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憧れのタワマン購入も…「夕方に一気に重くなる」40代会社員を襲ったネット回線の“盲点”

  • 2026.6.25
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。不動産管理会社で10年以上の現場実務に携わり、現在は不動産ライターとして活動するS.Kです。在宅ワークが定着し、自宅のインターネット環境を重視する方は多いのではないでしょうか。

今回は、タワーマンションに導入された一括型のインターネット回線が原因で、思わぬ不便と出費に悩まされたエピソードを紹介します。

全戸一括ネットの特性と夕方以降に頻発する通信トラブル

在宅ワークが中心の40代会社員Aさんは、購入したタワーマンションのインターネット環境に満足していました。管理費に全戸一括型の利用料が含まれており、入居時から手続きなしで使えて便利だったためです。

しかし、入居からしばらく経つと、業務に支障が出始めます。日中のWeb会議は問題なくこなせても、夕方以降に打ち合わせや大きなファイルの送受信を行おうとすると、映像が止まったりエラーが出たりするようになりました。

Aさんが通信業者へ「最近、夕方になると一気に重くなるのですが」と状況を伝えると「夜は使う人が一気に増えるので、建物全体で混みやすいんですよね」との返答です。Aさんは初めて、このマンションのインターネットが共用部の一つの回線を全戸で分け合う仕組みだと知りました。大元の回線容量に余裕がないと、利用が集中する時間帯に速度が落ちやすくなります。

割高な二重払いか我慢か。立ちはだかる個別契約の壁

通信環境を改善したいAさんは、速度アップのために個別に光回線を引こうと検討します。しかし、管理費に含まれる一括分の通信費は、使っても使わなくても毎月払い続けなければなりません。個別に契約すれば、一括分の通信費と個別の回線料の二重払いになってしまいます。さらに個別の光回線を引き込むには、共用部の配管に空きがあるかの確認や、管理組合の承認が必要です。

Aさんは管理組合へ「回線設備を新しくしませんか」と提案しました。しかし今の速度で満足している居住者もおり、合意形成は難航します。結局Aさんは、割高な二重払いを覚悟して個別の光回線を引くか、遅いまま我慢するかの二択を迫られました。

購入前に確認すべき回線の種類と二重払いを防ぐ対策

前提として、すべてのタワーマンションの一括ネットが遅いわけではありません。各戸まで光ファイバーを引き込む「光配線方式」を採用し、十分な回線容量を確保している物件であれば通信環境は快適に保たれます。

一方で、共用部から各戸までを既存の電話線でつなぐ「VDSL方式」などの場合は、構造上速度に限界があり、混雑時に遅くなりやすい傾向があるのです。マンションを購入する前には、全戸一括型か個別型かに加えて、実際の配線方式や個別契約の可否まで分かると、入居後の速度の見通しが立ちます。

在宅ワークなどで速度を重視するなら、個別の光回線を引ける物件を選べば、不満を感じてからでも切り替えることが可能です。すでに入居していて速度が出ない場合、管理組合での回線設備の見直しには時間がかかります。モバイル回線の併用で補う手もありますが、夕方はモバイル側も混みやすく、効果は立地や階数に左右されるでしょう。



ライター:S.K(マンション管理士)
不動産管理会社で10年以上の現場実務に携わり、業界団体の評価制度策定委員会に所属していた経験がある。現在はライターとして、自身の豊富な経験・知見をもとに、一次情報を盛り込んだ不動産記事を多数執筆している。


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