たちの駐車場だけでなく、来客時や近隣との駐車の関係まで意識しておくと安心です。とくに以下の点を確認してみてください。

・前面道路の幅(来客が停めたときに通行できるか)
・車庫の出入り口の位置と、見通しのよさ
・近隣にコインパーキングなど来客が使える駐車場があるか
・来客が多い家庭なら、来客用スペースを確保できるか

ご近所と「気持ちよく」暮らすために

ここまで来客の路上駐車の問題を中心に紹介してきましたが、人を家に招くこと自体は、暮らしを豊かにする楽しいことです。

来客を招く側は、駐車場所を事前に案内する、近くのコインパーキングを伝えておく、長時間になりそうなら配慮する──こうした心配りがあれば、近隣とのトラブルを避けられます。停められて困っている側も、まずは関係づくりと、状況に応じた相談先(公道などなら警察、敷地内なら話し合い)を知っておくことで、冷静に対応しやすくなります。

「停める場所くらい」と軽く考えるのではなく、「車庫の前や狭い道での駐車は、隣の人の生活に影響する」とお互いが意識すること。それが、初夏のご近所トラブルを防ぐ第一歩です。


ライター:yukiasobi(一級建築士・建築基準適合判定資格者)
地方自治体で住宅政策・都市計画・建築確認審査など10年以上の実務経験を持つ。現在は住宅・不動産分野に特化したライターとして活動し、空間設計や住宅性能、都市開発に関する知見をもとに、高い専門性と信頼性を兼ね備えた記事を多数執筆している。


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